会社員からの起業で失敗しない方法とは? 60,000人を支援した新井一氏が語る「起業準備」の真実

新井一

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テーマ:起業

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

フリーランス急増の裏で起きている「会社員回帰」現象

――最近、フリーランスから会社員に戻る人が増えているという話を聞きますが、新井さんはどう見ていらっしゃいますか?

新井:実は、これは起業支援をしている私にとって最も気を付けている点なんです。フリーランス人口は1300万人を超えて、10人に1人がフリーで働く時代になりましたが、「やっぱり会社員に戻りたい」という人が急増しているようです

――それは意外ですね。自由を求めて独立したはずなのに。

新井:そうなんです。理想と現実のギャップが想像以上に大きいんですよ。技術や人脈がないまま独立すると、ただの「都合よく使われる存在」になってしまう。会社員の方は「理不尽だ」「自由がない」って思うかもしれませんが、実はめちゃくちゃ恵まれた環境にいるんです。

会社員の「当たり前」が独立後の「贅沢」に変わる瞬間

――具体的にはどんなギャップがあるんでしょうか?

新井:まず、毎月決まった給料が入る、社会保険がある、退職金もある。これら全部が独立すると自己責任になります。今月100万稼いでも来月はゼロかもしれない。この恐怖と毎日戦うのは本当にキツいですよ。

――収入の不安定さは想像以上に精神的な負担になりそうですね。

新井:ええ、しかも稼げば稼ぐほど、住民税や国民健康保険料がドカンと来ます。会社員なら体調崩しても基本給は入ってきますが、フリーランスは働けなければ収入ゼロです。長期休暇を取ったら、次の仕事があるか分からない。とにかく安定しないんです。

成長機会の喪失という落とし穴

――収入面以外にも課題はありますか?

新井:これは意外と見落としがちなんですが、成長機会がなくなるんです。会社員だと上司が「いい感じの無茶ぶり」をしてくれる。デッドラインもあるし、教えてくれる人もいる。会社として育てようとしてくれる環境があります。

――確かに、一人だと同じ仕事の繰り返しになりがちですよね。

新井:そうなんです。気づいたら「私、ライターしかできなくない?」みたいな状態になる方も多いです。だからこそ、起業18フォーラムでは独立後も残って学び続ける方がたくさんいらっしゃいます。「独立したので辞めます」って言ってくる方もいますが、正直とても心配になります。

AI時代に生き残るための「6ヵ月準備」メソッド

――AIの登場で状況はさらに厳しくなっているのでしょうか?

新井:スキル系の仕事単価が劇的に下がっています。プログラマーですらAIに置き換えられ始めている。残れるのが「アナログ100%仕事」ってのは皮肉なものですよね。

――そんな中で、新井さんが提唱されている「6ヵ月で起業する」方法とは?

新井:会社員のまま準備することが最大のポイントです。収入がある状態で、しっかりと基礎を固める。起業18フォーラムでは、生き残るための力を徹底的に身に付けてもらっています。

会社員の強みを活かした起業準備

――具体的にはどんな準備が必要なんでしょうか?

新井:

  • まず自分の強みと市場のニーズをマッチングさせる
  • 小さくテストマーケティングを繰り返す
  • 人脈を会社員のうちに構築する
  • 資金を貯めながら、同時に売上の見込みを立てる
  • 最初の顧客を確保してから独立する

――なるほど、会社員という安定した立場を最大限活用するんですね。

新井:そうです。何もせず我流でやって、「時間もお金も自由な生活ができる」なんて幻想は捨てた方がいい。基礎と環境が本当に大事なんです。

挑戦と安定のバランスを取る新しい働き方

――でも、挑戦すること自体は否定されないんですよね?

新井:もちろんです! 挑戦する人が増えるのはいいことだと思います。フリーランスでも起業でも、挑戦して、ダメだったら会社員に戻る。雇用の受け皿があれば、社会として全く問題ありません。

――失敗を恐れずに挑戦できる社会になればいいですね。

新井:むしろ、これだけ人手不足なのに人材が流動しない方が問題です。気軽に挑戦して、行ったり来たりできる。そんな社会になればいいと思っています。ただし、挑戦するならきちんと準備しよう、これだけは強調したいですね。

――60,000人もの方を支援されてきた新井さんだからこそ、説得力がありますね。

新井:ありがとうございます。延べ60,000人の方々とお会いして分かったのは、成功する人には共通点があるということ。それは「準備の質」なんです。営業も、経理も、スケジュール管理も、全部自分でやる覚悟と、それができる準備。これがあれば、自由という名の孤独も乗り越えられます。

――最後に、これから起業を考えている会社員の方へメッセージをお願いします。

新井:会社員という立場は、起業準備において最強のポジションです。その恵まれた環境を最大限活用して、しっかり準備してから飛び出してください。起業18フォーラムは、そんなあなたの挑戦を全力でサポートします。

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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