【プロソラ知的財産事務所・合同会社Prosora】「単なる手続きではない」ブランディング×商標で事業を守り抜く戦略とは?

新井一

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テーマ:起業家紹介

起業家インタビュー(聞き手:新井一@起業18フォーラム)

ブランド構築と知的財産支援のワンストップサービスで注目を集めるプロソラ知的財産事務所・合同会社Prosora代表の阪部正規さん。今回は「ブランディングと商標を組み合わせた戦略の必要性」をテーマに、中小企業やスタートアップが直面する現実的な課題と解決策について語り合いました。

はじめに:なぜ今、ブランディングと商標が同時に必要なのか?

阪部正規(さかべ まさき)

プロソラ知的財産事務所プロソラ知的財産事務所・合同会社Prosora代表。技術契約支援約3000件、特許・意匠取得支援約5000件の豊富な実績を持つ。ブランド構築と知的財産権の取得・保全を統合した「ワンストップサービス」で、中小企業・スタートアップの経営課題解決を支援している。

対談:ブランディングと商標、切っても切れない関係

多くの起業家が陥る「後悔先に立たず」の現実

新井:阪部さん、いつもお世話になっております。今日はよろしくお願いします。私が起業支援をしていて感じるのは、多くの方が商標のことを後回しにしてしまうということなんです。阪部さんのところには、どんな相談が多く寄せられますか?

阪部:新井さん、こちらこそいつもありがとうございます。まさにおっしゃる通りで、「素敵な会社名を考えて、ロゴも作って、名刺も刷って、いざ商標登録しようとしたら、すでに同じものが商標登録されていた」という相談が本当に多いんです。

新井:ああ、それは痛いですね...。私の受講生の中にも、そういう経験をされた方がいらっしゃいます。

阪部:はい。で、その時点で選択肢は2つしかないんです。ネーミングを変更するか、既存の商標権者と交渉するか。でも後者は現実的ではなくOKしてくれる商標権者はほぼいません。ですので、ネーミングを変更せざるを得なくなります。よって、時間とコストが大きくかかってしまいます。

新井:会社名や事業のブランド名って、一度決めたら簡単には変えられませんからね。お客さんにネーミングを覚えてもらうまでに時間もかかりますし。

阪部:そうなんです。だからこそ、私たちはブランディングと商標登録を最初から一緒に考えることを大切にしています。「魅力的でマーケティング効果の高いネーミング」を沢山考えて、その中から「商標登録できるネーミング」を選ぶ、という順序なんです。

「魅力的でマーケティング効果の高いネーミング」は「商品やサービスを直接的に言い表すネーミング」です。でもこれが商標登録の観点では商標登録できないんです。私たちは、両方を満たすようにギリギリを狙ってネーミングを考え出すことをサポートしています。

「安い」だけでは解決できない本質的な課題

新井:最近は、オンラインで安く商標登録ができるサービスも増えていますよね。起業家の方から「どちらがいいでしょうか?」と相談されることもあるんですが、阪部さんはどう思われます?

阪部:それは良い質問ですね。確かに価格だけ見ると、オンラインサービスの方が安いです。でも、商標登録って「表面的な手続き」だけが目的ではないんですよ。

新井:と言いますと?

阪部:例えば、コンビニ弁当とレストランのコース料理を比較するようなものかもしれません。どちらも「食事」という意味では同じですが、提供している価値が全く違いますよね。

新井:なるほど、面白い例えですね。

阪部:オンラインサービスは「既に決まっているネーミングを自分が認識している権利範囲に効率的に登録する」ことに特化しています。これだと事業に本当に必要な権利に抜け漏れが生じることになりがちです。

一方、私たちがやっているのは「事業戦略に合った必要な権利範囲を漏れなく明確にしながら、先程言いましたネーミングそのものも一緒に考えて、それを法的に保護する」ことなんです。

もっというと、とても顧客浸透しやすいネーミングを確実に商標登録して事業の攻守の武器にするという価値を提供しています。

新井:確かに、起業支援をしていても感じるのは、多くの方が「何を商標登録すべきか」から分からないということです。会社名なのか、商品名なのか、サービス名なのか...もありますし、そもそもどんなネーミングがよいかがわからない。。。

阪部:

  • 会社名・屋号
  • 事業ブランド名
  • ファミリーブランド名
  • 商品・サービス名
  • ロゴマーク
  • タグラインやキャッチフレーズ

このように、ブランドと言っても様々あります。多くの場合、これを階層化して構築していくということになります。これらを、どの順番で、どの範囲で保護するかは、その企業の事業戦略によって全く違うんです。

ワンストップサービスの真の価値とは?

新井:プロソラさんの特徴として「ワンストップサービス」を掲げていらっしゃいますが、これの本当のメリットはどこにあるんでしょうか?

阪部:一番大きいのは「整合性の確保」ですね。ブランディング会社でネーミングを考えて、デザイン会社でロゴを作って、弁理士事務所で商標登録をして...となると、それぞれが別々の視点で動いてしまうんです。

新井:連携が取れていないということですね。

阪部:はい。例えば、ブランディング会社で分かりやすいネーミングを考えて、またデザイナーさんが素晴らしいロゴを作ってくださったとしても、それが商標登録できないものだったら、弁理士事務所は、やり直してきてください、といいます。しかも、他の弁理士事務所はネーミング作りやロゴ制作をサポートすることはありません。ネーミングやロゴの制作はあくまで依頼者が行うものという立場ですね。

新井:ああ、それは確かに無駄が多いですね。

阪部:私たちの場合は、顧客に浸透させやすいネーミング作りを行いながら商標登録しやすいものを選択することや、良いデザインのロゴを作りを行いながら商標登録しやすいものに加工することをしています。だから、後から「商標登録できません」ということが起きないんです。

新井:それは安心ですね。私の受講生の方にも、そういう失敗を避けるためにプロソラさんに相談することを勧めています。

阪部:ありがとうございます。それと、もう一つ重要なのは「時間の短縮」です。起業初期って、やることが山積みじゃないですか。

新井:本当にそうですね。ブランド関連のことだけでも、そもそもブランド構築が必要ですし、ブランド活用の為に、営業チラシの制作、ホームページの制作、各種契約書の作成など多くのことをやる必要があります。これを全部一人でやらないといけないですから。

阪部:そんな中で、複数の専門家とそれぞれ打ち合わせをして、進捗を管理して、というのは現実的ではないんです。

私たちはブランド構築やネーミング作りを含めてブランディング全体をワンストップでサポートしています。また、私たちには多様なパートナーがおります。弁護士・司法書士・税理士など士業や、調査・チラシ制作・ホームページ制作の専門家などです。

私たちが総合的なコンサルティング窓口になってサポートすることで、起業家の方はブランド関連のことは一箇所で済ませて、本業に集中できるんです。

中小企業が知っておくべき「見えないリスク」

プロソラ知的財産事務所新井:起業家の方に「商標登録をした方がいい」と説明する時、どんな効果や逆にリスクがあるということを伝えればいいでしょうか?

阪部:商標登録は国が権利にしてくれるということです。商標って権利なので、「攻め」の武器にも「守り」の武器にもなるんです。

新井:攻めと守り、ですか?

阪部:はい。「守り」は分かりやすくて、他社から「そのネーミングは私たちの商標です」と言われるリスクです。最悪の場合、事業停止や損害賠償の請求もあり得ます。

これが自社の商標権があれば、そんな他社には逆に「あなたの方が無断使用だ」ということができます。

新井:それは安心ですね...。

阪部:一方「攻め」というのは、他社が自分のネーミングやマークを勝手に使っていたら、これをやめさせることができるということです。その他社に対して、事業停止や損害賠償の請求を行えます。

これを逆にいうと、自社の商標権がなければ、似たようなネーミングの競合が現れても、対抗手段がないということなんです。

新井:なるほど。商標権がないということは「ブランド価値を築いても、それを守れない」ということですね。

阪部:そうです。特に最近は、SNSでの拡散やECサイトでの販売が主流になっているので、模倣品や類似ブランドが出回るスピードがとても早いんです。

新井:確かに、インターネットの世界は広がりが早いですからね。

阪部:だからこそ、事業を始める前の「予防」が何より大切なんです。「火事になってから消防署に電話する」のではなく、「火事にならないように事前に対策する」という発想ですね。

成功事例:ワンストップサービスの効果

新井:実際にプロソラさんにサポートしていただいた企業で、印象的な成功事例があれば教えていただけますか?

阪部:守秘義務の関係で詳細はお話しできませんが、ある飲食店経営者の方の事例が印象的でした。新しい店舗名を考える段階から関わらせていただいたんです。

新井:どんな課題があったんでしょうか?

阪部:最初に考えていたネーミングが、既に同業他社で商標登録されていたんです。でも、その時点で私たちが関わっていたので、ブランドコンセプトを再構築して新しいネーミング案を作り出すところからサポートさせていただきました。

新井:なるほど。

阪部:結果的に、より覚えやすくて、お客様にも愛されるネーミングになりました。しかも、SNSでのハッシュタグとしても使いやすいネーミングだったので、マーケティング効果も高かったんです。

新井:それは素晴らしいですね。一石二鳥どころか、一石三鳥くらいの効果があったということですね。

阪部:はい。そして、その後店舗が拡大した時も、[太字]商標権があることで安心してフランチャイズ展開など大きなブランド投資
ができたそうです。「このネーミングは確実に自分たちのものだ」という確信があるからこそ、広告宣伝にもお金をかけられるんです。

新井:ブランドへの投資って、確かに「権利が確保されている」という安心感があってこそですよね。

AI時代における弁理士の役割変化

AI技術は敵か味方か?

新井:最近、AI技術の進歩がすごいですけれど、弁理士の仕事にも影響があるんじゃないでしょうか?

阪部:はい定型的な書類作成 については、将来はAIの方が早くて正確になる可能性があります。

新井:それは脅威でもありますよね?

阪部:逆に、チャンスだと思っているんです。AIが定型業務を効率化してくれることで、私たち人間はもっと価値の高い仕事に集中できるようになります。

新井:具体的には、どんな仕事でしょうか?

阪部:

  • お客様の事業戦略に合わせたブランド戦略・知財戦略の立案
  • 複雑な交渉や調整
  • 創造的な問題解決
  • 長期的な視点でのアドバイス
  • お客様の不安に寄り添うカウンセリング

これらは、AIには難しい分野だと思います。

新井:確かに、感情面でのサポートや、ビジネス全体を見た戦略的なアドバイスは、人間ならではですね。

阪部:そうです。実際、お客様からいただく声で多いのは「不安が解消された」「親身になって相談に乗ってもらえた」というものなんです。

新井:技術的な処理能力だけでなく、「信頼できるパートナー」としての価値ということですね。

阪部:はい。AIが発達すればするほど、人間的な温かさや、深い理解に基づくアドバイスの価値は高まると思います。

プロソラが目指す「伴走者」としての役割

新井:AI時代において、プロソラさんはどんな存在を目指していらっしゃるんでしょうか?

阪部:「お客様の成長を支える伴走者」でありたいと思っています。単発の手続きをして終わりではなく、事業の成長に合わせて継続的にサポートする存在です。

新井:具体的には、どんなサポートでしょうか?

阪部:例えば、最初は個人事業主として商標登録をしていただいたお客様が、法人化される時には追加の手続きをサポートしたり、新商品を開発される時には新しい商標戦略を一緒に考えたり。

新井:長期的なお付き合いということですね。

阪部:そうです。そして、CIPO(最高知的財産責任者)代行サービスも提供しています。中小企業では専門の知財部門を作るのは難しいので、外部の私たちがその役割を担うんです。

新井:それは心強いですね。専門知識を持った人が常に相談できる体制があるということですから。

阪部:はい。「困った時にすぐ相談できる知財のパートナー」として、お客様の事業成長を支えていきたいと思っています。

中小企業・スタートアップへのメッセージ

「後回し」にしてはいけない理由

プロソラ知的財産事務所新井:最後に、これから起業を考えている方や、既に事業を始めているけれど商標のことは後回しにしている方に、メッセージをお願いします。

阪部:「明日やろうはバカ野郎」という言葉がありますが、商標に関してはまさにそれが当てはまります(笑)。

新井:厳しいですね(笑)。でも、その通りだと思います。

阪部:商標登録には時間がかかりますし、既に同じネーミングやロゴが登録されている可能性があり、遅くなれば選択肢がどんどん狭くなってしまいます。早ければ早いほど、選択肢が多いんです。

新井:確かに、後になればなるほど「もうこのネーミング・ロゴマークで進めちゃったから変更できない」となりがちですよね。

阪部:そうです。そして、最初は「費用がもったいない」と思う気持ちも分かるんですが、実は逆なんです。

新井:逆、と言いますと?

阪部:後からトラブルになってネーミングを変更する方が、はるかに高くつきます。名刺、看板、ホームページ、パンフレット...全部作り直しですから。

新井:それに、お客様への説明も大変ですしね。「実は会社名が変わりました」って。

阪部:はい。だから、「事業のインフラ作り」の為の「初期投資」として考えていただきたいんです。事業の基盤をしっかり作るための、必要な投資だと。

「ちょっとした相談」から始めませんか?


新井:とはいえ、いきなり正式に依頼するのはハードルが高いという方もいらっしゃると思います。そういう方はどうすればいいでしょうか?

阪部:私たちは無料相談(約1時間)を行っています。「本当に些細なことなので業務依頼する程ではないが、ちょっと質問をしたい」という段階でも大丈夫です。

新井:それは助かりますね。私の受講生の方からも、「相談するほどのことかどうか分からない」という声をよく聞きます。

阪部:そういう「小さな疑問」こそ、実は大きなリスクにつながることが多いんです。早めに専門家に確認していただくことで、安心して事業に集中できます。

新井:「転ばぬ先の杖」ということですね。

阪部:まさにそうです。それに、お話しを聞かせていただくことで、その方の事業に本当に必要な経営戦略が見えてくることも多いんです。

新井:事業の内容や将来の展望によって、必要な対策も変わりますからね。

阪部:はい。ですから、まずは気軽にご相談いただければと思います。「聞いておけばよかった」という後悔をする前に、ぜひ一度お話しさせてください。

まとめ:ブランディング×商標で描く成功への道筋

新井:今日は貴重なお話をありがとうございました。改めて感じたのは、ブランディングと商標って、本当に一体で考えるべきものなんですね。

阪部:ありがとうございました。そうです、「ブランド」と「法的保護」は車の両輪のようなものです。どちらが欠けても、安心して事業を成長させることはできません。

新井:私も起業支援をしていて、成功する企業とそうでない企業の違いを見てきましたが、成功する企業は「基盤作り」がしっかりしているんですよね。

阪部:まさにその通りです。目先の売上も大切ですが、長期的に愛されるブランドを作るための投資を惜しまない企業が、最終的に大きく成長していきます。

新井:読者の皆さんには、ぜひ「後回し」にせず、事業の初期段階からブランディングと知的財産の両面を意識していただきたいですね。

阪部:はい。そして、一人で悩まず、専門家に相談していただければと思います。私たちプロソラも、皆さんの「夢を形にする」お手伝いをさせていただきたいと考えています。

新井:素晴らしいメッセージですね。阪部さん、今日は本当にありがとうございました。

阪部:こちらこそ、ありがとうございました。

プロソラ知的財産事務所・合同会社Prosora お問い合わせ情報

  • 公式サイト:https://prosora.co.jp/
  • 主な対応地域:大阪府、和歌山県、奈良県(オンラインで全国対応)
  • 無料相談:約1時間の初回相談を実施
  • 主なサービス:ブランド構築支援、商標登録、特許・意匠権取得サポート、CIPO代行サービス
  • 実績:技術契約支援約3000件、特許・意匠取得支援約5000件

起業や事業成長におけるブランディングや知的財産戦略でお悩みの方は、まずは気軽にご相談されることをお勧めします。「小さな疑問」が「大きな安心」につながるかもしれません。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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