DXを推進して得られる7つの効果を解説!デジタル化がいま求められている理由とは?

上村公彦

上村公彦

テーマ:DX

近年、どの業界でも話題になっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。なぜDXはここまで求められているのでしょうか?

企業のDXを推進することで、生産性の向上やコスト削減だけでなく、サービスやビジネスモデルの変革を実現できます。実現するハードルは非常に高いものの、その分成し遂げたときのメリットはかなり大きいといえるでしょう。

そこで本投稿では、DXを導入して得られる7つの効果、DXの効果を得るために必要なポイントを解説します。最後までご覧になることで、DXを導入するメリットが理解できた上で、自社に必要かどうかの適正判断ができるはずです。

いまDXが求められている2つの理由

いまDXが求められている2つの理由
いまDXはどの企業でも求められている概念であり、この流れはさらに加速すると予想されます。ではなぜ、これほどまでにDXが求められているのでしょうか?多くの企業にDXが必要な理由を2つ解説していきます。

理由1.2025年の崖

まず1つ目の理由として「2025年の崖」があげられます。「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省が公表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」で、企業がデジタル化を進めないことで起こる問題点のことです。

「2025年の崖」の具体的な内容としては、「現在起こっている既存システムの問題を解決し、企業のDXを推進しなければ2025年以降に年間最大12兆円もの経済損失が生じる可能性がある」というものです。

つまり、現在の日本企業の多くは社内システムの複雑化・ブラックボックス化に陥るリスクがあり、経営や社内体制に対していくつもの課題を抱えています。これら課題を解決するためにも、企業のDX推進がこれからさらに必要となります。

経済産業省はこの現状に対して「企業のDXを推進すべき」という意思のもと、積極的にDXの重要性を訴えていることから、この「2025年の崖」がDXの重要性を際立たせる取り組みだといえるでしょう。

理由2.消費行動の変化

DXが求められる理由2つ目は消費行動の変化です。消費者のニーズは年々変化しており、その変化に対応するためにもDXが必要になります。

現代ではスマートフォンの普及によって、消費行動が以前とは比べ物にならないほど変化しています。この流れは年々加速しており、新しいテクノロジーが導入される度に顕著に表れます。

例えば、いままでオフラインで商品を購入していましたが、テクノロジーの普及によってオンラインで完結する機会が増えました。また、SpotifyやNetflixなどの登場により、音楽や映画は「購入するもの」から「体験するもの」へと変化しています。

そのほか、画期的なスマートフォン専用アプリなども次々と開発され、消費行動の変化をさらに加速させています。これからの消費行動の変化に合わせるためにも、サービス・ビジネスモデルの変革を目指すDXが重要視されるのです。

DXを導入して得られる7つの効果

DXを導入して得られる7つの効果
DXが求められる理由がわかったところで、DXを導入して得られる効果を7つみていきましょう。DX導入のメリットを詳しく理解し、自社に導入すべきかご検討ください。

効果1.生産性の向上

DXを推進することで、生産性の向上が見込めます。DXはデジタル技術を活用したさまざまな変革を意味します。デジタル技術やITソリューションの活用によって既存業務は自動化され、さらには正確性の向上といった効果も見込めます。

また、DXによって業務の最適化がされるため、従業員のリソースを重要度の高い業務に割り振ることが可能です。それに伴い、総合的にこれまでよりも生産性の高い業務を遂行できるようになります。

効果2.コストの削減

社内にDXを導入できれば、さまざまなコストを削減できます。業務の自動化による要素も大きいですが、DXを導入する過程で業務プロセスの可視化や分析を実施できるため、これまでの業務体制や業務フローに見直しが入ります。

また、既存業務の多くがロボットの自動化によって不要になることで、プロジェクト遂行に対する経費の削減にもつながります。つまり、DXを推進すれば人件費などの人的コストだけでなく、経費などのコストも削減できるのです。

効果3.消費者の変化に対応

企業のDXを推進することで、消費者の変化に対応できるという効果が得られます。DXは新たな商品・サービスを生み出すだけでなく、既存サービスの画期的な変化さえも可能にします。

これまで数々の大企業が消費行動に合わせたサービス展開を行ってきました。それが顕著に表れたのが、新型コロナウイルス感染症によって普及したアプリケーションです。

例えば、リモートワークを実施するためのビデオ会議アプリ、ビジネスチャットツール、勤怠管理システムなどがあげられます。これらはほんの一部分ではありますが、DXを推進することで消費者の変化に合わせた商品・サービスの展開が可能になります。

効果4.働き方の改革

DXを導入することで、働き方の改革を進められます。現在では従業員の働き方が多様化しており、業務のリモート化が当たり前になりつつあります。

その働き方の変化に対応するためには、既存業務をオンライン化させる必要があり、同時に社内インフラの構築が求められます。具体的には、コラボレーションツールや経費精算システム、従業員の管理ツール、ビジネスチャットツールなどの導入が必要です。

これら業務体制を整えるのもDXの1部であるため、導入過程で従業員の働き方改革が進められるでしょう。

効果5.ビジネスモデルの創造

DXは単なるIT化や業務効率化を目指すものではありません。DXはビジネスモデルの変革や創造が本質なので、推進することでその効果が期待できます。

これまでの業界になかったサービスやビジネスモデルを生み出し、消費者の変化に対応することが可能です。実際、過去にデジタル技術を前向きに導入した企業の多くが、新しいビジネスモデルの構築を図っています。

しかし、企業のDX推進は非常に大規模なプロジェクトであるため、多大なコストと労力を要します。また、DXは容易に達成できるものではなく、社内一丸となった積極的な取り組みが必要です。

そのことから、企業のDX推進はビジネスモデルの変革を目指せる分、実現するためのハードルがかなり高いといえるでしょう。

効果6.リスクの回避

DX推進によって得られる効果6つ目はリスクの回避です。社内システムを刷新することで、セキュリティ面が強化されるためです。

現状、一般企業のレガシーシステムは老朽化が深刻であり、情報漏えいやウイルスの脅威にさらされる恐れがあります。セキュリティ面が脆弱であることから、大規模な損失につながりかねません。

そこでDXによって社内システム全体を見直すことで、最新のサポートが付属しているシステムへの切り替えを行い、セキュリティ面の強化に期待が持てます。

効果7.BCP(事業継続計画)の充実

企業のDXを推進すれば、BCP(事業継続計画)の充実が得られます。BCPとは、災害などの緊急事態が起きたときに、企業の損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画のことです。

DXによってオフラインで管理していた情報がクラウド化され、同時に業務の効率化が図れます。災害などで社内システムが使用できなくなったとしても、クラウドからデータやシステムを復元できるため、被害を最小限に抑えられます。

具体的な事例としては、新型コロナウイルス感染症による被害があげられます。感染症が蔓延したことにより、多くの企業がテレワークを導入しました。また、取引先や顧客への営業が困難になったので、業種によっては売上を大幅に落としてしまいました。

一方、すでにDXを推進してBCPを充実させていた企業は、スムーズに業務のオンライン化を実行できたため、感染症による被害を最小限に抑えることができたのです。今後はさらにDXによるBCPの充実が推奨されるでしょう。

DXの効果を得るために必要な3つのポイント

DXの効果を得るために必要な3つのポイント
ここまで、DXを導入して得られる効果を解説しました。最後に、DXの効果を得るために必要なポイントを3つみていきましょう。DXを導入するための具体的なアクションを理解できるはずです。

ポイント1.ITシステム・デジタル技術の導入

DXを実現する上では、ITシステム・デジタル技術の導入は必要不可欠です。DXはデジタル技術を活用した先にある変革を目指すものであり、社内システムやサービスの刷新が必要となります。

しかし、自社でシステムや技術をすべて導入するとなれば、かなりの労力が伴います。その場合は、外部のベンダーにシステム開発・導入を任せる、既存の外部システムをそのまま流用するなどの選択肢が考えられます。

いずれの方法も一定のコストを要するため、ITシステム・デジタル技術を導入する際は慎重に進めましょう。

ポイント2.社内の組織構築

DXによる効果を得るためには、社内の組織構築が重要となります。なぜかというと、DX推進は社内一丸となって取り組むプロジェクトであるためです。

企業のDX化は非常に大規模なプロジェクトであるため、経営陣のコミットメントだけではスムーズに推進できません。また、従業員の理解を得ないまま強引に進めてしまうと、内部分裂につながるリスクもあります。

そのため、DXを推進させる上では社内の組織構築がキーポイントとなります。具体的な構築方法としては、新たにDX推進部門を設立する、既存システムや業務の見直しを図るなどがあげられます。

自社にDX推進部門を設けておけば、外部にシステム開発を依頼する場合であっても、スムーズにDX化を進められるはずです。

ポイント3.デジタル人材の確保

企業のDX化を確実に実現するためには、デジタル人材の確保がポイントとなります。DXを推進する過程においては、最新テクノロジーの知見や実行スキルが必要になるためです。

専門知識を有するデジタル人材を確保しておけば、トラブルを抑えて積極的にプロジェクトを進められます。とはいえ、デジタル人材はどの業界でも求められているため、容易に確保できるわけではありません。

すでにデジタル人材を確保できていない場合は、外部から人材を雇用するだけでなく、自社の従業員を育成する選択肢も考えておきましょう。

どちらにせよ、デジタル人材を確保するためには一定のコストと時間を要するため、早めに取り掛かることをおすすめします。なお、デジタル人材について詳しく知りたい方は「社内のDXを推進させる優秀なDX人材とは?6つの役割・職種を徹底解説」を参考にしてみてください。

まとめ

本投稿では、DXを導入して得られる7つの効果、効果を得るために必要なポイントを解説しました。

企業のDX化はあらゆる業界で推奨されていますが、実現するためには莫大なコストが掛かります。しかし、実現したときには得られる効果も大きく、生産性の向上やリスク回避などさまざまなメリットが見込めます。

ぜひ本投稿で解説した必要ポイントを押さえ、積極的に企業DXを推進させていきましょう。なお、DXを円滑に進める方法を知りたい方は「社内DXを推進する具体的な5つの方法!導入する目的と課題点を解説」をご参考ください。具体的な導入手順を理解できるはずです。

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

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