AI時代に読まれる起業家ブログの書き方|ゼロクリック検索6割時代のコンテンツ戦略を起業支援の専門家が解説
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
――新井さん、今日はThreadsの新機能「ゴースト投稿」について詳しくお話を伺いたいと思います。2025年10月28日にリリースされたこの機能、かなり注目されていますね。
新井:はい、私もリリース直後から試していますが、これは面白い機能ですよ。単なる「消える投稿」ではなく、ビジネス活用の可能性が非常に高いと感じています。
――具体的にどのような点が、ビジネスに活用できるとお考えですか?
新井:最大のポイントは、返信がすべてDMに届くという設計です。これまでのSNSは、コメントが公開タイムラインに表示されていました。でも、ゴースト投稿への反応は、投稿者のDM受信箱に直接届くのです。
――それは、どういう意味を持つのでしょうか?
新井:つまり、興味を持った人だけが自動的にDMでつながる仕組みになっているということです。ビジネス的に言えば、リードジェネレーション、つまり見込み客の獲得ツールとして機能するわけです。
「ゴースト投稿」の基本的な仕組み
24時間で消える、でも完全には消えない
――まず、ゴースト投稿の基本的な仕組みについて教えていただけますか?
新井:Threadsで投稿を作る時に「ゴーストアイコン」をタップすると、その投稿が24時間後に自動的にタイムラインから消えます。ただし、完全に削除されるわけではなく、アーカイブに保存されるので、自分は後から見返すことができます。
――見た目も通常の投稿とは違うのですか?
新井:はい、薄いグレーで点線の吹き出しのように表示されます。視覚的に「これは消えますよ」というサインが伝わる設計になっています。ただし、現時点ではテキストのみで、画像や動画は添付できません。
通常投稿との決定的な違い
――通常の投稿とゴースト投稿の最も大きな違いは何でしょうか?
新井:やはり、返信の扱い方ですね。通常のSNS投稿では、コメントは公開タイムラインに表示されます。誰でも見られる場所に。でも、ゴースト投稿の場合、返信はタイムラインに表示されず、DM受信箱に直接届きます。
――つまり、会話が完全にプライベートになるわけですね。
新井:その通りです。反応した人全員が、自動的にDMでつながる形になる。外からは見えない、1対1のコミュニケーションが始まるのです。
なぜThreadsはこの機能を作ったのか
投稿のハードルを下げる狙い
――プラットフォーム側の意図について、新井さんはどう分析されていますか?
新井:SNSは投稿が残るから、みんな慎重になりすぎるんですよ。「炎上しないかな」「将来この投稿が掘り起こされたらどうしよう」って。その結果、投稿のハードルが上がって、ユーザーが投稿しなくなる。プラットフォームとしては、それは困るわけです。
――なるほど。「消える投稿」なら、気軽に投稿できるということですね。
新井:そうです。それに、ThreadsはDM機能をもっと使ってほしいはずです。あまり使われていなかったので、ゴースト投稿を通じて、ユーザーに「DMを使う動機」を与えたのでしょう。
ビジネス活用の具体的なシーン
1. アイデアの市場テスト
――では、具体的なビジネス活用方法について教えてください。まずはどんな使い方が考えられますか?
新井:新しいビジネスを考えているけれど、「これって需要あるかな?」と不安な時に最適です。ゴースト投稿で短く、ラフに投稿してみる。
――反応があれば、ニーズがあるということですね。
新井:はい。しかも、返信がDMで届くから、どんな人が興味を持っているのか、どんな角度から知りたいのか、より具体的なフィードバックが得られます。反応が薄くても、24時間で消えるので、ダメージはありません。次のアイデアを試せばいいのです。
2. 限定オファーの告知
――限定性の演出にも使えそうですね。
新井:「24時間限定」「この投稿を見た人だけ」というフレーズは、マーケティングの王道です。ゴースト投稿は、これを自然に演出できます。
――確かに、投稿が24時間で消えるのは、限定感がありますね。
新井:しかも、誰が反応したかは外からは見えないので、フォロワー同士が意識することもない。プライベートな商談ができるわけです。
3. クイックなアンケート
――アンケートにも使えますか?
新井:新しいサービスのネーミングで悩んでいる時、キャッチコピーのパターンで迷っている時など、ゴースト投稿でサクッと聞いてみるのです。
――DMなら、より正直な意見が集まりそうですね。
新井:そうなんです。投稿は消えるので、「こんなこと聞いちゃってるけど大丈夫かな」という不安もありません。低リスクで顧客の声を集められるのは、個人ビジネスをしている人にとって大きなメリットです。
4. リアルタイムイベントの実況
――他にはどんな使い方がありますか?
新井:スポーツの試合とか、授賞式とか、リアルタイムで盛り上がるイベントでも使えます。「今これ見てる!」「やばい、この展開!」みたいに投稿すると、同じタイミングで見ている人から反応がDMで届きます。
――イベントが終われば投稿も消えるので、タイムラインが荒れることもないですね。
新井:はい。ファンとの「その瞬間だけの親密なつながり」を作るのに最適です。
注意すべきポイント
消えても完全には消えていない
――ここまで良い点ばかり伺いましたが、注意点もありますか?
新井:もちろんです。投稿は確かに24時間でタイムラインから消えますが、アーカイブは残っているし、Threadsを運営しているMeta側にもデータは残っています。
――アルゴリズムの学習や、広告のターゲティングに使われる可能性があるということですね。
新井:その通りです。完全に消えるわけではないという点は、理解しておく必要があります。
リプライを送れない人もいる
――他に注意点はありますか?
新井:ゴースト投稿への返信はDMで届きますが、メッセージリクエストをオフにしていると、自分をフォローしていない人からの返信は届きません。設定の確認が必要です。
Fediverseには共有されない
――Fediverseとの連携はどうなっていますか?
新井:ゴースト投稿はFediverseには共有されません。まあ、Fediverseを意識している人は限られていると思いますが、念のため知っておくといいでしょう。
戦略的に使えば、見込み客との接点を作れる
――最後に、この機能の可能性について、改めてお聞かせください。
新井:正直、この機能は、「消える」という一時性と、「DMに届く」というクローズド性の組み合わせが、ビジネス活用の観点からかなり面白いと思います。
――使い方次第ということですね。
新井:そうです。戦略的に使えば、見込み客との接点を作ったり、アイデアを磨いたり、限定性を演出したりできます。まだ始まったばかりの機能なので、今のうちに、いろいろ試してみるといいと思いますよ。
――消えるけど残る、公開だけどプライベート。絶妙なバランスですね。
新井:まさに。この「ゴースト投稿」、個人でビジネスをしている人、会社員のまま起業を目指している人にとっては、低リスクでアイデアをテストできる場であり、顧客との1対1の接点を作る入口になり得ます。ぜひ活用してみてください。
――本日は貴重なお話をありがとうございました。
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。
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