太陽光発電システムと火災に関する指針・見解について
日本の太陽光発電業界で最も一般的に使われている太陽光発電の年間発電推定量である一般社団法人 太陽光発電協会 (JPEA) で紹介されている計算式例は下記のとおり。
Esys(年)=Σ(Kh ×Kpcs× Kj × Elight)
Esys: 単位容量あたりの推定年間発電量[kWh]
Kh: 補正係数 (温度等の補正係数、等)
Kpcs: パワーコンディショナ変換効率
Kj: その他の損失係数 (受光面の汚れ/配線/回路損失の数値、等)
Elight: 各月の日射量[kWh/㎡] (1月~12月)
Source: 太陽光発電協会 表示ガイドライン
こちらで使用される日射量 (Elight) の推奨データであるMONSOLA 11は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機能 (NEDO) で公開されております。この年間月別日射量データベース (MONSOLA 11) は、国内837地点・29年間 (1981~2009年) の平均値に関する日射量データベースになります。
Source: 産業技術総合開発機構
なおNEDOではMONSOLA11、METPV11の更新版として、MONSOLA20、METPV20をウェブサイトで公開しております。 (統計期間 2010年~2018年)
リンク先:https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html
一方で人間の感覚としては、日射量よりも天候や日照時間の方がイメージしやすいかもしれません。日本の気象庁にあるデータベースより、各月の太陽光 (日照時間・全天日射量) に関連する下記2種類のデータをまとめてみました。
1.日照時間データ (単位: 時間)
データ元: 気象庁の過去の気象データよりダウンロードし、弊社にて編集
選択地点: 全国10か所 (札幌、仙台、東京、富山、名古屋、大阪、高松、広島、福岡、那覇)
「過去30年の平均データ」と「2013年から2021年までの直近9年間」の全天日射量を比較すると、直近9年間では (+3.6%) 全天日射量が増加しており、日照時間 (+4.3%) とある程度の相関があることをしめしております。平均年と比較して一番少なかったのは2014年福岡 (平年比-7.6%) であり、2014年福岡の日照時間は (平年比-4.2%) 、また日照時間が平年比で一番短かった2016年広島(平年比-6.7%)の全天日射量は (平年比-1.7%) でした。平均年と比較して全天日射量が一番多かったのは2021年札幌(平年比10.7%)であり、日照時間データ (平年比+19.3%) と同じ結果となっております。
日照時間、日射量ともに全体的に微増傾向となっており、温暖化との因果関係は不明ですが、太陽光発電の年間発電量としては一般的な発電シミュレーションと比較して、平均約4%上振れする事が予想されます。
Source: NEDO日射計データベース閲覧システム
Source:太陽光発電協会 (JPEA) 表示ガイドライン
Source: 気象庁 各種・データ資料 過去の気象データ
Source: 国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構 (NEDO) データベース
(https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html)(https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html)