「黒字リストラ」と「キャリア顧問」からのメッセージ

遠山えり子

遠山えり子

テーマ:黒字リストラ

最近、「黒字リストラ」という言葉をよく聞きます。各企業が黒字であるにも関わらず、人員削減を行う早期退職プログラムを行う現象です。上場企業において、かつ決算で黒字を計上している企業が導入している点が大きなポイントです。
黒字にも関わらず、人材不足が蔓延しているにも関わらず、各企業がこのような戦略を取る原因は色々言われますが、企業を取り巻く環境変化とそれに対応する戦略が多くの理由のようです。
「黒字リストラ」を実施する企業の多くは、45歳以上、50歳以上等中高年齢層を対象にする事が多いです。年齢をひとつの基準にするのは間違いだという意見もありますが、企業側とすれば、長期的視点で人材を有効活用したいという狙いがあるように感じます。
私は企業支援の立場で仕事をしていますが、個人的に危機感を感じるのは、数万人規模の中高年齢層が「黒字リストラ」によって企業を離れ、再就職が難しい市場に放出される事が脅威です。日本がどうなって行くのだろうか、と杞憂しています。マスコミがこの点を騒がないのが不思議で仕方がありません。
「黒字リストラ」現象は、日本における「終身雇用制度」の終焉を描いていると言う人もいます。

●企業を支援する「キャリア顧問」からのメッセージ

さて、黒字リストラでも赤字リストラでも残った社員の立場は微妙です。
以前のコラムでも触れましたが、残った社員は心理的に色々な想いを抱きます。
・自分は対象にならなかったから安心
・辞めた先輩に申し訳ない
・ついにうちの会社にもこのような事が起きたか
・ただでさえ人が足りないのに仕事が回らなくなる
心の中にこのような想いを持ちながら、「不景気だから仕方がない」と思いつつ、「また次の機会には自分が対象になるかもしれない」と不安を感じて立ち止まり転職を考える人も居るでしょう。
「サイバーズ・ギルト」という罪悪感を表す気持ちの状態です。
このような社員の声を聴く社内の人間が居ないのが殆どの企業だと思います。
しかし、企業側からすれば、構造改革による次への成長を見据えての人員刷新です。残留した社員にはモチベーションを持って仕事に従事してもらいたいところです。
でも、社員の気持ちが付いていかない内情があります。

●私達が「職場面談」によって社員の気持ちを繋ぐ仕組みを作ります

何故今黒字リストラを行う必要があったのか、会社の考えを残った社員に伝え、これから何をどうやって行かなければならないのか前向きに考えてもらう時間を面談で促します。
社員に、「自分の声を聞いてくれる職場の相談室」の場を会社が提供することは、会社への信頼や安心感に繋がり、「頑張ろう」と思うやりがいを与えます。
残った社員との面談の中から、今後の仕事の回し方や新しいビジネスへのアイディア、そして企業の成長に向けての意見を出し合い、エンゲージメントを高めていく為に私達が専門家チームとして外部からお手伝いいたします。

●「人的資本経営」という考え方

日本でも「人的資本経営」という意識が芽生えつつあります。
経済産業省は「人的資本経営」を「人材を【資本】として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上に繋げる経営の在り方」と定義しています。
人的資本経営
人的資本に関する考え方や取組は世界的に広がっています。特に日本では人口減少が進み、企業や経済を維持する為に社員ひとりひとりの付加価値を高めていく事が不可欠と思います。

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