桧の階段設置中

2月中頃に上棟した建物は性能表示の構造検査後に外周面の透湿防水シート貼りと胴縁取り付けを行いました。
透湿防水シートは大きな弛みなどもなく上手く貼れていました。
透湿防水シートは撥水性を有しながら、水蒸気を通すという性質を持つ紙です。
水蒸気が室内側から外部へ抜けていくことで、室内の結露を防ぐ役割があります。
その際に気を付けることは、透湿防水シートの裏側にある面材が一般的な構造用合板等はあまり好ましくないということです。
構造用合板等の接着剤を多用している面材は水蒸気を通しにくいため、この面材の内側と断熱材の間で結露を発生させやすくなってしまいます。
面材を選択する際は、その面材の透湿性能を考慮すること、壁内の断熱材の性質を理解することが建物を長寿命化させる一つのポイントになります。
建物を劣化させる一番の原因は水蒸気です。
特に湿度の高い日本では特に重要です。欧米との大きな違いです。
よく人の住まない住宅は劣化しやすいということが言われますが、そうではありません。
その本質的な意味は人の住まない住宅が全て劣化しやすいのではなく、
水蒸気を通しづらい建材を多用している住宅に人が住まないと空気の入れ替えが起きにくいので、結果的に劣化しやすいということです。
逆に言えば、自然由来の透湿性のある建材であれば人の住まない住宅でも劣化が進行しにくとも言えます。
日本の戦後の住宅は新建材と言われる接着剤を多用していることが劣化しやすくことに繋がっており、
同時に健康へ悪影響を与えています。



