日本各地の日照時間・全天日射量データ
2024年になり各モジュールメーカーではセル(ウェハー)大型化と、様々な技術発展による出力アップにより、モジュールサイズと出力が大幅に変わりました。また中国のモジュールメーカー間の競争も激化しております。今回のコラムは、2024年第3四半期までの中国モジュールメーカー出荷ランキングと、現在の主力モジュール製品ラインアップについてご紹介致します。
なお中国モジュール市場とメーカーの動向及び2024年第3四半期の中国モジュールメーカーの出荷ランキングにつきましては、中国の太陽光専門ニュースサイトである[索比・光伏 (英文名: Solarbe)]の2024年10月下旬の記事及びコラムトップのランキング画像を転載しております。この場をお借りして、転載許可を頂きましたSolarbe社に厚く御礼申し上げます。
1. 2024年第1~3四半期のPVモジュール出荷量及び年間出荷量予測:
(出典元: Solarbe社発表ランキングより10位までを掲載)
第1~3四半期のトップ4社 (ジンコーソーラー、JAソーラー、トリナソーラー、ロンジソーラー) の合計出荷量は約230GWで、全体の52%以上を占め、昨年と同様の結果となりました。第1~3四半期の上位10社では全体の81%を占め、大手企業の優位性をさらに際立たせています。 特に、中国太陽光発電産業協会の価格イニシアティブが発表された後、中国国内の太陽光発電の入札では、ほとんどの入札価格が下限に近い傾向となっております。そのため、技術、ビジネス、パフォーマンス等で優位性のある大手企業がより市場に対して支配的な地位を確立してきており、徐々に中小規模メーカーの生存を圧迫し、客観的に業界統合が加速されてきております。(以上、Solarbe社より転載)
2. 住宅/低圧/産業用屋根上案件 (自家消費太陽光/PPA) 向けの太陽光モジュール
出典元: トリナソーラー社 TSM-505NEG18RC.28
生産プロセスの向上にともない、太陽電池 (セル) の原材料であるシリコンウェハーのサイズが大型化しております。またTOPConをはじめ様々な技術によるセルの変換効率の上昇によって、モジュール出力も更に増えてきました。
住宅用や低圧用で使用されるモジュール出力は、一昨年は370ワット、昨年は410ワットでしたが、現在は450ワット以上、というのが一般的な状況となりました。
工場や倉庫の屋根におくタイプのモジュールでは、長さが2000mm以下で出力が500ワットのものが主流になりつつあり、日本のみならず、オーストラリア及び欧州でもこのサイズの採用が増えているようです。
3. 産業用 (550-650ワット) の太陽光モジュール:
出典元: インリーソーラー社 YL620CF66 i/2
一昨年までは144ハーフカットセル(166mmセル)で450ワットの出力で流通し、2023年前半までは550ワットの出力で多くのメーカーで長さが2278mmの製品を提供しておりました。この2278mmのモジュールは、古い設計の発電所向けで若干の需要がありますが、ウェハー・セルサイズの大型化により、ほぼ全メーカーが1年後の2025年12月末に生産終了となる予定です。
現在は2023年7月に太陽光業界で発表された統一サイズ (2382 x 1134 x 30mm) をほぼ全メーカーで生産しており、出力は600ワットをこえて、両面発電パネルの選択肢も最も多いサイズとなります。
(出典元: Solarbe社記事及び各メーカー資料を基に弊社にてとりまとめ)
4. 大規模案件用 (630-720ワット) の太陽光モジュール:
出典元: カナディアンソーラー社 CS7N-705TB-AG
特大サイズになると生産メーカー数は若干減少します。日本ではメガソーラー等の特別高圧案件、世界中では大規模発電所で使われる一番大きいサイズのモジュールで、ほぼ全てのメーカーが両面発電タイプを供給しております。モジュールサイズは3種類に統合されてきました。
・700ワット以上: 2384 x 1303 x 33 (35) mm
・630-650ワット: 2465 x 1134 x 30 (35) mm
・630-650ワット: 2172 x 1303 x 33 mm
(出典元: Solarbe社記事及び各メーカー資料を基に弊社にてとりまとめ)
出力向上によって、モジュールの電圧・電流値もかなり大きくなってきました。弊社では各設置条件、機器仕様をもとに案件毎に、太陽光発電設備の設計評価と提案をしております。
発電所の開発・設計、既存発電所の改修・リパワリング、増設等で評価・比較検討にご興味のある方は弊社までお問合せ下さい。