起業アイデアが見つからない会社員へ|知識とセンサーを磨けば答えは見える|新井一に聞く起業準備の最初の一歩
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
「いきなり月収100万円」は危険! 段階的ステップが成功の鍵
――新井さん、最近「会社員でも月収100万円」といった情報をよく見かけますが、実際のところはいかがでしょうか?
新井:これは本当に危険な考え方だと思います。いきなり月収100万円を目指して無理した結果、月5万円も稼げないという方を数多く見てきました。大切なのは段階的なステップを踏むことです。
――具体的にはどのようなステップでしょうか?
新井:まずは月5万円、次に30万円、そして100万円というようなステージで設計することをお勧めしています。なぜなら、5万円稼げるビジネスモデルと100万円稼げるビジネスモデルは全く違うからです。
会社員が抱く3つの不安とその解決策
――会社員の方が起業を考える際、どのような不安を抱えているのでしょうか?
新井:主に3つの不安がありますね。
- 収入が0になる恐怖
- 何をやればいいかわからない
- 家族や周囲の理解がない
――それぞれの対応策はありますか?
新井:1つ目の「収入が0になる恐怖」については、副業でお試し段階を踏むことです。安定収入を得ながら自分の起業の可能性を検討できます。ただし、副業規則や確定申告には注意が必要ですね。
2つ目の「何をやればいいかわからない」については、会社員スキルを使い回すことです。人の顔と名前を覚えるのが早い、計算が早い、それだけでも十分に役立つスキルです。
3つ目の「家族の理解がない」については、地に足がついたプランで安心させることが重要です。思いつきのプランでは家族は不安になりますからね。
ビジネスモデルを順番に積み上げる
――ビジネスモデルの作り方について教えてください。
新井:これは本当に重要なポイントです。会社員のまま始める場合、月5万円、30万円、100万円とビジネスモデルを出世魚のように変化させる必要があります。
――具体的には?
新井:例えば、ライティングで月5万円稼ごうと思ったら、毎晩何記事書くことになるか... 1記事2500円として20記事。忙しい会社員にとって現実的ではありません。
――まぁ、ギリギリできるかどうかというラインですね。
新井:はい。でも、外注して1記事利益500円なら、それでもいいかと。寝ている間にお金が入って来るならいいと思いませんか? 外注とAI活用で月100記事納品で5万円。最初は大変でも、外注先が安定して来れば十分に回せます。
1人起業で食べていける具体的なビジネスアイデア
――でも5万円では食べていけませんよね?
新井:はい。次の商品が必要ですね。例えば書き方の動画講座を5万円で3人に売れば月15万円。そして修了生に仕事を外注していく。その管理を別のフリーランスと業務委託契約して任せていく。そうやって自分以外の労働力が動いてくれるように設計していくのです。
――なるほど... それが起業ということなのですよね。単に会社に勤めないということではない。
新井:その通りです。最初は利益が薄くなる場面もありますし、自分が動くことも多い。人材が集まり育つまでは苦労も多い。でも、それが起業というものです。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。
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