外国人社員とのコミュニケーションがうまくいかない理由|日本語の難しさと対策
こんにちは。
エルロン代表・元人事×日本語教師歴12年の石川陽子です。
「ちゃんと伝えたはずなのに、伝わっていなかった」
外国人社員と働く現場で、こうした経験はありませんか?
・「今日中にやっておいて」と頼んだのに、手がついていなかった
・「わかりました」と言っていたのに、内容がズレていた
こうしたすれ違いは、決して珍しいことではありません。
そしてその原因の多くは、
「相手の日本語力が足りないから」ではなく、
“伝え方”にあると私は考えています。
前回のコラムでは、日本語がいかに難しい言語であるか
そして「伝えたつもり」が伝わらない背景についてお伝えしました。
では、実際に現場ではどうすればいいのでしょうか。
答えはシンプルです。
伝え方を少し変えるだけで、伝わり方は大きく変わります。
私自身、これまで2000人以上の外国人に日本語を教える中で
また企業の現場に入って支援を行う中で
「伝わる言い方」と「伝わらない言い方」には
はっきりとした違いがあることを実感してきました。
そのポイントを体系化したものが、
「やさしい日本語」です。
やさしい日本語というと
「簡単な日本語に言い換えること」と思われがちですが
本質はそれだけではありません。
・曖昧さをなくすこと
・具体的に伝えること
・相手が理解しやすい順番で話すこと
つまり、
伝わるように設計された日本語
伝わるように設計された日本語です。
この記事では、
外国人社員とのコミュニケーションですぐに使える
「伝わらない言い方」と「伝わる言い方」の違いを
具体例とともにご紹介します。
明日からすぐに使える内容ですので、
ぜひご自身の現場に置き換えながら読んでみてください。
明日から使える「やさしい日本語」言い換え5選
ここでは、現場でよくある指示をもとに、
「伝わらない言い方」と「伝わる言い方」をご紹介します。
① 「今日中にやっておいて」
伝わらない // 今日中にやっておいて
やさしい日本語 // 今日の17時までに、この仕事をしてください
【ポイント】
「今日中」は人によって解釈が異なります。
時間を具体的にすることで、認識の齟齬がなくなります。
② 「あとでやっておいて」
伝わらない // あとでやっておいて
やさしい日本語 // この仕事は、○○が終わったあとにしてください
【ポイント】
「あとで」というのは、いつなのか「あいまい」でわかりません。
順番で伝えると理解しやすくなります。
③ 「適当にまとめておいて」
伝わらない // 適当にまとめておいて
やさしい日本語 // ポイントを3つ書いてください。A4で1枚にまとめてください。
【ポイント】
「適当に」はとても難しい言葉です。
ゴールを具体的に示すことが大切です。
④ 「これ、お願いしていい?」
伝わらない // これ、お願いしていい?
やさしい日本語 // この仕事を、あなたにお願いしたいです。いいですか?
【ポイント】
依頼なのか確認なのかが曖昧な表現です。
「誰に」「何を」を明確にしましょう。
⑤ 「もう少しちゃんとやって」
伝わらない // もう少しちゃんとやって
やさしい日本語 // ここが良くないです。もう一度お願いします
※指示をする側がイメージしていることを、できるだけ伝えましょう
【ポイント】
「ちゃんと」は基準が人によって違いますし、言葉の意味理解としても難しいです。
どこをどう直すのかを具体的に伝えましょう。
いかがでしょうか。
どれも、少し言い方を変えただけですが、
「何をすればいいのか」がはっきりしたのではないでしょうか。
外国人社員とのコミュニケーションでは、
“察してもらう”のではなく、“具体的に伝える”ことがとても重要です。
そしてこの工夫は、外国人社員だけでなく、
日本人同士のやりとりにおいても、
業務の正確さやスピードの向上につながります。
外国人社員とのコミュニケーションは、
少しの工夫で大きく変わります。
しかし実際の現場では
「どこから改善すればいいかわからない」
「自社に合った方法が知りたい」
という声も多く伺います。
もし、外国人材の育成や職場でのコミュニケーションに
課題を感じていらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
現場に合わせた具体的な改善方法を、
一緒に考えさせていただきます。



