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社内のDXを推進させる優秀なDX人材とは?6つの役割・職種を徹底解説

上村公彦

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テーマ:DX

DX推進人材とは、デジタル技術を活用して社内に変革を起こすと同時に、経営陣視点で物事を考えられる優秀な人材のことです。DX推進人材は6つの役割に分類されており、多種多様な専門スキルが必要となります。

そのDX推進人材を詳しく知るためにも今回は、DX推進人材の役割、必要となるスキル、確保する方法を解説します。DX推進人材を欲している経営陣の方は、ぜひ最後までご覧ください。

DX推進人材とは?

DX推進人材とは?
DX推進人材とは、企業のDX推進を先導し、デジタル技術を活用して変革を起こす人材のことです。最新のITシステムやデジタル技術を用いるため、IT分野に精通していなければなりません。また、IT分野の基本知識を知っているだけでなく、最新技術を業務や事業に導入できるほどのスキルがなければ、企業のDX化は難しいとされます。

また、社内のDX化はDX推進人材1人で行うわけではないため、最新技術を活用できるだけではDX推進人材は務まりません。DX化は社内全体で取り組む必要のある大きな課題です。そのため、従業員をまとめる統率力・リーダーシップ、問題を解決して最後までやり遂げる責任感・問題解決能力などが求められます。

なお、経済産業省は2018年の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」で下記のように提言しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

このことからDX推進人材を再定義すると、デジタル技術を用いて変革を促すだけでなく、社内全体を統率して経営陣目線で考えられる優秀な人材がDX推進人材、ということになります。

DX推進人材の6つの役割・職種

DX推進人材の6つの役割・職種
優秀であるDX推進人材には6つの役割・職種があります。それぞれの違いを理解するためにも、1つずつ詳しくみていきましょう。

プロデューサー

プロデューサーは、DX化を進めるプロジェクトの指揮権を持つDX推進人材です。DX推進を総括するリーダー的存在であるため、マネジメント力や強固なマインドセットが必要になります。

また、プロデューサーは顧客・パートナー・事業部門といった、幅広い人脈で良好な関係を築かなければなりません。プロデューサーはDX推進の達成率を左右する重要な役割だといえます。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは社内のDXを実現するにあたって、具体的な企画・立案・推進を担う人材にあたります。マーケットや顧客の求めるニーズを把握し、能動的な提案やパートナーと一緒に企画を構築します。

プロデューサー同様、DX推進に深くかかわる役割であるため、従業員の巻き込み力や柔軟性、判断力、調整力といったソフトスキルが重要視されます。また、チャレンジを続けられるマインドセットもビジネスデザイナーには必要です。

アーキテクト

アーキテクトとは、DXやデジタルビジネスのシステム設計をするDX推進人材のことです。主な役割としては、事業内容またはITシステムを用いた課題分析、情報システム化要件としての再構成といった内容があげられます。

このアーキテクトには、アーキテクチャ設計やコンサルティング技法などの専門技術が必要になると同時に、経営陣目線で考えられる視野の広さが求められます。

データサイエンティスト・AIエンジニア

データサイエンティストは、統計学やデータ分析などの知識を駆使し、DXに必要となるデータの解析結果を導き出します。膨大なデータを活用するだけでなく、そのデータを生かしたビジネス展開を行います。なお、AIを主に扱うITエンジニアをAIエンジニアと呼びます。

UXデザイナー

UXデザイナーは、DXやデジタルビジネスにかかわる顧客向けにデザインを作成します。重要であることは生まれ持ったセンスではなく、顧客がサービスを使った際に得られる「体験」に焦点を当ててデザインを構築することです。そのため、顧客にどれだけ「楽しい、使いやすい、心地良い」と感じてもらえるかが、UXデザイナーにとってのキーポイントとなります。

エンジニア・プログラマー

エンジニアとプログラマーはその名前のとおり、ITシステムの実施やインフラ構築などを担う人材です。主にシステムの実装やコーディングを行うため、高度なハードスキルが求められます。

また、エンジニアやプログラマーはほかDX推進人材の仕事を補助することもあるため、広範囲のIT分野に精通しておかなければなりません。

DX推進人材に必要となるスキル2つ

DX推進人材に必要となるスキル2つ
ここまでDX推進人材の役割を6つ解説しました。続いて、DX推進人材に必要となるスキルを大きく分けて2つお話します。数多くある必要スキルから抜粋した重要スキルです。

デジタル技術の活用スキル

DXはデジタル技術を用いてビジネスモデルの変革を起こします。つまり、DX推進人材がデジタル技術を活用できなければ、社内のDX化を適切に進められません。ITシステムの基礎知識だけでは不十分であり、AIやクラウドといった先進的技術の活用スキルが求められます。

また、企業のDX化はデジタル技術を導入したら終わりかといえばそうではなく、その後のメンテナンスや再導入などが永続的に必要です。そのため、最新技術の動向を常にチェックし続ける興味関心が必要であり、同時に変革を起こすための幅広い活用スキルが求められます。

高度なマネジメントスキル

DX推進人材には社内従業員を巻き込んで管理する、高度なマネジメントスキルが必要になります。社内のDX化は経営陣・従業員・関係者・DX人材といったように、社内全体で取り組まなければなりません。社内の従業員を巻き込めなければ、業務のブラックボックス化、既存ビジネスからかけ離れたDX化などが発生していまいます。

その結果、DX推進におけるプロジェクトの進行が滞ってしまい、中途半端にDX化が進んでしまうでしょう。そういった社内トラブルを避けるためにも、社内全体をまとめるプロジェクトマネジメントや組織マネジメントなど、高度なマネジメントスキルが必要不可欠となります。

DX推進人材に必要となるマインドセット3つ

DX推進人材に必要となるマインドセット3つ
DX推進人材に必要なスキルに続いて、必要なマインドセットを3つ解説していきます。DX人材の理想像が明確になるはずです。

課題発見

DX推進人材には課題発見のマインドセットが必要となります。DXを推進する過程において、さまざまな課題に直面するはずです。「なにが課題になるのか」「どうすれば課題を解決できるのか」など、DX推進人材自らが課題に向き合わなければ企業のDX化は困難です。

このことから、DX推進人材には専門的スキルが必要であると同時に、自ら積極的に課題発見するマインドセットもキーポイントとなります。

挑戦を続ける姿勢

挑戦を続ける姿勢がDX推進人材には求められます。企業のDX化は決して容易ではなく、新しいことに挑戦し続けなければなりません。また、DXを成し遂げるまでの期間は非常に長く、その過程で失敗することがあるかもしれません。

そういった状況下でも落ち込むことなく失敗を反省し、挑戦を続けられる人材である必要があります。

好奇心・探究心

企業のDX推進はどれだけ専門スキルがあったとしても、好奇心と探究心がなければ最後までやり遂げられません。常にデジタル技術の意向を気にかけ、自ら学習に取り組むマインドセットが必要となります。

興味心と追求心があることにより、周りを巻き込んで企業のDXを成功させられるでしょう。

DX推進人材を確保する3つの方法

DX推進人材を確保する3つの方法
DX推進人材に必要となるマインドセットは理解できたでしょうか?社内のDX化を進めるためには、高度なスキルとマインドセットを持つDX推進人材が必要となります。しかし、懸念点としてDX推進人材の不足問題があげられます。

現状、日本企業全体がDX推進人材を欲している状態であるため、優秀なDX推進人材を確保することは容易ではありません。そこで本項ではDX推進人材を確保する方法を3つ解説します。

外部から採用する

DX推進人材を確保する方法1つ目として、外部から採用する方法があげられます。新卒採用ではIT分野に精通している可能性が低いため、中途採用が有効となります。外部から優秀なDX推進人材を採用できれば、即戦力として社内のDX化を一気に進めることができるでしょう。

とはいえ、先ほど説明したとおりDX推進人材は不足しています。外部からの採用は難易度が高いため、過度な期待は控えましょう。

アウトソーシングを活用する

アウトソーシングを活用するのも1つの手です。アウトソーシングとは、DX業務の一部を外部の協力先に発注することを示します。基本的なDX推進は自社で行い、どうしてもできない一部の業務をアウトソーシングに依頼しましょう。

DX化の一部だけの依頼であれば、システムの複雑化は起こりづらいはずです。また、従業員は既存業務に集中できるため、業務の効率化も図れるでしょう。手間のかかる面接や採用手続きが不要であることも、アウトソーシングを活用する魅力の1つです。

従業員を育成する

DX推進人材を確保する方法3つ目は、従業員を育成する方法です。既存のビジネスモデルや業務内容を深く理解しているため、適切にデジタル技術を導入することができます。現場の従業員にとって使いやすい新規システムを構築できるでしょう。また、DX推進人材と従業員のコミュニケーションがスムーズであるため、トラブルなくプロジェクトを進行できるはずです。

しかし、IT分野に知見のない従業員を一から育成するとなれば、社内にDXを導入するまで時間を要してしまいます。従業員を育成する場合は長期目線で取り組まなければなりません。

まとめ

本投稿では、DX推進人材の役割、必要となるスキル、確保する方法を解説しました。

DX推進人材はITシステムに詳しいだけでは不十分であり、高度なマネジメントスキルが必要です。また、ビジネスモデルの種類によっては専門的なハードスキルが求められます。DX推進人材のハードルが高いこともあり、日本企業はDX推進人材の不足問題を抱えています。この状況を打破するためにも、ぜひ本投稿を参考にしてDX推進人材を早めに確保しましょう。

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

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