【TERASIS】価値観が導く理想の未来:荒井かなえさんと探る「ありたい姿」への道筋

新井一

新井一

テーマ:起業家紹介

起業家インタビュー(聞き手:新井一@起業18フォーラム)

はじめに:なぜ今、価値観を軸にした人生設計が必要なのか?

荒井かなえ

TERASIS代表 荒井かなえさん

新井:本日は、オンラインコーチングサービス「TERASIS」の代表でいらっしゃる荒井かなえさんにお時間をいただきました。かなえさん、よろしくお願いいたします!

かなえさん:こちらこそ、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

新井:まず、TERASISというサービス名の由来が素敵だなと思ったのですが、「照らす」と「アシスト」を組み合わせた造語なのですね?

かなえさん:はい、そうなんです。「あなたの進む道を照らし(TERASU)、その道を進んでいくお手伝いをする(ASSIST)」という想いを込めて名付けました。多くの方が「自分がどうなりたいか分からない」「やりたいことやビジョンがない」といった迷いを抱えていらっしゃる中で、まずはその道筋を明るく照らし出し、そして一緒に歩んでいくパートナーでありたいと思っています。

新井:かなえさんご自身も、ITコンサルタントやSNSマーケティングの営業を経験された後、2022年にコーチとして独立されましたよね。これまで500時間以上のセッション実績をお持ちということですが、どのようなきっかけでコーチングの道に進まれたのでしょうか?

かなえさん:実は私自身も、以前は「他人の期待に応えたい」「私は何をすべきなんだろう」ということばかり考えて生きていたんです。しかし、一方で「仕事は好きなことをしたい」「自分らしく生きたい」という気持ちも強く、自己分析をしたり自己啓発書を読むようになりました。さらに私自身もコーチングを受ける中で、「こうなりたい!」「やってみたい!」という気持ちが自然と湧いてくるようになりました。以前よりもずっと軽やかに、楽しく生きられるようになったんです。この変化があまりにも大きくて、「同じように悩んでいる人の力になりたい」と強く思うようになりました。

新井:まさに今日お聞きしたいテーマですね。現代社会では、SNSで他人と比較したり、周りの期待に応えることに疲れてしまったりして、「本当の自分が分からない」という方が増えているように感じます。そんな中で、価値観に沿った「ありたい姿」を描くことは、なぜそれほど重要なのでしょうか?

かなえさん:とても良い質問ですね。私は価値観を「人生を自分らしく生きるための軸」だと思っています。まさに私はこの軸がなくて、他人の軸に揺さぶられて生きてきました。正直に言うと、かなり生きづらかったです。自分が人生で大切にしたいことに気づき、それを軸に行動すると、幸福度が上がります。一方で、自分にとって本当に大切なものが分からないまま「なんとなく」行動しても、なかなか満足感や充実感は得られません。

価値観発見の力:迷いから確信への転換点

荒井かなえ

「なんとなく」の選択から卒業する

新井:確かに、「なんとなく」で選択を重ねていると、後から「これで良かったのかな?」と不安になることが多いですよね。価値観が明確になると、具体的にはどのような変化が起こるのでしょうか?

かなえさん:まず、決断や選択に納得感が持てるということです。例えば転職を考える時、以前なら「将来性がありそうだから」「周りに勧められたから」といった外的な要因で判断していたかもしれません。でも価値観が明確になると、「この仕事は私の『他人に寄り添いたい』という価値観に合っているか?」「『成長し続けたい』という想いを実現できるか?」といった内発的な基準で判断できるようになります。

そして、このように価値観に基づいた選択をしていくと、自分の人生の主導権を、しっかり自分で握れている感覚があるんです。これが1番の変化だと思います。

新井:内発的な動機による選択は、確実に行動力も変わってきそうですね。

かなえさん:その通りです!外的な動機による行動は長続きしにくいのですが、価値観に基づいた行動は「やらされている感」がなく、自然と継続しやすくなりますし、何より行動している時から充実感があるんです。さらに、困難な状況に直面した時も、「なぜこれをやっているのか」という意味が明確なので、挫けにくくなるんです。

新井:それは心の強さにも繋がりそうですね。

かなえさん:はい、まさにそうです。価値観が明確な人は、周りの意見に振り回されにくくなります。「私はこれを大切にしている」という軸があるからこそ、他人の価値観を尊重しつつも、自分の道を歩むことができるようになります。これは現代のSNS社会では特に重要なスキルだと思います。

かなえさん自身の価値観発見ストーリー

新井:かなえさんご自身の「すべき」から「したい」への変化について、もう少し具体的に教えていただけますか?

かなえさん:以前の私は、本当に「べき思考」の塊でした(笑)。「もっと頑張るべき」「期待に応えるべき」「失敗してはいけない」と、常に外からの評価を気にして生きていました。特に留学時代や社会人になって数年はひどかったですね。「自分は頭が悪くて、周りは優秀」そんな風に自分を蔑んでいました。でも、コーチングを受けて自分の価値観を掘り下げていく中で、「優秀であること」は私にとって全く重要でないと気づきました。私の大切な価値観の中には「学び」「気楽」「軽やか」といった全く違う要素のものがあったんです。

新井:その発見はどのような変化をもたらしたのでしょうか?

かなえさん:劇的に変わりました。1番の大きな変化はコーチとして独立できたことですね。1社目は、大手外資系のIT企業でコンサルタントをしていました。そこからベンチャー企業に転職し、さらに今では独立しているのですが、まさにこれは価値観の変化の表れです(笑)。特に1社目は「なんでやめたの?勿体無い!」と言われることもありましたが、辞めたことを後悔したことは1度もありません。その時の自分の大切な価値観に基づいて選択をしたからだと思っています。独立も同じように、私が大切にしたいことを大切にするために、選択しました。なので大変なこともありますが、後悔は1切ありません。

新井:「べき」から「したい」への転換、これは多くの読者の方にとって希望になりそうです。

かなえさん:本当にそう思います。多くの方が「やりたいことが分からない」とおっしゃるのですが、実は「すべき」で埋もれてしまっているだけなんです。価値観を明確にすることで、その下に隠れている「したい」が自然と見えてくるようになります。

「ありたい姿」を描く技術:理想を現実に近づける方法

荒井かなえ

漠然とした不安を具体的な希望に変える

新井:TERASISさんでは「価値観発見コーチング」と「習慣化コーチング」の2軸でサポートされていますが、まず価値観発見の部分で、「ありたい姿」を描く時のポイントはありますか?

かなえさん:とても大切なポイントがあります。多くの人は理想を描く時、「でも現実的じゃない」「自分には無理」といった制限をすぐに設けてしまいます。でも最初は、そういった制限を1旦全部取り払って、思いっきり理想を描いてもらいます

新井:制限を取り払うというのは、具体的にはどのようにするのでしょうか?

かなえさん:例えば「何でもできるとしたら?」「お金も時間も無限にあるとしたら?」といった前提で考えてもらったり、あるいは、1歩ずつ近づいていければ良いことを強調したり、その方に合わせたアプローチをします。現実的な制約は後から考えれば良いので、まずは心の奥底にある本当の願いを引き出すことを大切にしています。

新井:それは面白いアプローチですね。現実的な制約ばかり考えていると、可能性を狭めてしまいそうです。

かなえさん:そうなんです。人間の脳には「スコトーマ」という機能があって、現在の自分の認識によって見えない部分ができてしまいます。でも理想を思いっきり描くことで、それまで見えていなかった選択肢や可能性が見えてくるようになるんです。

ライフスタイル全体をデザインする視点

新井:「ありたい姿」を考える時、つい仕事やキャリアばかりに目が向きがちですが、他にも大切な要素はありますか?

かなえさん:はい、とても重要な視点です。「仕事が大切」と思っていることすら、1つの価値観で、「ありたい姿」は仕事にとどまらず、その方の人生や生き方につながっています。私はクライアントの皆さんに、こんな質問をすることがあります。

  • どんな場所で、どんな家に住みたいですか?
  • どんな人に囲まれていたいですか?
  • どんな能力を持っている人でいたいですか?
  • 周りにどんな影響を与えていたいですか?
  • 日々何を大切に生きていたいですか?

新井:なるほど、包括的に人生をデザインするということですね。

かなえさん:そうです。お悩みが仕事に関することでも、家族に関することであっても、クライアントという「人」に焦点を当て、その方の「人生」を一緒に考えていきたいと思っています。

「海辺コーチング」という新しい試み

荒井かなえ新井:TERASISさんでは最近「海辺コーチング」という対面サービスも始められたと伺いました。これはどのような意図で始められたのでしょうか?

かなえさん:実は私は、自分の大切な価値観に気づいたことがきっかけで、神奈川県の湘南に移住しました。東京にいた時よりも海に行くようになって、自然の力を借りることの効果を実感しているんです。オンラインセッションも素晴らしいのですが、湘南の海辺という開放的な環境で、心と体をリラックスさせながら自分と向き合うと、より深い気づきが生まれることが多いんです。

新井:環境が変わると、思考も変わりそうですね。

かなえさん:はい、まさに「いつもと違う環境」に身を置くことで、普段は見えていない自分の1面や可能性に気づくことができます。波の音を聞きながら、潮風を感じながら対話をすると、日常の喧騒から離れて本当の気持ちと向き合えるようになります。

習慣化の科学:理想を現実にする行動変容のメカニズム

「3日坊主」から卒業するアプローチ

新井:理想の姿が描けた後は、それを実現するための行動が必要になりますが、「習慣化コーチング」ではどのような方法を使われているのでしょうか?

かなえさん:TERASISの習慣化コーチングは、認知科学に基づいたアプローチとその方に合う仕組みを一緒に作っていく伴走型の支援が特徴です。多くの人が「意志力が弱いから続かない」と思っていますが、実は脳の仕組みを理解して適切にアプローチすれば、誰でも習慣化はできるようになります。ただ、万人に合うコツがあるわけではなく、その人に合うやり方を見つける必要があり、泥臭いところもあるんです(笑)。そこにコーチが伴走していきます。

新井:脳の仕組みというのは、具体的にはどのようなことでしょうか?

かなえさん:人間は1日に35,000回もの判断をしていると言われていますが、そのほとんどは無意識に行われています。この無意識の判断パターンを「脳の癖」と呼んでいるのですが、この癖を味方につけることが習慣化の鍵なんです。

新井:無意識の判断パターンを変えるというのは、難しそうですが...。

かなえさん:簡単ではありませんが、実はコツがあります。いくつかありますが、とても大切なことは「セルフイメージ(自己認識)」を変えていくことです。

コンフォートゾーンを拡張する技術

新井:セルフイメージを変えることで、具体的にはどのような変化が起こるのでしょうか?

かなえさん:人はセルフイメージに合った行動をするんですよね。私はクライアントさんに小さな成功体験を積んで「私は習慣化ができる人である」というセルフイメージを強めてもらっています。そのイメージが育ってくるとどんどん「習慣化ができる人」らしい行動がとれるようになってきます。例えば、「私は3日坊主の人間だ」というセルフイメージがある人は、習慣が1日途絶えた時に「やっぱり私は3日坊主の人間だ。また習慣化失敗だ!」と諦めてしまうかもしれません。1方で、「私は習慣化ができる人である」というセルフイメージがあると、1日途切れても「ただ1日途切れただけ、私ならまた立ち直せる」と次の日から再開できる可能性が高くなります。

新井:なるほど、セルフイメージが変わると、無意識に行動が変わってくるんですね。

かなえさん:そうです。これによって「コンフォートゾーン」、つまり自分が安心していられる範囲が広がります。以前は「無理だ」と思っていたことにも、自然と挑戦できるようになるんです。

新井:それは根本的な変化ですね。1時的な頑張りではなく、持続可能な変化が期待できそうです。

かなえさん:はい、まさにそこがポイントです。表面的な行動だけを変えようとすると、どうしても反動が来てしまいます。でも内側から変わることで、新しい行動が「自然なこと」として定着していきます。

実践! 今日から始める価値観発見と習慣化

荒井かなえ

読者の皆さんへの具体的なアドバイス

新井:ここまでのお話を聞いて、多くの読者の方が「やってみたい」と思われていると思います。まず自宅で、1人でもできる価値観発見の方法はありますか?

かなえさん:はい、ぜひ試していただきたいことがあります。まず、最近心が動いたことを思い出してみてください。嬉しかったこと、感動したこと、逆に悲しかったり怒ったりしたことでも構いません。そして「なぜそのような感情が湧いたのか?」を深掘りしてみてください。

新井:感情の動きから価値観を見つけるということですね。

かなえさん:そうです。感情は価値観のサインなんです。例えば、友人が困っている時に手助けできて嬉しかったなら、あなたにとって「貢献」や「支援」が価値観かもしれません。逆に、約束を破られて怒ったなら、「信頼」や「約束」があなたの大切な価値観かもしれません。

新井:なるほど、感情は価値観を教えてくれるサインなのですね。

かなえさん:はい。そして見つけた価値観を基に、「この価値観を大切にしながら生きるとしたら、どんな1日を過ごしたいか?」「5年後、どんな自分になっていたいか?」を具体的にイメージしてみてください。最初は制限を設けずに、思いっきり理想を描いてみることが大切です。

習慣化のための「小さな1歩」の法則

新井:理想が描けた後の習慣化についても、何かコツはありますか?

かなえさん:習慣化のコツは、「小さく始める」ことです。例えば「毎日1時間読書する」ではなく、「毎日1ページだけ読む」から始める。物足りないくらい小さな行動から始めることで、脳の抵抗を最小限に抑えることができます。

新井:確かに、ハードルが低いと続けやすそうですね。

かなえさん:そうなんです。そして大切なのは、その小さな行動を続けながら、成功体験を積み、先ほどお話ししたセルフイメージを変えていくことです。「今日も1ページ読めた、私は学び続ける人だ」といった具合に、行動を通じて新しいセルフイメージを育てていくんです。

新井:習慣を通じて、人生が変わっていきそうですね。

かなえさん:はい。本当にそう感じます。自分に自信がなかったクライアントさんが、習慣化を通じて自分に自信を持ち、いきいきされる姿をたくさん目の当たりにしてきました。

コーチングを受ける価値とは?

新井:1人でもできることがある1方で、プロのコーチングを受ける価値についても教えていただけますか?

かなえさん:1人でできることも確かにたくさんありますが、どんな人にも思考の盲点があって、自分では気づけない部分が必ずあります。コーチは鏡のような役割を果たして、クライアント自身では見えていない可能性や課題を一緒に発見していきます。何より、コーチはクライアントに寄り添い、伴走していく存在です。私自身もコーチングを受ける中で何度も経験しましたが、そんな「人」が隣にいることで、1人ではできないようなチャレンジができたり、1人では躊躇するような深いところまで、自己探究ができたりするんです。

新井:第3者の視点があることで、より深い気づきが得られそうですね。コーチという存在が安心感や勇気も与えてくれそうです。

かなえさん:そうですね。それに、1人だとどうしても「でも無理じゃないかな」「本当にできるかな」といった制限的な思考に陥りがちです。でもコーチがいることで、その制限を超えて可能性を探求することができます。また、定期的にセッションがあることで、継続的な振り返りと調整ができるのも大きな価値だと思います。

対談を終えて:読者の皆さんへのメッセージ

「軽やかで楽しい人生」への招待

新井:かなえさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に、この記事を読んでくださっている皆さんに、メッセージをお願いします。

かなえさん:こちらこそ、ありがとうございました。読者の皆さんには、ぜひ「自分の価値観って何だろう?」ということを考える時間を作っていただきたいです。それは決して難しいことではなく、日々の感情の動きに注意を向けることから始められます。

新井:身近なところから始められるのですね。

かなえさん:はい。そして、価値観が少しずつ見えてきたら、今度は「その価値観を大切にしながら生きるとしたら?」という問いを自分に投げかけてみてください。最初は小さな変化でも構いません。大切なのは、「すべき」ではなく「したい」という気持ちを大切にすることです。

新井:「すべき」から「したい」への転換、これは多くの方にとって人生を変える視点になりそうです。

かなえさん:私自身もそうでしたが、価値観に沿った生き方を始めると、本当に軽やかで楽しい毎日が送れるようになります。もちろん最初から完璧である必要はありません。小さな1歩から始めて、少しずつ自分らしい人生を築いていってほしいと思います。

新井:TERASISさんでは、そんな皆さんの伴走をしてくださるということですね。

かなえさん:はい。「ワクワクする未来へ」向かって進みたい方の伴走をするのが、私たちの役割です。1人で悩まず、ぜひ1度お話を聞かせていただければと思います。皆さんが自分らしい人生を歩んでいかれることを、心から願っています。

新井:かなえさん、本日は本当にありがとうございました!

かなえさん:ありがとうございました!

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起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、25年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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