会社員が今すぐ始めるべき起業準備とは? 起業18フォーラム代表・新井一氏が語る「発信の重要性」と2025年のビジネス環境変化
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
情報過多の時代に必要なのは「選択力」と「行動力」
――新井さんは講演などで「今すぐ起業した方がいい」とよくおっしゃっていますが、なぜそこまで「今すぐ」にこだわられるのですか?
新井:よく聞かれる質問なのですが、確かに「今すぐ」って詐欺師がよく使う言葉で(笑)、正直言いたくはないんです。でも、99%の人は何を言っても、どんな情報を得ても何もしないんですよね。何かやったとしても1年続けられる人なんて1~2%くらい。
――それは厳しい現実ですね。
新井:昔は「情報がない」ことが起業の障壁でした。でも今は真逆なんです。「情報がありすぎて動けない」。YouTube、note、SNS... 毎日大量の起業ノウハウが溢れているけれど、その情報を「消費」するだけで満足しちゃう人が本当に多い。
――「もう少し勉強してから」「まだ準備が足りなくて」という声もよく聞きますね。
新井:3年後も同じことを言ってる人がいるんです(苦笑)。情報収集って、実は「行動しない言い訳」になりがちなんですよね。必要なのは情報ではなく、選択力と行動力なのです。
25年間の試行錯誤から見えた「見切り発車 is 正義」
――新井さんご自身も、最初から順調だったわけではないですよね?
新井:もちろんです。一昨年も、その前の年も、始めた事業、見事に失敗しました(笑)。でも、成功した起業家さんは皆、「とりあえず始めて、改善を重ねる」を愚直に繰り返しています。
――起業って、実際にやってみないと分からないことが多いということですね。
新井:そうなんです。100点の準備で始めるより、20点で始めて改善する方が早いんです。なぜなら、実際に始めてみると「想定と違った」ことが必ず起こるから。お客さんの反応、市場の変化、技術の進歩... 全部が「想定外」です(笑)。
副業であろうが何であろうが、事業主になるメリット
――会社員が副業から始めることのメリットは何でしょうか?
新井:副業であろうが何であろうが、事業主になると得することがいっぱいあるんです。税制面でのメリットもありますし、何より自分で稼ぐ力がついてくる。これは会社員では絶対に身につかないスキルですからね。
「小さな困った」を見つける天才になろう
――起業アイデアはどこから見つければいいのでしょうか?
新井:起業18フォーラムでいつも話すのですが、起業アイデアって、私たちの日常に転がっているんです。私が起業支援を始めたきっかけも「私自身の困った」でした。23歳当時、とにかく相談できる人がいない。お手本になる人もいない。
――なるほど、ご自身の体験から生まれたサービスなのですね。
新井:そうです。当時の自分が欲しかったサービスを今の自分がやっているだけなんです。大きな社会問題なんて自分には解決できません。でも小さな困った、イライラを緩和することはギリギリできます。
日常の「イライラ」が宝の山
――具体的には、どんなところに注目すればいいのでしょうか?
新井:例えば、コンビニで並んでいる時の「イライラ」、電車の遅延時の「困った」、スマホアプリの使いづらさ... そういう小さな不便を解決するサービスが実は求められているんです。
今日から始められる3つのステップ
――それでは、実際に行動を起こすために、今日からできることを教えてください。
新井:私が「今すぐ起業せよ」と言い続ける理由を整理すると、この3つです。
- 情報過多の時代だからこそ、とりあえずやって検証する
- 日常の小さな困りごとに気づく感度を高める
- 20点で始めて改善していく方が圧倒的に早い
――この3つに特別な才能は必要ないのですね?
新井:はい。勇気というか好奇心だけでいいんです。これさえできないのなら、自分の周りの人、大きく言えば社会に興味がないということじゃないでしょうか? 「困っている人のために、できることをとりあえずやってみる」それだけでいいのですから。
まずは身近な人の困りごとから
――具体的な第一歩は何でしょうか?
新井:家族や友人、職場の同僚の「ちょっとした困りごと」を3つ聞いてみてください。そして、その中の1つでも解決できそうなものがあったら、お金をもらわなくてもいいので手伝ってみる。それが起業の第一歩です。
――お金をもらわなくてもいい、というのがポイントですね。
新井:はい。最初はとりあえず無料でいいですよ。まずは「価値を提供する」経験が大切なんです。お金は後からついてきます。大事なのは、誰かの役に立つ経験を積むことです。
起業は「特別な人」だけのものではない
――最後に、起業を迷っている会社員の方にメッセージをお願いします。
新井:起業って、特別な才能がある人だけのものではありません。会社員のまま、週末や平日の夜だけでも十分始められます。大切なのは、完璧を目指さず、まず一歩を踏み出すこと。
――25年間のご経験から、一番大切なことは何でしょうか?
新井:「困っている人のために何かをする」という純粋な気持ちです。これがあれば、技術もノウハウも後から身についてきます。起業18フォーラムには、そんな気持ちを持った仲間がたくさんいますので、ぜひ一度セミナーに足を運んでみてください。
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。
→ 新井一のセミナー日程一覧



