会社員のまま始める2030年勝ち組ビジネス|起業18フォーラム新井一代表が語る「今すぐ動くべき5つの理由と具体的戦略」
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
AI時代の到来でビジネスの世界が激変
――新井さん、2025年に入って副業や起業を取り巻く環境がかなり変化していると感じるのですが、いかがでしょうか?
新井:そうですね。特にここ1〜2年でAIの普及が本格化して完全に様変わりしました。25年以上この業界を見てきましたが、これほど急激な変化は初めてです。今年2025年は大きなターニングポイントになると思います。
――具体的にはどのような変化が起きているのでしょうか?
新井:一言で言うと、「単純作業系のホワイトカラー業務は完全にAIに取って代わられる」ということです。フリーランスの王道だった仕事が、どんどん通用しなくなっています。AIを活用できない人、専門性を持たない人は淘汰される時代に入ったということですね。
2025年「もう稼げない」ビジネス・ワースト5を発表
――そんな中で、新井さんが「もう稼げない」と判断された副業があるそうですね?
新井:はい。あくまで個人的な見解ですが。これを知っておくことで、無駄な時間を使わずに済むと思います。
第5位:単純なウェブライター・文字起こし・データ入力
――まず第5位から教えてください。
新井:第5位は「単純なウェブライター、文字起こし、データ入力」です。これは今年が最後、いや、もう既に終わっているかもしれません。AIや自動化技術がスマホでも普通に使えるようになったので、これらの単純作業は完全に不要になりました。
――ライター業界は特に大きな影響を受けていますね。
新井:そうですね。Googleは現在、AIが作った文章をチェックできるAIを動かしています。今後ライターとして生き残るには、ある業界に特化して、自分自身が体験を積んだ専門性が必要になります。ネット上の情報を適当にリライトするような記事では、もう通用しません。
第4位:詐欺的な副業紹介系の副業
新井:第4位は「詐欺的な副業紹介系」です。稼げない人が「稼げる方法教えます」と言って連鎖していく、あのパターンですね。SNSでよく見かけると思います。
――確かに、そういった広告をよく見かけます。
新井:さすがにこの破綻したビジネスモデルが来年も続くとは思えません。多くの人がもうインチキだと分かっていますからね。今まではSNS広告が割とザルでどんどん通っていましたが、ここまで啓発されてきたら、かなり厳しくなるでしょう。
第3位:アフィリエイト
――第3位のアフィリエイトは、副業の王道と言われていたものですが...
新井:そうです。アフィリエイト自体は1つのメジャーなマーケティング手法なので完全になくなることはありませんが、初心者が参入して大儲けするような業界ではなくなると思います。
――その理由は何でしょうか?
新井:まず、検索エンジンがアフィリエイトサイトを嫌うようになりました。SEOで上位表示できなくなってきています。そして、検索する人自体がどんどん減っているんです。Googleで検索すると上にAIが答えを出してきて、その下のサイトをクリックしなくなりましたよね?
――確かに、最近は検索の仕方が変わってきていますね。
新井:LLMOという、SEOの次の概念も出てきています。AIが直接答えを提供する時代に、アフィリエイトサイトをAIが紹介してくることは考えにくいです。加えて、EAT(経験・専門性・権威性・信頼性)という要素がGoogleで重視されるようになり、アフィリエイトサイトは上位表示が難しくなっています。
第2位:BUYMA(輸入転売)
――第2位のBUYMAについて教えてください。
新井:BUYMAは海外の商品を日本に持ってきて売るショッピングサイトですね。「BUYMAで稼ぐ」系のコンテンツを売っている人は未だにたくさんいますが、私はもう完全に終わっていると思います。
――その理由は?
新井:まず、仕入れが難しすぎるんです。現地に住んでいるか、現地にパートナーがいないと的確な仕入れは困難です。日本にいる個人が海外のネットショップから買ってくるだけでは、価格が全然合いません。
――無在庫転売という手法もありますが...
新井:それも厳しいですね。海外の通販サイトがどんどん日本語対応、日本直送対応してきています。AIを使えば簡単にできちゃいますからね。それに、画像の著作権の問題もあります。海外のネットショップの画像をそのまま使うのは完全に著作権違反です。
第1位:せどり(背取り)
――いよいよ第1位ですが...
新井:第1位は「せどり」です。これは賛否両論あるかもしれませんが、基本的にAmazonがせどりを締め出すようになりました。楽天もポイントせどりができなくなりました。
――メルカリでの販売はどうでしょうか?
新井:ヤフオクで仕入れてメルカリで売るという手法が唯一残されていますが、中古品の場合、仕入先の名簿をきちんと残しておかないと法律的にダメなんです。匿名サイトで仕入れて匿名で売るのは本来やってはいけません。
――他にも問題がありますか?
新井:仕入れが難しい、手間がかかりすぎる、発展性がない、といった問題があります。基本的に仕入れが安定しないということは販売も安定しないということです。新規参入してうまくいく人は1%もいないんじゃないでしょうか。
では、これからの時代に求められる副業・起業とは?
――これらのワースト5を避けて、では何をすればいいのでしょうか?
新井:専門性とAI活用スキルがキーワードになります。単純にAIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなして効率化を図り、その上で人間にしかできない付加価値を提供することが重要です。
――具体的にはどのような分野が有望でしょうか?
新井:例えば、特定の業界に特化したコンサルティング、オンライン講座の作成、個人ブランディングを活かしたサービス提供などです。要は、あなたの経験と専門知識を活かして、他の人が解決できない問題を解決するということです。
――最後に、これから副業や起業を考えている会社員の方へメッセージをお願いします。
新井:2025年は確実に変化の年です。古い手法にしがみついていては取り残されてしまいます。でも逆に言えば、正しい方向性で取り組めば、今ほどチャンスの多い時代はないとも言えます。会社員のまま6ヵ月で起業準備を進める私のメソッドも、このような時代の変化を踏まえてアップデートしています。ぜひ一歩を踏み出してみてください。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。
→ 新井一のセミナー日程一覧



