【瞬習エクセルアカデミー】これからの会社員に必要なスキル:エクセルとAIの相乗効果

新井一

新井一

テーマ:起業家紹介

起業家インタビュー(聞き手:新井一@起業18フォーラム)

はじめに:AI時代を生き抜くための羅針盤

いしはらゆうと

瞬習エクセルアカデミー いしはらゆうと氏

新井: 本日は、瞬習エクセルアカデミー代表のいしはらゆうと先生にお越しいただき、誠にありがとうございます。

AIの急速な進化がビジネス環境を大きく変え、会社員に求められるスキルも日々変化しています。特に、長年ビジネスの基礎ツールとして活用されてきたエクセルと、最新技術であるAIの組み合わせが、これからの会社員にとってどのような意味を持つのでしょうか?

今日は、その可能性と課題について深く掘り下げていきたいと思います。いしはら先生の豊富なご経験と専門知識から、読者の皆様がAI時代を生き抜くための具体的なヒントを得られることを期待しております。

いしはら: こちらこそ、本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。

エクセルとAIは、一見すると異なるツールに見えるかもしれませんが、これからのビジネスにおいて、その相乗効果は計り知れないものがあります。今日の対談を通じて、皆様が未来の働き方を考える上で役立つ情報を提供できれば幸いです。

エクセルは「過去のツール」ではない? その真価と現代ビジネスでの役割

なぜ今もエクセルが重要なのか?

新井: いしはら先生、最近では「エクセルはもう古い」「AIの時代だから不要になる」といった声も耳にすることがありますが、先生はこれについてどのようにお考えですか?

いしはら: そういった意見は確かに存在しますが、結論から申し上げますと、エクセルは決して「過去のツール」ではありません。むしろ、現代ビジネスにおいて、その重要性はさらに高まっていると私は考えております。

エクセルは、もはや単なる表計算ソフトの枠を超え、データ分析、進捗管理、予算策定、顧客管理など、多岐にわたる業務でその力を発揮する基盤ツールとして機能しています。

多くの企業が社員のスキル底上げや生産性向上のためにエクセル研修を導入していることからも、その必要性がうかがえますね。

新井: なるほど、単なる計算ツールではないのですね。

いしはら: はい。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、データ活用の重要性が高まる中で、エクセルを使いこなせる人材の育成は急務となっています。

エクセルは、大量のデータを効率的に処理し、ビジネスに活かすための第一歩となるツールです。データに基づいた意思決定や戦略立案の土台を築く上で、エクセルは不可欠な存在と言えるでしょう。これは、個人の生産性向上だけでなく、組織全体の競争力強化にも直結する話です。

エクセルスキルの具体的な活用例

新井: では、具体的にどのようなエクセルスキルが、現代の会社員にとって役立つのでしょうか?

いしはら: エクセルは、データ入力や集計、資料作成の正確性やスピード向上業務の自動化やミスの削減に直結する非常に実践的なツールです。

まず、新入社員の方々にとって特に重要なのは、基本操作の習得です。

  • セル、シート、ブックの理解
  • データ入力と書式設定
  • SUMやAVERAGEなどの基本関数
  • ショートカットキーの習得

これらの基礎をしっかりと身につけることで、日々の業務の効率が格段に向上します。例えば、売上推移のグラフを作成したり、顧客属性を分析したりする練習を重ねることで、データを読み解く感覚が自然と身についてきます。

新井: 基本がやはり大切なのですね。中堅社員以上の方々はどうでしょうか?

いしはら: 中堅社員以上であれば、さらに応用的なスキルが求められます。

  • ピボットテーブルやグラフ作成
  • IFやVLOOKUPなどの応用関数
  • マクロやVBAを使った業務自動化

これらの実践的な内容を学ぶことで、複雑なデータ処理や分析を短時間で正確に行えるようになります。

これらのスキルを習得することは、単に個人の作業効率を高めるだけでなく、業務全体の生産性向上やミスの削減に大きく貢献します。データ分析のスキルを身につけることは、ビジネスパーソンとしてのキャリアアップにも繋がるでしょう。

AIの台頭:会社員の働き方とスキルセットはどう変わる?

いしはらゆうと

AIが得意なこと、苦手なこと

新井: エクセルが基礎であることはよく分かりました。では、AIがこれからの会社員に与える影響については、どのようにお考えですか? AIの得意なこと、苦手なことを理解することは、未来の働き方を考える上で非常に重要だと感じています。

いしはら: おっしゃる通りです。AIは、その特性を理解して活用することが肝要です。AIは大量のデータを高速で処理し、パターンを見つけ出すのが非常に得意です。また、定められたルールに従って処理を行う反復作業や、複雑な数値計算も正確にこなせます

これにより、これまで人間が行っていた多くの定型的な職種や業務がAIに代替される可能性を秘めています。例えば、製造業の生産工程自動化、事務・サービス業でのデータ入力、コールセンターの自動応答、多言語翻訳、受付業務などが挙げられます。

いしはら: しかし、一方でAIには苦手分野も明確に存在します。

  • 創造的な発想
  • 複雑な人間関係の中でのコミュニケーション
  • 倫理的な判断
  • 本質的な課題を見抜く問題解決力

例えば、AIが市場データを分析しておすすめ商品を提案できても、その商品をどう面白いストーリーに仕立てて伝えるかといった発想は、依然として人間の役割です。これらのスキルは、AIには代替できない、人間ならではの強みと言えるでしょう。

新井: なるほど、AIが人間の仕事を奪うというよりも、仕事の「質」が変わる、ということですね。

いしはら: まさにその通りです。AIの台頭は、単に特定の職種がなくなるという話ではなく、仕事における人間の価値がどこにあるのかを再定義する機会を与えています。

反復的で定型的な作業はAIに任せ、人間はより高度な認知能力や対人スキル、つまり複合的なスキルが求められる領域に注力するようになるでしょう。

AI時代に求められる「5つのスキル」

新井: AIの得意・不得意が明確になる中で、これからの会社員が身につけるべき具体的なスキルとは何でしょうか?

いしはら: AI時代を生き抜くために会社員が今から身につけるべきスキルとして、特に次の5つが挙げられます。これらのスキルは、AIを単なるツールとして使うだけでなく、AIと協力して新たな価値を生み出すための「羅針盤」となるでしょう。

AI時代に求められる5つのスキル

① 問題解決力
本質的な課題を見抜き、解決策を立案する力です。AIがデータを提供・分析しても、最終的な課題特定と解決策の立案は人間の役割。AIの出力から真の課題を見抜く力が求められます。

② データリテラシー
データを正しく理解し、活用する力です。AIの分析結果を理解し、エクセルなどのツールと組み合わせて活用する基礎となります。AIが出力した分析結果を正しく理解し、効果的に活用できるスキルが重要です。

③ コミュニケーション力
相手に伝え、関係を築く力です。AIには代替できない、人間同士の協業や意思決定に不可欠なスキル。部門間の連携や顧客との信頼関係構築に不可欠です。

④ 創造性
新しい価値を生み出すアイデア発想力です。AIが情報収集や提案をしても、斬新な発想やストーリー構築は人間の強み。AIと協力しながら、さらに価値のある成果を生み出します。

⑤ AIリテラシー
AIの仕組みを理解し、業務に活用する力です。AIを「味方」として業務に組み込み、その可能性を最大限に引き出すための基礎知識。AIの特性を理解し、適切に使いこなすことで生産性を高めます。

いしはら: これらのスキルは、AIの能力を最大限に引き出し、人間がより高い付加価値を生み出すためのものです。例えば、データリテラシーは、エクセルで基本的なデータ分析を学ぶことから始め、AIの分析結果を理解・活用するスキルを磨くことが重要です。

また、創造性は、AIが市場データを分析しておすすめ商品を提案できても、それを魅力的なストーリーに仕立てる発想は人間の役割です。

新井: これらのスキルは、AIを脅威ではなく、自身のキャリアを広げていくチャンスと捉える上で非常に重要ですね。AIを使いこなすための言語能力や、AIを活用した仕事の検討など、ポジティブな影響を期待する声も多く聞かれます。

エクセルとAIの「相乗効果」:業務効率化と新たな価値創造

AIがエクセル業務を劇的に変える具体例

新井: エクセルとAI、それぞれの重要性は理解できましたが、この2つが組み合わさることで、どのような「相乗効果」が生まれるのでしょうか? 具体的な活用例があれば教えていただけますか?

いしはら: まさに、エクセルとAIの連携は「相乗効果」を生み出し、エクセルの機能をさらに拡張し、より高度なデータ分析を可能にします。AIは、これまでエクセルで手作業で行っていた多くのタスクを劇的に効率化し、新たな価値創造の機会をもたらします。

例えば、複雑な関数の自動生成が挙げられます。「3年間の売上データから成長率を計算して」といった自然言語の指示で、AIが適切な関数を自動生成してくれます。これにより、エクセル関数の知識がなくても、高度な分析が可能になります。

また、データクレンジングの効率化も大きなメリットです。AIがデータの不整合や誤りを自動的に検出し、修正してくれる機能により、データの品質向上と作業時間の大幅な短縮が実現できます。

実践的な活用シーン

いしはら: 具体的な活用シーンとしては、以下のようなものが考えられます。

営業部門での活用例
顧客データの分析において、AIが顧客の購買パターンを分析し、エクセルで見やすいダッシュボードを自動作成。営業担当者は、そのデータを基に戦略的なアプローチを検討できます。

人事部門での活用例
従業員の勤怠データや評価データをAIが分析し、エクセルで人材配置の最適化案を提示。人事担当者は、その結果を基により良い組織運営を実現できます。

経理部門での活用例
月次の財務データをAIが自動で整理・分析し、エクセルで予算実績対比や財務指標を自動計算。経理担当者は、より戦略的な財務分析に時間を割くことができます。

新井: なるほど、AIとエクセルの組み合わせによって、単純作業から解放され、より付加価値の高い業務に集中できるということですね。

いしはら: その通りです。AIが「手足」としてデータ処理を担い、エクセルが「思考の場」として分析結果を整理・可視化し、人間が「頭脳」として最終的な判断と創造的な価値創出を行う。この3者の連携が、これからのビジネスにおける新たなスタンダードになると考えています。

まとめ:未来の会社員が歩むべき道筋

新井: 本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に、これからの会社員の方々へのメッセージをお願いします。

いしはら: AI時代の到来は、確かに働き方の変化をもたらしますが、それは決して脅威ではありません。むしろ、エクセルという基礎スキルを土台に、AIという強力なパートナーを得ることで、これまで以上に価値のある仕事ができる時代が到来しています。

重要なのは、AIに仕事を奪われることを恐れるのではなく、AIを使いこなし、人間にしかできない創造的な価値を生み出していくことです。そのためにも、まずはエクセルの基礎スキルをしっかりと身につけ、そこからAIとの連携へと段階的にステップアップしていただければと思います。

新井: 本日は、エクセルとAIの相乗効果について、非常に示唆に富んだお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。読者の皆様にとって、AI時代を生き抜くための具体的な指針となったのではないでしょうか。これからの時代を前向きに捉え、新たなスキルの習得に取り組んでいただければと思います。

瞬習エクセルアカデミーはこちら

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

新井一プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

新井一
専門家

新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

稼ぎ力を引き出す起業支援キャリアカウンセラー

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京の起業・会社設立
  5. 新井一
  6. コラム一覧
  7. 【瞬習エクセルアカデミー】これからの会社員に必要なスキル:エクセルとAIの相乗効果

新井一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼