【TERASIS】価値観が導く理想の未来:荒井かなえさんと探る「ありたい姿」への道筋
起業家インタビュー(聞き手:新井一@起業18フォーラム)
今回は、逆転営業アカデミーで「売らない営業術」を提唱し、多くの営業パーソンを専門アドバイザー型の営業へと導いている木村まもるさんにお話を伺いました。「モノを売らず、お役立ちの対話で信頼を築く」という革新的な営業スタイルについて詳しくお聞きします。では、木村さんよろしくお願いいたします。
逆転営業アカデミー 木村まもる(きむらまもる)氏
「売らない営業術」のパイオニアとして、従来の押し売り型営業から脱却し、問いかけとヒアリングを軸とした専門アドバイザー型営業を体系化。これまで1000人以上の営業パーソンを指導し、「営業が楽しくなった」「お客様から感謝されるようになった」という声を数多く獲得している。営業を「顧客の課題解決に貢献する仕事」として再定義し、人間力も同時に磨かれる営業プロセスを提唱している。
従来の営業に限界を感じていませんか?
新井: 木村さん、最近「営業がつらい」「売上が上がらない」という声をよく耳にしますが、従来の営業手法に何か問題があるのでしょうか?
木村: そうですね、新井さん。私も多くの営業パーソンから「営業が嫌になった」「お客様に嫌がられているような気がする」という相談を受けます。実は、これには明確な理由があるんです。
新井: どのような理由なのでしょうか?
木村: 従来の営業は「売ること」が目的になってしまっているんです。つまり、お客様のことよりも、自分の売上やノルマのことを優先してしまう。その結果、お客様は「売り込まれている」と感じて警戒心を抱いてしまうんですね。
もう1つは、一方的な商品説明に終始してしまうことです。お客様が本当に何に困っているのか、何を求めているのかを深く理解せずに、「この商品は素晴らしいです!」と伝えても、相手の心には響きません。
「売らない営業術」とは何なのか?
新井: それでは、木村さんが提唱される「売らない営業術」とは、具体的にどのような営業なのでしょうか?
木村: 「売らない営業術」とは、商品を売ることよりも、お客様の課題解決に全力で取り組む営業スタイルです。私たちは「営業パーソン」ではなく「専門アドバイザー」として、お客様に接するんです。
具体的には、以下のような特徴があります。
- 商品説明よりも質問と傾聴に80%の時間を使う
- お客様の本音と真の欲求を引き出すことに集中する
- 時には「買わない方がいい」とアドバイスすることもある
- 短期的な売上よりも長期的な信頼関係を重視する
新井: なるほど。まさに発想の転換ですね。
木村: そうなんです。「売ろう」とすればするほど売れなくなる。でも「お役に立とう」と考えると、自然とお客様から「ぜひお願いします」と言っていただけるようになるんです。
問いかけとヒアリングが営業を変える
新井: 「問いかけとヒアリング」が重要だとおっしゃいましたが、具体的にはどのように進めるのですか?
木村: はい、これが一番のポイントです。多くの営業パーソンは「何を話すか」ばかり考えていますが、実は「何を聞くか」の方がはるかに重要なんです。
効果的な問いかけの3段階
木村: 私がお教えしている問いかけには、3つの段階があります。
1段階目は「現状把握の質問」です。「現在はどのような状況でしょうか?」「今お困りのことはありますか?」といった、お客様の置かれている状況を理解するための質問です。
2段階目は「本音を引き出す質問」です。「本当はどうなりたいと思われますか?」「理想的にはどのような状態になれば嬉しいでしょうか?」という風に、お客様の心の奥にある本当の欲求を探ります。
3段階目は「行動を促す質問」です。「そのためには何が必要だと思われますか?」「いつ頃までに解決したいとお考えですか?」といった、具体的な行動へと導く質問です。
新井: 段階的にアプローチするんですね。
木村: そうです。いきなり深い質問をしても警戒されてしまいますから、信頼関係を築きながら徐々に本音に近づいていくんです。
専門アドバイザー型営業への成長ストーリー
新井: 従来の営業パーソンが「専門アドバイザー型」に成長するには、どのようなプロセスが必要なのでしょうか?
木村: これは非常に興味深いプロセスなんです。私が指導した多くの方が経験する、共通の成長ストーリーがあります。
第1段階:マインドセットの転換
木村: まず最初は、「売る人」から「助ける人」への意識の転換です。「今月の売上目標は......」という思考から、「このお客様の課題をどう解決しよう?」という思考に変わる瞬間があります。
第2段階:ヒアリング力の向上
木村: 次に、聞く力が飛躍的に向上します。相手の表情や声のトーン、言葉の裏にある感情まで読み取れるようになります。すると、お客様から「この人は私のことを本当に理解してくれる」と思ってもらえるようになるんです。
第3段階:信頼関係の構築
木村: そして最終的には、お客様との間に深い信頼関係が生まれます。「困ったときは木村さんに相談しよう」「あの人が勧めるなら間違いない」と思ってもらえるようになるんです。
新井: 素晴らしい成長プロセスですね。
営業が楽しくなる瞬間
新井: この営業スタイルに変わることで、営業パーソン自身にはどのような変化が起こるのでしょうか?
木村: これが一番お伝えしたいことなんですが、営業が「つらい仕事」から「やりがいのある仕事」に変わるんです。
従来の営業では、断られることが怖くて、お客様の顔色を伺いながら話していました。でも、「お役に立つこと」が目的になると、堂々と自信を持って話せるようになるんです。
新井: 具体的にはどのような変化があるのでしょうか?
木村: まず、お客様から感謝されるようになります。「相談してよかった」「おかげで解決できました」と言われると、本当に嬉しいんです。それから、リピートやご紹介が自然と増えてきます。お客様が営業パーソンになってくれるんですね。
さらに、営業以外のお仕事でも、コミュニケーション能力が向上します。家族や友人との関係も良くなったという声をよく聞きます。
人間力も磨かれる営業プロセス
新井: 「人間力も磨かれる」とおっしゃいましたが、それはどういう意味でしょうか?
木村: この営業スタイルは、単なるテクニックではなく、人としての成長を促すプロセスなんです。
相手の立場に立って考える力、共感する力、真剣に話を聞く力、適切な質問をする力......これらは全て、人間としての基本的な能力です。営業を通してこれらの力を磨くことで、人として一回り大きくなれるんです。
新井: なるほど、営業が人間修行の場にもなるんですね。
木村: そうなんです。お客様との真剣な対話を通じて、自分自身も成長していく。これが、この営業スタイルの最大の魅力だと思います。
今日からできる第一歩
新井: 最後に、この記事を読んでいる営業パーソンの方々に、今日からできる具体的なアドバイスをお願いします。
木村: はい。まずは明日のお客様との商談で、商品説明を半分に減らして、その分質問を増やしてみてください。
「現在はどのような状況でしょうか?」「どのようなことでお困りでしょうか?」といった簡単な質問から始めて、相手の話を最後まで聞く。これだけでも、お客様の反応が変わることを実感していただけると思います。
そして、「売ろう」という気持ちを一旦横に置いて、「この方のお役に立てることはないかな?」と考えてみてください。その瞬間から、あなたの営業は変わり始めます。
新井: 木村さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。営業の概念が大きく変わる内容でした。
木村: こちらこそ、ありがとうございました。営業に悩んでいる方々が、少しでも営業を楽しめるようになっていただければ嬉しいです。お客様から「ありがとう」と言われる営業を、ぜひ体験してみてください。
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