「黒字リストラ」と「キャリア顧問」からのメッセージ
「静かな退職」という言葉を最近耳にします。アメリカのキャリアコーチが発した言葉で若い世代に注目されているそうです。
意味は「仕事に対する熱意がなく、必要最低限の仕事だけを淡々とこなす」人を指しているそうです。思い起こしてみれば、過去にもこういう仕事の仕方をする同僚、先輩、後輩はいたような気がします。今注目されているとはいえ、こういう仕事の仕方をする人は昔から居り、近年増加傾向にあり、顕著に目立っているという事なのでしょう。
それでは、「キャリア顧問」のアプローチを少し解説しましょう。
●「静かな退職」と呼ばれる働き方になぜなるか。
理由は人それぞれだと思いますが、ひとつには昔の日本企業で美徳とされた「プライベートを潰しても仕事に時間を割く」という考え方が働き方改革等によって変わってきたことがあります。そういえば昔「24時間戦えますか」というTV CMがありましたが今の時代ではこのような働き方はハラスメントと呼ばれてしまいます。
「一生懸命働いても給料は上がらないし、偉くなって責任が重くなるのは嫌だ」と思う人も増えてきています。サラリーマンは毎日会社に通勤して定められた時間内で勤務していれば決められた給与は貰えるからその方が静かに安定します(これを勤務と言うかは議論がありますが)
そして、自分がやりたいと思っている仕事ではない事をやらされている、という心理的要素もあると考えます。自分が属する会社に対して愛着を持たなくなっているのもあるかもしれません。その結果、タイパ、コスパが悪いからなるべく目立たずに会社に居よう、と思ってしまうのは少し理解できます。しかし、こういうタイプの社員が増える事は企業にとっては生産性の低下と社内雰囲気の低下を招いてしまいます。そして本人にとっても貴重な人生の時間を有効活用していない事が残念です。
●キャリア顧問のアプローチ
社員ひとりひとりに個性や価値観があります。何の目的や目標もないまま会社に居続けることは本人の苦痛に繋がるのは確かと言えます。じゃあ、あなたはどうなりたいの?どうしたら良いと思っているの?を各自の価値観から言葉に引き出して改めて考えてもらいます。
会社に所属するという事がどういう意味なのか、会社に出社するという事は1日の大部分の時間を費やす事、その時間を有効活用しないのは逆にタイパが悪いのではないか、と問いかけます。
入社時には研修という場がありますが、継続的に研修を行うのは会社側にとってもリソースやコスト面から厳しい事です。また研修は集合的なアプローチなのでAさんにとって有意義でもBさんにとっては無意味な場合もあると思います。
「キャリア顧問」は従業員ひとりひとりとの面談を継続する事で個性や価値観を認めながら前向きな思考ができるように支援します。人間は誰でも楽しいこと、やりたい事が好きで士気が高まると前向きな思考になることが私達のキャリア面談でわかっています。
●「人的資本経営」という考え方
日本でも「人的資本経営」という意識が芽生えつつあります。
経済産業省は「人的資本経営」を「人材を【資本】として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上に繋げる経営の在り方」と定義しています。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html
人的資本に関する考え方や取組は世界的に広がっています。特に日本では人口減少が進み、企業や経済を維持する為に社員ひとりひとりの付加価値を高めていく事が不可欠と思います。
私達はそのお手伝いができる専門家チームです。



