基礎工事完了
着工
山梨県某所にて分離発注による新築工事が着工いたしました。
建築会社を通さないことで、中間マージンを圧縮することができるため、
全体の工事金額を抑えるメリットがあります。
コストを重視つつ、造ることを楽しめる方にはこの分離発注方式は向いていかと思います。
配筋工事中の写真になります。
この物件はご依頼を頂いてから2年以上の月日を経て今に至ります。
その間プランはもちろんのこと、工事を行う各専門業者をお施主様と共に建築地周辺にて探し、
現場での作業を見て彼らの技量を確認したり、こちらとの相性をみたり、見積もりをとったりする中で、
その大半はお施主様自身が探してきた専門業者を選定することになりました。
このプロセスは一般的には面倒なものと捉えられるものではありますが、
通常建築会社一社と契約を結ぶことでは得られない、たくさんの新たな関係性の構築に繋がっています。
また、各専門業者の方々もお施主様と直接やり取りすることで、顔の見える関係性になり感情が生まれます。
建売などの顔の見えない無機質な相手とは異なり、手抜き工事が発生しにくいことにも繋がるものでもあります。
また、この物件は木工事の構造に関わる重要な部分は地元の大工さんが行いますが、
内装に関わる床貼りや内壁外壁貼り、断熱材充填はお施主様自身が行う分離発注兼セルフビルドのハイブリッドでもあります。
お施主様はこの数か月間で徐々に大工道具の使い方を学んでいます。
こういったプロセスを踏むことで建物に対するリテラシーが向上し、
建物がどのように造られるかを知ることで、維持管理にも関心が向上し、結果的に建物の長寿命化に寄与します。
社会的にはスクラップ&ビルドからストック社会へ移行する契機になるやり方と捉えています。
現在の住宅は性能や技術力がクローズアップされますが、それ以上に重要なのは建物に対するお施主様の関り方です。
なぜなら、電化製品と違い壊れたら容易に買い替えられるようなものではなく、
自然環境から受ける経年劣化に対して関わることが建物にとってのスタートだからに他ならないからです。