[会計・ファイナンス・IRの英語]会計・ファイナンスの基礎的な用語を学ぶ(1)
毎月業績報告を担当する方の報告文を添削していて、かつて自分が外国人上司から指摘されたことを思い出しました。
「あなたの報告書、事実と意見(感想)が、はっきりしない・・・」
当時は「えっ~、そんなことないはず。」と思いましたが、今にしてみると納得のいく指摘です。
業績報告のレポートで大切なことの一つに、
Facts(事実)をわかりやすく表現すること
Facts(事実)と Opinion (意見)を区別して表現すること
があります。
自分は大丈夫! と思った人、要注意です。
この記事を参考に、もう一度自分が書く業績報告を見直してください。
事実を明確に伝えることが正しい経営判断につながる
事実を明確に言うべきところで、主観が入っている表現を使うのは誤解を生みます。
会社の経営者・管理職は事実に基づいて、次の戦略を決めていきます。
マネイジメントの正しい判断を促すために、Facts(事実)を明確に伝えるようにしましょう。
以下の例題の違いを参考にしてください。
“Our sales figure for the last month was the most successful of the year. ”
「先月の販売台数は、今年に入ってから最も好調でした。」
=> 事実を言っているようですが、この文章を裏付ける、具体的なデータに欠けています。
具体的なデータがないと、”好調”と言っているのは、主観的な判断ではないかととられる可能性があります。
”Our sales figure for the last month was the most successful of the year. Compared with the prior month, the monthly sales increased by 10 %. The result was also three times higher than the number for the same month of the previous year. ”
「先月の販売台数は、今年に入ってから最も好調でした。前月と比較すると、月間の売上高は10%増加しました。 また、結果は前年同月の記録の3倍でした。」
=>出だしは同じですが、これくらい補足のデータがあると、より説得力のあるFacts(事実)の報告になります。
データを比較した表やグラフを添付するとよりわかりやすくなりますね。
意見を言う時は出だしを明確に
業績報告のレポートでも、通常事実を報告するだけでは、会計・財務担当者は評価されません。
数字の裏側にある背景を理解して、自分なりの意見を補足することで、レポートに付加価値がでます。
自分の意見をレポートに書くことは求められていない場合でも、いざという時に備えて、自分の考えを言えるようにしておきましょう。
そういった場合、自分の意見であることを、明確に表現することも大事です。
例えば以下のような例文です。
”The following is my recommendation based on the year-to-date financial results this year. ”
「これからお話することは、今期これまでの決算を踏まえ、私が提案したいことです。」
こんな表現もあります。
”I would strongly propose that we should increase our promotional budget based on our market research presented earlier. ”
「先に提示した市場調査に基づいて、プロモーション予算を増やすことを強く提案します。」
業績報告レポートは、ついつい自分の言いたいことにフォーカスしがちです。
本来は、どういう情報をどうやって表現することが、受け手にもっとも役立つのかを、最優先に考えるべきです。
今回のような視点は、自分では気づかないことも多く、第三者のサポートが役立ちます。
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