会社員のまま6ヵ月で月収100万円!? 起業18フォーラム新井一氏が明かす現実的な1人起業成功法則
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
「続かない」は悪いことじゃない。むしろ体からの大切なサイン
――新井さん、今日は「続かない起業」というテーマでお話を伺いたいのですが、世の中には「続けることが成功の秘訣」という情報があふれていますよね。
新井:そうなんです。でもね、私はそれに真っ向から異議を唱えたいんです。「続かない人の共通点3つ!」みたいな動画、もう見飽きたでしょう? 最初から完璧を目指すな、自分1人で抱え込むな… って、そういうアドバイスをする人って、結局コンサル契約が欲しいだけなんじゃないかと思っちゃうんですよ。
――確かに、そういう情報は多いですね。でも、新井さんは「続けること」自体に疑問を持っていらっしゃるんですか?
新井:もちろん、続けた方が良いことはたくさんありますし、成功率も上がります。ですが、それで苦しくなっては意味がない。そもそも「続けること」って、そんなに偉いんでしょうか? 私が25年以上、延べ60,000人の起業をサポートしてきて思うのは、「続かない」って、体が「これ違うよ」ってサインを出してる状態なんですよ。
――なるほど。体からのサインですか。
新井:会社員は、毎朝決まった場所に行かないとお給料出ないですよね。でも、起業は違うんです。気持ちが乗った時に、仕組み作りを一気にやればいい。それなのに「続けろ」「定時を決めろ」「カレンダーにチェックしろ」って… 何言ってんだか、って思うんですよ(笑)。それって全部「続けること」が前提で、苦しいんです。苦しい人の気持ち、全然わかってない。
起業は「やりたいこと」だけやればいい。SNSもYouTubeも必須じゃない
――でも、SNSやYouTubeでの発信は、今の時代必須だと言われていますよね?
新井:はい、やった方が有利なのは確かです。でも、SNSが向いてない人もいるし、YouTubeが肌に合わない人もいる。オンライン講座が性に合わない人だっているんです。起業って、そういうのから解放されたいから、したいんじゃないですか? やりたいことやればいいんです。心が動くことを。
――それは目からウロコです。でも、何もしないわけにはいきませんよね?
新井:どんなやり方だっていいんです。諦めたら、自分に何が合わないことがひとつ明確になる。それを削ぎ落していけばいい。細マッチョになるんです(笑)。
SNSなし、YouTubeなし。それでも月商50万円を実現したAさんの起業スタイル
――具体的な事例を教えていただけますか?
新井:うちの会員さんにAさんっていう方がいるんですけど、この方がまさに「続けない起業」の成功例なんです。
――どんな方なんですか?
新井:Aさんは、SNSやらない。YouTube撮らない。何かを仕入れるお金はないし、セミナーも嫌い。ブログもいやだ。資料作成も面倒だし、夜は眠い。週末は飲み会に行きたい… っていう方なんです(笑)。
――それで起業できるんですか?
新井:できたのです! Aさんは、片っ端から経営者の勉強会に入って、いろんな飲み会に参加してるんです。そこで知り合った経営者たちに、友達の事務代行サービスを紹介して、それで月商50万円。紹介して終わり。あとは友達がやる。
――なるほど! それは営業代行のようなビジネスモデルですね。
新井:そうなんです。ビジネスとして理にかなった行動をしているんです。
自分の型を見つけるまで、どんどん試していい
――でも、いろいろ試して続かなかったら、自分を責めてしまいそうです。
新井:続かなかった自分を責めるな、って私は強く言いたいですね。自分の型を見つければいいんです。「続けよう」としないで、どんどん試していこう。それが楽しいんですから。
――ただ、そういうマインドだと、怪しいビジネスに引っかかりそうで怖いのですが…
新井:いい指摘ですね。こういうマインドでいると、「楽して稼ぐ系」に騙されることがある。だから、そこだけは気を付けてほしいんです。Aさんだって、ちゃんとビジネスとして理にかなった行動をしている。ただ楽をしているわけじゃなくて、飲み会や営業が苦手な人のために、ちゃんとお役に立っているから稼げるのです。
――つまり、価値提供の本質は変わらないということですね。
新井:その通りです。ただ、いろんなやり方があるのは事実。修行僧じゃないんだから、自分に合うやり方を見つけていこう。そう思えたら、次に進めますよ。
50代の起業は「削ぎ落とす力」が武器になる
――特に50代での起業を考えている方に、メッセージをいただけますか?
新井:50代は、もう自分のことがよくわかってる年齢ですよね。何が好きで、何が嫌いで、何が続いて、何が続かないか。その「続かない」という経験こそが、実は宝物なんです。
――宝物、ですか?
新井:はい。若い人は、まだ自分に何が合うかわからないから、いろいろ試さなきゃいけない。でも50代は違う。もう「これは自分に合わない」ってわかってるんです。だから、最初から削ぎ落とせる。それが武器になるんです。
――確かに、無駄な遠回りをしなくて済みますね。
新井:そうなんです。50代の起業は「続けようとするから」続かない。続けようとせず、自分に合うものを選んで、気持ちが乗った時に一気にやる。それが50代の起業スタイルです。
――今日は目からウロコのお話をたくさんありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。「続かない」ことに悩んでいる方が、少しでも楽になってくれたら嬉しいです。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。
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