『心からの称賛の気持ちを君たちへ』
こんにちは、与一の井上です。
寒いですねぇ…。先週私もしばらくぶりに高熱を出したのですが、大詰めを迎える中高生には是非体調に気を付けてもらうと共に、自分自身もしっかり気を付けていきたいと思います。
中高生の英語の勉強って何をしたら良いと思いますか?単語を覚える、文法を勉強する、リスニングの練習をする…色々とするべきことはあっても、どれから手を付けて良いかわかりませんよね。
そんな人にお勧めなのが「音読」と「英作文」です。多少大げさに言えば、これらさえ勉強しておけば他の勉強はしなくて良いと言えるほど、一見関係の無さそうなスピーキング力やリスニング力さえもこの2つによって養うことができます。
今日はその中でも「英作文」について話をしたいと思います。
英作文の練習をする意義 その①
まず大前提として、日本の中高生は英作文の練習をする機会が少なすぎます。大阪の某塾の講師も言っていましたが、大阪大・京都大などのいわゆる難関大学を受験する子達ですら、英作文のレベルは想像の1~2レベル下、ということは私達からするともはや常識とも言える事実です。
私の指導している子も同様で、英作文を受験に使う子は基本的に「英語が得意」な子です。にもかかわらず実際に書かせてみれば、良くて高1生レベル、悪くすると中学生レベルの文しか書けない子がほとんどです。
中学校では教科書をみんなで読んで内容を理解し、新しい文法を学び、基礎学や入試前には一生懸命長文問題に取り組む。
高校では大量の文法事項を習い・暗記し、高2以降では構文などを勉強しながら英語を日本語に訳す練習をし、やはり受験に向けて長文問題を解く。
どこにも英作文の勉強が入る余地はありません。勿論意識の高い先生には積極的に授業でも取り入れる方もいらっしゃいますがそれも単発で終わることが多く、意識の高い生徒には自主的に勉強する子もいますがやはり数は多くありません。
このようにそもそも「勉強する機会がない」状態で、英作文ができる子が育たないのは当然です。
大学入試のみならず、高校入試に向けても「英作文の力を付けるためには英作文の練習をするしかない」のです。
英作文の練習をする意義 その②
次に英作文の意義は、よく言う英語の四技能(読む・聞く・書く・話す)の内、能動的な力を養うことによって、英語を発信する力が付き、「本当に」英語を得意とすることができることです。
言われて久しい「日本人が英語を話せない」問題の根幹は、私は「話す」ではなく「書く」機会の少なさにあると考えています。
よく考えてみてください。時間をかけてじっくり考えて「書けない」ものが、いざ目の前の相手とほぼ考える時間なく「話す」ときに、口から言葉が出てくると思いますか?お祝いやお悔やみの言葉を伝えるとき、口頭で伝えるのと手紙を書くのではどちらがより適切な言葉を伝えられると思いますか?
このように英語を使う上で「話す」よりも「書く」力は手前にいて、後々「話す」ためには「書く」力が不可欠であるにもかかわらず、先に述べた「文法・和訳・長文・リスニング」という「受動的な」勉強ばかりしていては、「話す」はもとより「書く」力すら養われません。
逆に言えば「書く」練習をすることで今までの受動的な勉強を能動的なものに変えることができ、より自信を持って「英語が得意」と言えるようになることは間違いありません。
それにより〈英語に自信をもつ→英語が好きになる→英語をより使おうとする→英語を話そうとするor英語を使った仕事につく〉といった好循環を生むことまで期待できます。
英作文の練習をする意義 その③
最後のメリットは、ずばり英作文の勉強をすることで「単語」「文法」「長文」「リスニング」といった、英語の力を付けるに必要な知識や能力を全て養うことができることです。
単語や文法が勉強してもイマイチ定着しない一番の原因は、インプットばかりをしてアウトプットを行わないことにあります。どんな単語や文法を使おうと頭をひねり一生懸命考えたものは、例え添削して間違いであったとしても、その正しい答えと共に記憶に残っていきます。一方同じ「見る」という日本語訳をするsee / watch /look atの区別をいくら何回聞こうとも、実際に文章を書いて使ってみないことにはその違いは実感しづらく、使うたびに手を止めて考えるという段階を抜け出すことはできません。
長文を読むのが苦手な子は、つまるところ上手に頭の中で英語→日本語の変換が行えないのですが、これも自分で文を書くことによって英語の文構造がより正確に理解できるようになり、結果長文を読むのが上手くかつ速くなります。
リスニングに苦労する原因は複数存在しますが、日本人が直面する大きな壁はずばり「日本語と英語では語順が異なる」ことです。これもやはり数多くの英作文練習によって克服できます。俗に言う「英語脳を作る」ということです。英語を英語のまま理解するためには、この英語の語順を一々頭で考えなくても自然なものと受け止められるようにならなければならないのです。
このように「英作文の力が付く」「英語が得意になる」「英語に必要な全ての力を向上させられる」という大きな大きなメリットが英作文の練習にはあることを是非知っておき、少しでも上手く勉強するきっかけとしてくれたらとても嬉しく思います。
というよりも自分で「英語が得意」またはうちの子「英語が得意」だと思っている人は一度実際に10問程度英語の文を書いてみてください。嫌な言い方ですがそこで初めて「思ったより英語ができない」ことに気づけますよ。
でも英作文の練習ってどうやってしたらいいの?と思いませんか?
次回はこの「英作文の練習」の仕方についてお話します。