Threadsゴースト投稿でビジネスが変わる? 起業18フォーラム新井一氏が語る「消える投稿」の戦略的活用法

新井一

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テーマ:マーケティング

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

――新井さん、今日はThreadsの新機能「ゴースト投稿」について詳しくお話を伺いたいと思います。2025年10月28日にリリースされたこの機能、かなり注目されていますね。

新井:はい、私もリリース直後から試していますが、これは面白い機能ですよ。単なる「消える投稿」ではなく、ビジネス活用の可能性が非常に高いと感じています。

――具体的にどのような点が、ビジネスに活用できるとお考えですか?

新井:最大のポイントは、返信がすべてDMに届くという設計です。これまでのSNSは、コメントが公開タイムラインに表示されていました。でも、ゴースト投稿への反応は、投稿者のDM受信箱に直接届くのです。

――それは、どういう意味を持つのでしょうか?

新井:つまり、興味を持った人だけが自動的にDMでつながる仕組みになっているということです。ビジネス的に言えば、リードジェネレーション、つまり見込み客の獲得ツールとして機能するわけです。

「ゴースト投稿」の基本的な仕組み

24時間で消える、でも完全には消えない

――まず、ゴースト投稿の基本的な仕組みについて教えていただけますか?

新井:Threadsで投稿を作る時に「ゴーストアイコン」をタップすると、その投稿が24時間後に自動的にタイムラインから消えます。ただし、完全に削除されるわけではなく、アーカイブに保存されるので、自分は後から見返すことができます。

――見た目も通常の投稿とは違うのですか?

新井:はい、薄いグレーで点線の吹き出しのように表示されます。視覚的に「これは消えますよ」というサインが伝わる設計になっています。ただし、現時点ではテキストのみで、画像や動画は添付できません。

通常投稿との決定的な違い

――通常の投稿とゴースト投稿の最も大きな違いは何でしょうか?

新井:やはり、返信の扱い方ですね。通常のSNS投稿では、コメントは公開タイムラインに表示されます。誰でも見られる場所に。でも、ゴースト投稿の場合、返信はタイムラインに表示されず、DM受信箱に直接届きます。

――つまり、会話が完全にプライベートになるわけですね。

新井:その通りです。反応した人全員が、自動的にDMでつながる形になる。外からは見えない、1対1のコミュニケーションが始まるのです。

なぜThreadsはこの機能を作ったのか

投稿のハードルを下げる狙い

――プラットフォーム側の意図について、新井さんはどう分析されていますか?

新井:SNSは投稿が残るから、みんな慎重になりすぎるんですよ。「炎上しないかな」「将来この投稿が掘り起こされたらどうしよう」って。その結果、投稿のハードルが上がって、ユーザーが投稿しなくなる。プラットフォームとしては、それは困るわけです。

――なるほど。「消える投稿」なら、気軽に投稿できるということですね。

新井:そうです。それに、ThreadsはDM機能をもっと使ってほしいはずです。あまり使われていなかったので、ゴースト投稿を通じて、ユーザーに「DMを使う動機」を与えたのでしょう。

ビジネス活用の具体的なシーン

1. アイデアの市場テスト

――では、具体的なビジネス活用方法について教えてください。まずはどんな使い方が考えられますか?

新井:新しいビジネスを考えているけれど、「これって需要あるかな?」と不安な時に最適です。ゴースト投稿で短く、ラフに投稿してみる。

――反応があれば、ニーズがあるということですね。

新井:はい。しかも、返信がDMで届くから、どんな人が興味を持っているのか、どんな角度から知りたいのか、より具体的なフィードバックが得られます。反応が薄くても、24時間で消えるので、ダメージはありません。次のアイデアを試せばいいのです。

2. 限定オファーの告知

――限定性の演出にも使えそうですね。

新井:「24時間限定」「この投稿を見た人だけ」というフレーズは、マーケティングの王道です。ゴースト投稿は、これを自然に演出できます。

――確かに、投稿が24時間で消えるのは、限定感がありますね。

新井:しかも、誰が反応したかは外からは見えないので、フォロワー同士が意識することもない。プライベートな商談ができるわけです。

3. クイックなアンケート

――アンケートにも使えますか?

新井:新しいサービスのネーミングで悩んでいる時、キャッチコピーのパターンで迷っている時など、ゴースト投稿でサクッと聞いてみるのです。

――DMなら、より正直な意見が集まりそうですね。

新井:そうなんです。投稿は消えるので、「こんなこと聞いちゃってるけど大丈夫かな」という不安もありません。低リスクで顧客の声を集められるのは、個人ビジネスをしている人にとって大きなメリットです。

4. リアルタイムイベントの実況

――他にはどんな使い方がありますか?

新井:スポーツの試合とか、授賞式とか、リアルタイムで盛り上がるイベントでも使えます。「今これ見てる!」「やばい、この展開!」みたいに投稿すると、同じタイミングで見ている人から反応がDMで届きます。

――イベントが終われば投稿も消えるので、タイムラインが荒れることもないですね。

新井:はい。ファンとの「その瞬間だけの親密なつながり」を作るのに最適です。

注意すべきポイント

消えても完全には消えていない

――ここまで良い点ばかり伺いましたが、注意点もありますか?

新井:もちろんです。投稿は確かに24時間でタイムラインから消えますが、アーカイブは残っているし、Threadsを運営しているMeta側にもデータは残っています。

――アルゴリズムの学習や、広告のターゲティングに使われる可能性があるということですね。

新井:その通りです。完全に消えるわけではないという点は、理解しておく必要があります。

リプライを送れない人もいる

――他に注意点はありますか?

新井:ゴースト投稿への返信はDMで届きますが、メッセージリクエストをオフにしていると、自分をフォローしていない人からの返信は届きません。設定の確認が必要です。

Fediverseには共有されない

――Fediverseとの連携はどうなっていますか?

新井:ゴースト投稿はFediverseには共有されません。まあ、Fediverseを意識している人は限られていると思いますが、念のため知っておくといいでしょう。

戦略的に使えば、見込み客との接点を作れる

――最後に、この機能の可能性について、改めてお聞かせください。

新井:正直、この機能は、「消える」という一時性と、「DMに届く」というクローズド性の組み合わせが、ビジネス活用の観点からかなり面白いと思います。

――使い方次第ということですね。

新井:そうです。戦略的に使えば、見込み客との接点を作ったり、アイデアを磨いたり、限定性を演出したりできます。まだ始まったばかりの機能なので、今のうちに、いろいろ試してみるといいと思いますよ。

――消えるけど残る、公開だけどプライベート。絶妙なバランスですね。

新井:まさに。この「ゴースト投稿」、個人でビジネスをしている人、会社員のまま起業を目指している人にとっては、低リスクでアイデアをテストできる場であり、顧客との1対1の接点を作る入口になり得ます。ぜひ活用してみてください。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。

新井:こちらこそ、ありがとうございました。

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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専門家

新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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