「上司ガチャ」と「組織改善」について

遠山えり子

遠山えり子

テーマ:組織改善

衆議院選挙が終わり、高市総理の人気に乗じて自民党が大幅に議席を伸ばした結果となりました。
総理大臣というのは、日本における政治の顔です。歴代初の女性総理である高市氏に強いリーダーシップと共感を感じ、彼女が属する自民党に1票を投じた国民が多かったのかもしれません。しかし、政治は高市氏がひとりで動かすものではありません。議席を伸ばした自民党の各議員ひとりひとりが、日本の舵取りを担う責務を負う事になると思います。

会社も同じです。経営者という顔がいて、リーダーの舵取りを様々な角度で支える社員で構成しています。「ひとりひとりが会社の経営者」だと私は思います。経営者ひとりで動く会社には限界があります。会社はたくさんの社員が支えています。

●上司ガチャが表すもの

最近「上司ガチャ」という言葉を聞きます。「ガチャ」とはランダムに景品が出てくるカプセルおもちゃを指しますが、部下の立場から見て良い上司に当たったか、悪い上司に当たったかを表現する言葉のようです。
政治の世界でも、選挙で議員が変わり、閣僚が変わり、国の各省庁のトップが変わります。各省庁に属する公務員は、トップが変わる度に「ガチャ」を味わいます。
会社も同じです。社長が変わり、上司が変わることは良くあります。会社の中には色々な人がいます。色々な人が居ないと新しい発想や新しい技術は生まれないからです。そして部下の立場からはトップや上司を選べない環境が殆どです。その結果、「良い上司に当たった」とか「ハズレ上司に当たった」という意味を「ガチャ」という言葉で自虐的に表しているようです。
「ハズレ上司に当たった」と感じる社員は、上司との個人面談があっても話の内容に期待を抱かずに対します。そしてやる気をなくし、転職を考えるようになります。

●終身雇用の崩壊と「上司ガチャ」

「上司ガチャ」とは「自分でコントロールできない」働き方を部下の立場からネガティブな言葉で表していると感じます。終身雇用の時代には、「この会社に定年まで勤める為に、会社からの指示に従う」というスタイルが日本人には当たり前でした。嫌な上司に当たっても我慢し、急な転勤を指示されても従っていた社員が多かったと思います。
しかし、今の時代は黒字リストラが多発し、終身雇用も崩壊し始めています。会社の姿勢が変わったのに、社員にとってはひとりひとりの裁量があまり変わらず、不満を抱く社員が増え始めています。若い世代の社員は「上司ガチャ」と口にしながら離職を考えるようになり、中高年の社員は口にこそ出さずに同じ不満を抱え、その結果静かな退職という働き方に至ることがわかっています。

●社員の不満を解決する組織改善

社員の不満の解決方法として、受け皿を作り意見を聞いて職場の改善に繋げることはできます。
「上司ガチャ」によって「あ、こんな良い上司がいたのか」と若い社員に認識してもらう事もできます。「あ、こんな考え方を持つ先輩がいたのか」と認識する事で若い社員の成長や会社への帰属意識が生まれ、自分でコントロールする事ができるようになります。
社内で部下が上司を選ぶ人事制度を作ったり、ジョブポスティング制度を積極的に運営する方法もあります。それぞれの会社で色々工夫を凝らして社員のネガティブな不満を解消する組織改善方法はたくさんあると思います。

●私達の「キャリア顧問」ができること

私達は各業界の企業経験を持つコミュニケーションの専門家集団です。
社員との面談の中で不満や心の葛藤をヒアリングし、現状分析結果として経営層に提出し、解決の為の支援を一緒に考えます。
社員の不満を知りながら放置することは会社にとって決して得策ではありません。
社内に「仕事相談室」を作ったり、4月に入社する新入社員の声を定期的に聴く社内制度を設けたり、人事制度や評価方法を変えたり、できることはたくさんあります。
人と人とのコミュニケーションの改善はAIやDXでは対応できないものです。そして社内で上司に部下との面談を頼んでもうまくいかない事が多いのです。

●「人的資本経営」という考え方

日本でも「人的資本経営」という意識が芽生えつつあります。
経済産業省は「人的資本経営」を「人材を【資本】として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上に繋げる経営の在り方」と定義しています。
人的資本経営
人的資本に関する考え方や取組は世界的に広がっています。特に日本では人口減少が進み、企業や経済を維持する為に社員ひとりひとりの付加価値を高めていく事が不可欠と思います。

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遠山えり子
専門家

遠山えり子(キャリアコンサルタント)

オフィス遠山合同会社

プロのキャリアコンサルタントチームが、組織の中で従業員との対話と傾聴を通じて現場の声を丁寧に引き出し、現場課題を可視化。適切に経営層に伝える事で人材の定着と活性化、エンゲージメント向上を支援します。

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