副業から独立まで完全ガイド|初期費用ゼロで月収10万→起業成功者続出の5つの方法を起業18フォーラム代表が解説
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
2500年前の古典が現代起業に革命をもたらす理由
――新井さん、今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。最近『孫子の兵法』についてよくお話されているとお聞きしましたが、なぜ2500年前の古典に注目されたのでしょうか?
新井:伊藤さん、こちらこそありがとうございます。実は、25年以上起業支援をしてきて気づいたことがあるのです。成功する起業家の方々って、皆さん無謀な戦いを避けるのがとても上手なのですよ。そこで改めて『孫子の兵法』を読み返してみたら、まさに現代の起業戦略そのものだったのです。
――それは興味深いですね!具体的にはどのような点が現代の起業に通じるのでしょうか?
新井:一番共感するのは「100戦100勝は善の善なるものにあらず」という教えです。これは「100回戦って100回勝つより、戦わないで勝つ方が最高だよ」という意味なのですが、まさに起業の本質ですよね。
「戦わずして勝つ」が起業成功の秘訣
競争に巻き込まれない独自ポジションの見つけ方
――「戦わずして勝つ」というのは、具体的にはどういうことでしょうか?
新井:例えば、格闘技のトーナメントをイメージしてください。1回戦から決勝まで全力で戦い続けたら、決勝の頃にはボロボロになってしまいます。でも、1回戦をあっさり勝ち、準決勝は相手の棄権で不戦勝、そして決勝は万全の状態で臨む。これが「戦わずして勝つ」ということなのです。
――なるほど! ビジネスでも同じような戦略が使えるということですね。
新井:その通りです。現代ビジネスでの「戦わない」戦略とは、競争に巻き込まれない独自のポジショニングを見つけることです。真正面から大手企業と戦うのではなく、スキマ市場で勝負するのです。
会社員起業家が知るべき5つの判断基準
――会社員の方が起業を考える際、どのような点を重視すべきでしょうか?
新井:孫子は戦いを始める前に考慮すべき要素を5つ挙げています。これが会社員の起業判断にも非常に役立つのです。
- 理念・価値観:なぜその事業をやりたいのか明確か?
- タイミング・トレンド:市場の流れ、参入時期は適切か?
- 環境・インフラ:起業できる環境は整っているか?
- リーダーシップ:自分にリーダーとしての資質があるか?
- 組織力:チームとして機能する体制を作れるか?
――これらをすべてクリアしてから起業すべきということでしょうか?
新井:いえいえ、そうではありません。これらを冷静に分析して「戦う」か「戦わない」かを決めるということです。「やってやる!」という気持ちだけでは通用しないということですね。でも、やめる理由を探すためのチェックリストではありません。動く人のための戦略なのです。
スピード重視の「拙速」戦略で市場を制する
完璧主義が起業の敵になる理由
――スピードも重要な要素だとお聞きしました。
新井:はい、孫子の「兵は拙速を聞く」という教えがあります。これは「下手でもいいからスピード重視で行け」ということです。長期戦になると消耗してしまうからです。
――これはスタートアップの考え方そのものですね!
新井:まさにその通りです! 完璧な商品を作り込むより、まずは最小限の機能を持った商品を市場に出して反応を見る。これが「拙速」の考え方です。会社員の方が副業から始めるのも、まずはやってみるという経験が何より大切なのです。
情報格差を活用した起業戦略
――起業18フォーラムでは、どのようにこの考え方を指導されているのですか?
新井:私たちが重視しているのは、現代に活かす3つのポイントです。
- 情報格差を作る:競合より多くの情報を持ち、有利なポジションを確保する
- 負けない仕組みを作る:リスクを分散し、最悪の事態でも生き残れる体制を整える
- タイミングを見極める:全体の流れを読み、勢いに乗れる時期を狙う
特に会社員の方には、まず「負けない仕組み」から作ってもらいます。いきなり会社を辞めて起業するのではなく、会社員のまま準備を整える方法をお伝えしています。
現代起業家が活用すべき孫子の教え
「彼を知り己を知れば」の深い意味
――有名な「彼を知り己を知れば、百戦して危うからず」という言葉についてはいかがでしょうか?
新井:この言葉で注目すべきは「百戦百勝」ではなく「危うからず」=「負けない」と言っている点です。勝つことより負けないことを重視するということなのです。
――それは興味深い視点ですね。
新井:価格競争で勝っても利益がゼロなら意味がないですよね。起業でも同じで、無理な拡大で資金がショートしてしまったら元も子もありません。だからこそ、まずは「負けない」戦略を立てることが重要なのです。
起業を考える会社員へのメッセージ
――最後に、起業を考えている会社員の方にメッセージをお願いします。
新井:起業や転職を考えている方、新しいプロジェクトを始める方は、孫子の視点で状況を分析してみてください。「勝てる戦いか?」「今が最適なタイミングか?」「負けない準備はできているか?」と。
でも、これらの質問で「今じゃない」と動きを止めてしまっては意味がありません。孫子だって、やめる理由を探している人に言い訳を与えているわけではないのです。
――まさに「動く人のための戦略」ということですね。
新井:その通りです! 2500年前の知恵が現代でも通用するのは、人間の本質が変わっていないからです。大切なのは、戦略的に考えながらも、実際に行動を起こすことなのです。
――新井さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。皆さんの起業成功を心より応援しています!
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア25年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。現在、会社員を中心に、主婦、フリーランス、経営者など、独立起業・新規事業開発・マーケティング・海外進出を必要とするビジネスパーソンに向けてのセミナーや、自身が運営する起業準備サロン(起業18フォーラム)の受講者は年間のべ1000人を超える。
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