やさしい日本語とは?企業で起きた3つの変化とその効果
こんにちは。
エルロンのやさしい日本語スペシャリスト
グローバル共創デザイナーの竹丸勇二です。
2026年に入り、さまざまな現場で
やさしい日本語研修の機会をいただいております。
1月:三重県・総合病院
2月:東京都・武蔵野市役所
4月:新潟県・日本赤十字社新潟県支部
医療・行政・救急と異なる現場でしたが、
共通して見えてきたことがあります。
今回は、その実践をご紹介します。
「英語ができないとダメ」という思い込み
研修の最初に、必ず出てくる声があります。
それは、
「英語が話せないので、不安です」
という声ですが、研修が進むにつれて、
この言葉に変化が現れます。
研修を終える頃には、
「日本語でいいんだと分かって安心しました」
「やさしい日本語で話しかけていきたい」
という声に代わります。
研修でも、よくご紹介しているのですが、
日本に住んでいる多くの外国人の方は、
“簡単な日本語”なら理解でき、話すことができます。
つまり、
伝わらない背景にあるのは、
英語ができないことではなく、
伝え方の工夫が足りていないことにあるのです。
伝えるためのポイントは「日本語の使い方」
ご参加いただいた皆さんが
共通して気づかれるのは、
「普段使っている日本語は、
日本語に不慣れな外国人には難しい」
ということです。
例えば、
・尊敬語や謙譲語
・相手への配慮を含めた、長くて複雑な文章
・不足なく伝えるため、情報が多すぎる説明
こうした日本語は、日本人同士では自然でも、
外国人にとっては理解が難しいのです。
研修では、
・一文を短くする
・簡単な言葉を使う
・大事なことだけ伝える
などの練習を行います。
すると、
「言い方ひとつでこんなに変わるのか」
「今まで難しくしすぎていた」
という気づきが生まれます。
「伝える」から「伝わる」へ
もう一つ大きな変化があります。
それは、
相手の理解を意識するようになることです。
・理解しているか確認する
・ゆっくり話す
・相手の表情を見る
こうした行動が自然に出てくるようになります。
総合病院で実施させていただいた研修に
ご参加いただいた方からは、
「説明した後に、確認することの大切さに気づいた」
と話してくださいました。
やさしい日本語は、単なる言い換えではなく、
コミュニケーションの姿勢そのものを変えるものなのです。
現場で使えるからこそ意味がある
今回の研修では、すべての現場で
実践的なワークを行いました。
医療現場では、感染症対策や申し送り
行政では、市民同士のコミュニケーション
赤十字では、救急現場を想定したコミュニケーション
参加者からは、
「すぐに使える内容だった」
「明日からやってみたい」
という声が多く聞かれました。
やさしい日本語は、
“知識”ではなく
現場で使ってこそ意味があるスキルですから
研修後すぐに実践いただけるテーマで
ワークショップを開催することを大切にしています。
一番の変化は「関わろうとする気持ち」
研修後のアンケートで特に印象的だったのは、
「外国人と、もっと積極的に関わってみようと思えた」
という声です。
この声は、グローバル共創デザインに取り組む私としては
とても嬉しいフィードバックです。
やさしい日本語を通して、
相手との距離が少し近づく。
その実感が、
行動の変化につながっていました。
やさしい日本語は、
言葉だけでなく、人との向き合い方を
整えてくれるものだとも感じています。
まとめ
3つの研修を通して改めて感じたのは、
やさしい日本語は、
翻訳や英語の代わりではなく、
コミュニケーションの質を高める手段である
ということです。
そして変わるのは、
相手ではなく、私たちの伝え方です。
これからも現場での実践を通して、
やさしい日本語の可能性をお伝えしていきます。
ありがたいことに、やさしい日本語の研修ご依頼は
来年のスケジュールまで入り始めております。
また、実践報告をこちらのコラムでお伝えしたいと思います。


