タイル貼り

後藤卓志

後藤卓志

テーマ:分離発注

キッチン壁面タイル貼り


キッチンタイル貼り

キッチンの壁面は一部タイル貼りになっています。

タイルの選定から手配、そして施工自体もお施主様が行っています。
細かく見ると目地幅が左右で異なっているなどプロ目線からは多少気になる点はありますが、
機能的には支障なく、遠目には気にならない程度に貼られています。

壁面は下地が石膏ボードになっていることもあり、比較的施工しやすくなっています。
一方で、床面は平らにするための下地調整、或いは雨水等を流すために微妙な水勾配を確保するなど難易度が上がります。
また、真物(まもの)と言われるカットせずに貼れる箇所は容易ですが、端などにタイルをカットして貼る作業は難しい一面があります。

タイルで有名な構造物と言えば、アントニオガウディの設計したグエル公園があります。
彼はタイルを意図的に割り、曲面などに自由に貼れるようにするなど、自由な発想で対応しました。
本来は建築する行為とはもっと自由であっていいのかもしれません。

現代は代理の社会です。
お金という対価を支払うことで専門性を有する他者に行為を依頼するということです。
便利な反面、失うとまでは言えないものの知りえた知見を逸してしまうこともあります。
結果を容易に手に入れることで、そこに至るプロセスを体験する機会を得られないことになります。
一見、「結果」と捉えられこともその結果の一瞬後には早々に「プロセス」に変わります。
分離発注はそのプロセスを大事にする方式と言えます。

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後藤卓志
専門家

後藤卓志(一級建築士)

choord一級建築士事務所

建築プロセス全体を持続可能な視点から捉える建築家。お施主様それぞれのサステナブルを具現化する。東南アジアでの植林活動を主宰し、地球環境への直接的な貢献を行う。

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