【2026年最新】やさしい日本語研修の現場で起きた変化とは?医療・行政・救急現場の実践報告

こんにちは。
エルロンのやさしい日本語スペシャリスト
グローバル共創デザイナーの竹丸勇二です。
現在、弊社エルロンのメンバー3名で、
やさしい日本語に関する書籍を執筆しています。
今、初稿のチェックを進めているのですが
本の形が見えてきて、ワクワクしています。
まだ詳しい内容はお伝えできませんが、
今回は、執筆を進める中で
あらためて感じていることについて
書いてみたいと思います。
やさしい日本語は、
外国人に伝わりやすい日本語として
少しずつ知られるようになってきました。
一方で、原稿を書きながら
私が強く感じているのは、
やさしい日本語は、
単なる「言い換え」ではない
ということです。
やさしい日本語は、言葉を簡単にするだけではない
やさしい日本語というと、
・難しい言葉を簡単にする
・長い文を短くする
・敬語を使わない
このようなイメージを持たれる方が多いと思います。
もちろん、それはとても大切なことです。
たとえば、
「ご記入ください」ではなく
「書いてください」
「ご提示いただけますか」ではなく
「見せてください」
このように言い換えるだけでも、
相手にとっては理解しやすくなります。
けれども、執筆を進める中で、
あらためて感じたことがあります。
それは、
やさしい日本語で本当に大切なのは、
言葉を簡単にすることだけではなく、
「この伝え方で、相手は本当に理解できるだろうか」
と立ち止まることだということです。
金融機関の事例から見えてきたこと
今回の書籍では、
金融機関での外国人顧客対応についても
取り上げています。
金融機関では、日常的に
専門的な言葉がたくさん使われます。
たとえば、
・本人確認
・口座開設
・審査
・担保
・滞納
・反社会的勢力
こうした言葉は、
日本語に不慣れな外国人にとっては、
言葉の意味を理解するだけでも
大きな負担になります。
さらに難しいのは、
言葉そのものだけではありません。
日本では当たり前のように行われている
「本人確認」や「銀行引き落とし」などの手続きも、
国や文化が違えば、
そもそもの仕組みが伝わりにくいことがあります。
つまり、
専門用語をやさしい言葉に置き換えるだけでは
十分ではない場面があるのです。
なぜ、その手続きが必要なのか。
何を確認しているのか。
手続きをしないと、どうなるのか。
こうした背景や理由も含めて、
相手が理解できる順番で伝えることが大切です。
「伝えた」ではなく「伝わった」を大切にする
私たちは、仕事の中でつい、
「説明しました」
「案内しました」
「書類を渡しました」
というところで、
コミュニケーションが終わったように
感じてしまうことがあります。
しかし、やさしい日本語の視点で考えると、
本当に大切なのはその先です。
相手は理解できたのか。
安心して質問できたのか。
自分で判断できる状態になったのか。
ここまでを含めて考えることが、
やさしい日本語の大切な役割だと感じています。
特に、
金融機関や行政、医療、職場の手続きなど、
相手の生活や将来に関わる場面では、
「なんとなく分かったつもり」のまま進んでしまうことが、
後の不安やトラブルにつながることもあります。
だからこそ、
やさしい日本語は、
相手が情報を理解し、
自分で考え、
納得して行動するための支えになるものです。
やさしい日本語を伝える人を増やしたい
今回、書籍の執筆をしながら、
やさしい日本語の可能性を
あらためて感じています。
私たち日本語教師にとっても、
これまで培ってきた
「相手に合わせて伝える力」を、
教室の外で生かすための
大切な視点になると感じています。
地域、企業、行政、医療、災害時の支援など、
やさしい日本語が必要とされる場面は
これからさらに広がっていくと感じています。
そのときに必要なのは、
やさしい日本語を「使える人」だけでなく、
周りの人に「伝えられる人」です。
私が担当している講座でも、
日本語教師の皆さんと一緒に、
やさしい日本語をどのように伝え、
どのように現場で生かしていくかを考えています。
今回の書籍も、講座も、
目指しているところは同じです。
やさしい日本語を通して、
相手が安心して理解し、
自分で判断できる社会をつくること。
そして、その考え方を伝えられる人を
少しずつ増やしていくこと。
これからも、書籍や講座、現場での実践を通して、
やさしい日本語の可能性を
日本語教師の皆さんとともに広げていきたいと思います。
今、確認を進めている書籍は
年内には書店に並ぶ予定です。
あともう一息!!
みなさんにお届けできるように、頑張ります。
追伸:
私が大切に開講しております講座は
下記よりご覧いただけます。
やさしい日本語ワークショップ・ファシリテーター養成講座


