孫に贈与、ただ介護費用も心配
こんにちは。行政書士 ファイナンシャルプランナーの河村修一です。
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介護費用のご準備は早めに対策を！
本日はご相談事例を2つご紹介いたします。ご相談者の多くは、息子さんや娘さんになります。またその方々のほとんどが、突然、親御さんが介護になって費用が大変という例が多いのが現状です。親御さんが介護状態になった場合でも、親御さんに判断能力があれば親御さんの自宅等の資産を活用して介護費用捻出の対策は可能になります。しかしながら、親御さんの判断応力がなくなると親御さんの資産等は活用できず、息子さんや娘さんが介護費用を負担せざるを得ません。このことからも、親御さんの介護費用の対策は、親御さんがまだまだ元気である「今すぐ」です。一方、子世代である息子さんや娘さんも、早めに介護費用について考えておくと介護費用対策の選択の幅が広がります。でなければ、ご自身のお子様やお孫さんへまで負担が及ぶかもしれません。今後の資金計画には「介護」を想定しておくことは大切な要素ではないでしょうか。
CASE1 親御さんが転倒で介護かも
80歳前半の親御さんが、先日、転倒したため介護老人保健施設（以下、「老健」という）に入所するかもしれないのでお金が不安とのご相談。親御さんは年金が50万円くらいで、少し貯金がある程度です。親御さんは相談者の弟さんと一緒に暮らしています。弟さんは引きこもりで仕事はしていませんでしたが、数年前から仕事をはじめ収入は月に13万円くらいあります。ここで万一、親御さんが介護老人保健施設（以下「老健」という）した場合には、施設代がかかり、同居の弟さんは自分で食事や洗濯等の家事等を行わなければなりません。相談者の方は、母親の施設代等のお金が足りるのか、弟さんは仕事を続けられるのか心配になり、相談にいたりました。そのときに相談者の方は、親御さんの介護を想定し、早めに介護費用等の対策を考えておけばよかったとおしゃってました。
CASE2 思わぬ負担増の法改正と両親ともに介護
70歳後半の父親（介護認定を申請中）はひとり暮らしをしています。元気だった母親（80歳）が、少し前に突然倒れ、介護老人福祉施設（以下「特養」という）に入所しました。相談者は40代前半の息子さんです（※介護保険法の2015年改正を受けてのご相談でした）。相談者である息子さんは父親が支払っている医療費相当額（約5～6万円）を毎月仕送りしており、何とかやりくりをしています。ところが、介護保険法の改正があり、特養の食費・居住費（補足給付）の基準の見直しで、母親の介護費用が倍近くになりこれ以上の仕送りが苦しいとのご相談でした。相談者の方は、介護保険法の改正で負担増になったこと、両親がともに介護状態になることが予想外だったと漏らしておられました。
（※CASE1,2ともに実例をもとにわかりやすくするため加工編集していますのでご了承ください）
まとめ
このように介護は突然襲ってきます。しかも、想定外のことが起こりえます。介護保険制度は3年に一度の改正があります。2020年9月24日付けの日本経済新聞の朝刊（経済教室）の欄にも結城淑徳大学教授の記事が載っていました。私が気になった箇所は、介護人材の不足が地域に関係なく介護サービス全体に及んでおり、この状況が続くと介護事業者側が利用者を選別する事態が起こりうる、また、介護人材不足が解消しなければ介護崩壊も招きかねないとのことでした。「高福祉・高負担」の介護施策も選択肢として必要に値するとの見解でした。このように、まだまだ介護保険制度は変わる可能性があることは念頭においておくべきでしょう。いずれにしても元気なうちや早いうちから介護費用の準備をしておくことが選択肢の幅を広げる意味においても必要ではないでしょうか。
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