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亡くした悲しみをひとりで抱えないで。もう一度人生を取り戻しましょう

死別の痛みを癒し生きる力に変えるグリーフケアカウンセラー

日高りえ

死別の痛みを癒し生きる力に変えるグリーフカウンセラー 日高りえさん
日高りえさん カウンセリング風景

#chapter1

自分を許せ、亡き人との新たな心の繋がりを得られるメッセージメール

 最愛の人との死別。それは深く心に突き刺さり、喪失感から心がフリーズした状態にもなります。また同時に、死別から立ち直りたくても哀しみで心が覆われ、ひとり苦しみ続けてしまう…。こうした苦悩や、"生きることへの失望"で苦しむ人たちの心の声に丹念に耳を傾け、もう一度生きる力を取り戻す支援をしている日高りえさん。日高さんは、死別専門のカウンセラーとして活動しています。

 日高さんは、対面や電話などのカウンセリングや継続カウンセリングの他に、「心に響くメッセージ」をメール配信しています。このメッセージメールは毎日決まった時間に届き、1,000人以上の人たちが申し込まれているとのことです。日高さんはこのメッセージメールにある想いを込めています。

 「大切な方を亡くされた方の多くは、自責の念や、愛するあまり後追いしたくなる気持ちになってしまったり、と一人苦しんでいます。何より、亡くなった方との繋がりが断たれてしまい、大きな哀しみを感じています。このメッセージを読むことで、ご自分を許すことができたり、亡き人との新たな繋がりを感じていただけ、それが生きる力になればとの想いを込め作成しています」

 日高さんの想いはメールを受信している人たちに届き、「まるで亡き母が語りかけてくれているようでした」「登録前は"深夜から朝までが一番の恐怖・生きる怖さ"、だったのが、朝がくるのが少しだけ楽しみになりました」「母を亡くして後追いしようと思っていたのが、半年経った今では生前と変わらず忙しく仕事をできるようになりました」など、感謝の声も多数寄せられています。

#chapter2

亡き人との思い出を再び慈しめるようになり、未来を描けるようになってほしい

 日高さんのクライアントは、今この瞬間を生きることさえ辛く、ましてや死を受け入れることも、過去を振り返ることもできずに、人生の時計の針を進められずにいます。

 「ああすれば良かったとか、私がこうしたからこんなになってしまったんだとか、これをしてあげたかったなど、皆さん本当にたくさんの想いを抱えています。その後悔の念や自分を責める想いが大きくなればなるほど、それ以外のことを客観的に見ることができなくなります。そして、これからもずっと続くだろうと思っていた"今"を無くしてしまったことで、過去も無くしてしまい、そして未来も奪われ無くなってしまう、そんな想いに捉われてしまいます」

 ですが、日高さんに安心して話をすることで、次第に心の落ち着きを取り戻していき、別の視点で捉え直すことができるそうです。「まずは、溜めていた胸の内を話すことが大切です。例えば、風船も空気を入れすぎるとパンと破裂してしまうように、心も想いを溜め込むとパンクしてしまうんです。相手の方の心に寄り添いながら、ゆっくりお話をお聞きすることは、心の癒しの第一歩です。それができて来ると、死別という人生を揺るがす出来事も、大切な方との思い出も紡いで来た月日の中の一つであり、エンディングなんだと、視点を変えて受け入れることができるようになります。それが、亡き人との心の中の新たな繋がりになり、もう一度自分らしく生きようという想いにも繋がります」

日高りえさん カウンセリング風景

#chapter3

最愛の夫との死別を克服して。同じ立場の人の力になることが使命

 日高さんがカウンセラーを目指したきっかけは、実は自分自身の実体験からでした。日高さんはかつて最愛の夫を亡くし、立ち直るのに15年の月日を要したと言います。

 「私の場合、試行錯誤の中、自分で自分の心を癒していきました。時が経てば経つほど、亡き夫のことで悲しんでいることを言いにくくなり、結果的に一人で抱えてしまうことに。本当は誰にも会いたくなく、家から出たくない心境の時もありましたが、役者の仕事をしていましたので、仕事を休めず社会と関わっていました。それが良かったのかもしれません。やらなければならないことに引っ張られて、自分を立て直せたのだと思います。でも誰にも頼らなかったので、長い月日かかってしまいました」

 そして、心理学に出会った日高さんは、「心理学やカウンセリングを活用したら、以前の私のように苦しんでいる人の力になれる。そして、私のように長い年月かけずに済むかもしれない」と、心理学に光を見出したそうです。そこから本格的に心理学やカウンセリングを学び、外でもない死別専門のカウンセラーとして現在、多くの人を救っています。

 「亡くした哀しみを癒すこの仕事は私の使命だと思います。ご家族、大切な人はもちろんですが、家族同然のペットを亡くされた方の痛みにも寄り添ってカウンセリングもしています。今、どんなに辛くトンネルの出口が見えなくても、必ず光は射します。それは私自身が体験して克服できたからこそお伝えできると思っています。ぜひ、一人で苦しまずにどんなことでも大丈夫ですので、お声をかけていただけたらと思います」

(取材年月:2017年9月)

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大切な人を亡くした人の悲しみをじっくり聴き、現在も過去も直視することができず、未来さえも描けなくなった心を癒すカウンセリングが特徴。そして、もう一度、生きる気力が生まれるように導くコーチングも強み。

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