2024年太陽光パネルのサイズ共通化と出力について

土肥宏吉

土肥宏吉

テーマ:ソーラー

2023年の世界の太陽光パネルの出荷量は300GW以上(原子力発電所300基相当)となり、世界の発電所の新規建設に占める割合が更に増加しているようです。一方で2023年に日本で導入された太陽光発電容量は約5-7GWであり、世界市場のわずか2%程度の規模となりました。

太陽光発電所のシンボルでもある太陽光パネルは8割以上の生産量が中国系メーカーで占められ、大手企業4社(ジンコーソーラー社、トリナソーラー社、JAソーラー社、ロンジソーラー社)をはじめとする中国パネルメーカーの勢いはとどまる所を知りません。世界の太陽光パネル市場をリードするのみならず、太陽光以外の発電源に対する価格競争力をあげるために、大手企業同士によるセル及びパネルサイズの統一化も進んできております。

今回のコラムでは、現時点での有力メーカーのパネル出力・サイズ・主要製品ラインアップについてご紹介いたします。

注記: 前述の序文では太陽光パネルと記載しておりますが、本文はモジュールの表記になります。

1. 長辺1722 –1800mm のモジュール:


現在の日本で一番多くの案件で採用されるサイズと推察しております。

(a) 1762 x 1134 x 30mm:
  片面発電: TSM-445NEG9R.28、 JKM445N-54HL4R-V
  両面発電: JAM54D-445/LB、TSM-435NEG9RC.27

(b) 1722 x 1134 x 30mm:
  片面発電: LR5-54HTH-440MCS6R-440TVBM410FJ03N (35mm)、SFC415-108B
  両面発電: YL430CF54e/2、SFC410-108AG

(c) その他のサイズ
  片面発電: 1721 x 1133 x 40mm: NU-415G
  型面発電: 1730 x 1118 x 30mm: REC420AA Pure-R
  片面発電: 1728 x 1205 x 30mm: REC460AA Pure RX
  片面発電: 1800 x 1134 x 30mm: CS6.1-54TD-460
  片面発電: 1805 x 1035 x 30mm: SPP395QHEH
画像1. LONGi Solar LR5-54HTH-585M
       画像提供元: LONGi Solar (LR5-54HTH-440M, 1722 x 1134 x 30mm)


2. メーカー (業界) 統一サイズのモジュール:

2023年にモジュールメーカー9社が合意したサイズになります。おそらく現在世界で最も汎用性が高く、代替品の入手も容易なサイズです。

(d) 2382 x 1134 x 30mm:
  片面発電: TSM-575DE19R、CS6.1-72TD-610
  両面発電: TSM-600NEG9RC.20LR7-72HGD-605M、JAM66D45-610/LB
       CS6.1-72TB-605、JKM610N-66HL4M-BDV

2021年以降に主流となりました各メーカー統一サイズのモジュールになります。
以前の統一サイズ (2278mm) から現行統一サイズ (2382mm) への移行がどの程度進んでいくのか注目しております。

(e) 2278 x 1134 x 30/35mm:
  片面発電: LR5-72HTH-585M、JAM72S30-550/MR、CS6W-585T、JKM590N-72HL4-V-J、
       YL555D-49e 1/2
  両面発電: LR5-72HGD-580M、JAM72D30-550/MB、JAM66D42-585/MB、
       CS6W-580TB-AG、JKM585N-72HL4-BDV-J、YL580CF72 e/2

画像2. Canadian Solar CS6.1-72TB-605
       画像提供元: Canadian Solar (CS6.1-72TB-605, 2382 x 1134 x 30mm)


3. 長辺1900 – 2000mmのモジュール:


屋根置き案件等で折板屋根のピッチに合わせやすいサイズのモジュールで、
日本以外にも欧州、オーストラリアでも需要があるモジュールになります。

(f) 1900-2000 x 1134 x 30mm:
  片面発電: 1906x1134x30mm: JKM485N-60HL4-V-J
  片面発電: 1961x1134x30mm: TSM-495NEG18R.28
  両面発電: 1994x1134x30mm: CS6.1-60TB-505
画像3 & コラムトップ. Trina Solar TSM-495NEG18R.28
       画像提供元: Trina Solar (TSM-495NEG18R.28, 1961 x 1134 x 30mm)



4. 出力600ワット以上の大型モジュール:


最大出力が700ワットのモデルもある大型太陽光発電所用途向けモジュールです。
世界では1GWクラスの太陽光発電所で採用されていますが、日本では適地が限られているため、
条件のあった大型案件でのみ設置されているようです。

(g) 2382/2384 x 1303 x 33/35mm
  片面発電: TSM-665DE21、CS7N-670MS
  両面発電: TSM-695NEG21C.20、CS7N-700TB-AG、YL670DF66f/2

(h) 2465 x 1134 x 30/35mm:
  両面発電: JAM72D42-630/LB、JKM630N-78HL4-BDV-J
画像4. Yingli Green Energy YL670DF66f2
       画像提供元: Yingli Green Energy (YL670DF66f/2, 1961 x 1134 x 30mm)


発電所の開発・設計、既存発電所の改修・リパワリング、増設、モジュール置換等、評価・比較検討にご興味のある方は弊社までお問合せ下さい。

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土肥宏吉
専門家

土肥宏吉(太陽光発電導入コンサルタント)

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社

2011年ドイツで太陽光発電企業の現地代表。帰国後に太陽光発電専業企業を創業し、国内外の太陽光パネル、機器メーカーや施工業者にアドバイスを求められるコンサルタントとして活動し、業界の発展を支える。

土肥宏吉プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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