倒産件数12年ぶり高水準!会社員が今すぐ起業準備を始めるべき理由とは? 起業18フォーラム代表・新井一氏が語る「会社員のまま起業する」戦略

新井一

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テーマ:起業

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

倒産件数805件、12年ぶり高水準の衝撃

――新井さん、2025年8月の倒産件数が805件という数字が発表されましたが、これは相当深刻な状況ですよね?

新井:そうです。リーマンショック後の2013年以来、実に12年ぶりの高水準です。しかも、これに加えて法人税増税の議論まで始まっている。中小企業の経営環境は、これからさらに厳しくなることは間違いありません。

――12年ぶりというと、かなりインパクトのある数字ですね。具体的にはどのような要因が考えられるのでしょうか?

新井:今回の倒産増加の主な要因を見ると、人手不足関連の倒産が23件(前年16件から増加)、物価高倒産が55件(前年48件から増加)となっています。特に建設業は前年比44.6%増、運輸通信業は21%増という状況です。

広がる一方の賃金格差、中小企業の苦境

――一方で、大企業では賃金アップの動きも見られますが…

新井:そこが問題なのです。ガストの店長が年収1千万円、ラーメン屋の日高屋が初任給27.1万円といったニュースが出ていますが、これは大企業の話。大企業と中小企業の格差がどんどん広がっているのが現実です。

――法人税増税が実施されたら、この格差はさらに拡大しそうですね?

新井:まさにその通りです。大企業は「税金払うなら従業員に還元しよう」となり得るのですが、中小企業にはそんな余裕はありません。優秀な人材はどんどん大企業に流れ、中小企業は倒産の道をたどることになるでしょう。

「安定した会社員」は幻想に過ぎない

――このような状況で、会社員の方々はどう考えるべきでしょうか?
新井:もう、何度も言っているのですが、ポジショントークではなく、すぐに備えることが必要です。「安定した会社員」なんて、もはや幻想に過ぎません。

――確かに、終身雇用制度も崩れてきていますからね…

新井:そうです。毎月の給料をもらうために、やりたくもない仕事を続けるなんて論外だと思います。会社の業績が悪化したら、あっという間にリストラの対象になってしまう。それが現実なのです。

今こそ会社員のうちに起業準備を始めよう

――そんな中で、新井さんが推奨されているのが「会社員のまま起業準備」ですよね?

新井:はい。こんな状況だからこそ、私は声を大にして言いたいのです。会社員のうちに起業準備を始めましょう! 辞めても食べていける準備をしておく。老後にも備える。政治になんて任せてちゃダメです。

――「改革、改革」と言われ続けてきましたが、なかなか実現しませんね…

新井:そうでしょう?「改革、改革」って、何年前から言ってるんですか(笑)。知り合いにそんな人いたら、信じますか? しかも「党をひとつにまとめる」って、誰の方見てるんでしょうね。

会社を辞めずに小さく始める戦略

――とはいえ、いきなり会社を辞めるのはリスクが高いですよね?

新井:もちろんです。私は会社を辞めろとは言っていません。粘ればいいんです。会社員としての安定収入を確保しながら、小さく事業を始めるのです。
――具体的にはどのようなアプローチが効果的でしょうか?

新井:実は、今は絶好のタイミングなんです。倒産件数が増えているということは、競合他社が減っているということでもあります。そして、早期退職を募る時代ですから、経験豊富な人材を使える。パソコン1台あれば始められる事業がたくさんあります。

よくある言い訳に対する新井氏の回答

――でも「時間がない」「お金がない」「自信がない」という声もよく聞きますが…

新井:それ、本当によく聞きます(笑)。でもね、時間がないって言うけど、Netflix見る時間はある。お金がないって言うけど、飲み会の費用はある。自信がないって言うけど、やる前から諦めている。

――確かに、優先順位の問題かもしれませんね…

新井:そうなんです。挑戦しないことが一番大きなリスクだと思います。なぜかって?ずっと未経験のままだからです。経験を積まない限り、自信も実力もつかない。これは間違いありません。

6カ月で起業準備を完了させる具体的方法

――新井さんが提唱されている「6カ月で起業する」方法について、もう少し詳しく教えていただけますか?

新井:これまで延べ60,000人の会社員の起業をサポートしてきた経験から言えるのは、準備さえしっかりすれば6カ月で十分だということです。大切なのは段階的に進めることです。

――段階的というと、具体的にはどのような流れになるのでしょうか?

新井:まず最初の2カ月で自分の強みと市場のニーズを把握する。次の2カ月でビジネスモデルを構築し、最後の2カ月でテストマーケティングを行う。この流れで進めれば、リスクを最小限に抑えながら準備できます。

今の時代だからこそのチャンス

――このような厳しい経済状況だからこそ、逆にチャンスもあるということでしょうか?

新井:その通りです。危機の時こそチャンスが生まれる。既存の企業が苦しんでいる今だからこそ、新しいアプローチで市場に参入できる。デジタル化も進んでいますし、リモートワークも当たり前になりました。

――確かに、働き方の変化も追い風になりそうですね。

新井:はい。副業解禁の企業も増えていますし、スキルシェアのプラットフォームも充実している。今ほど個人が事業を始めやすい時代はないと言っても過言ではありません。

読者へのメッセージ

――最後に、この記事を読んでいる読者の方々へメッセージをお願いします。

新井:この記事を読んでいるあなたは、きっと現状に何かしらの不安を感じているはずです。その直感、間違っていません。日本の先行きは不透明で、数々の社会課題はこれからも続くでしょう。

――その不安を行動に変えることが重要ということですね。

新井:そうです。「いつかやろう」じゃなくて「今やろう」。自分のため、家族のため。政治家の権力闘争は面白いかもしれませんが、そんなことしてる場合ではありません。自分の人生は自分で守る。それが一番確実な方法なのです。

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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