遺言作成のポイント2
遺言者が自分で書く遺言書を、自筆証書遺言と言います。全文を自分の手で書く、つまり自筆でなければなりません。
ほかにも細かいルールがあります。この自筆証書遺言を無効なものにしないための注意点を見てみましょう。
「自筆証書遺言」とは全文自筆で書く遺言書のこと
自筆証書遺言は、遺言者が自分で遺言を書くものです。費用もかかりませんし、文例や書き方を解説した本も多く出版されていますから、遺言の必要を感じた方がまず選択する方式と言えるでしょう。
しかし、自筆証書遺言には、全文を自筆で書く、作成した日付を記入するなどのルールがあり、これを満たさない遺言は無効になってしまいます。
自筆証書遺言は代筆やパソコンを使って作成すると無効になる
自筆証書遺言の書き方と自筆証書遺言が無効になる例を見ていきましょう。
(1)自筆証書遺言は、全文を遺言者本人の手書きでなければなりません。誰かに代わりに書いてもらったり、パソコンなどを使用したものは無効になります。(遺言の一部に代筆、パソコン使用部分があっても無効になります)。
(2)作成した日付は必ず記載します。年月日は、たとえば「平成28年10月20日」というようにはっきり日付が特定できるようにします。「平成28年10月吉日」という書き方は無効になってしまいます。
(3)財産の記載は、正確に、きちんと特定できるようにします。不動産であれば登記簿の記載どおりに、預貯金は金融機関名・支店名・口座番号を記載します。
(4)遺言を書き終えたなら、遺言者の氏名を書き、押印します。署名と押印がない自筆証書遺言は無効です。
(5)また、遺言は「2人以上の者が同一の証書で作成することはできない」と民法で規定されています。2人共同で書いた自筆証書遺言は無効です。
自筆証書遺言の封印と保管
(6)自筆証書遺言は、封印がなくても無効とはなりません。しかし、偽造などを避けるためにも、封筒に入れて封をし、実印で「封印」しておくことをおすすめします。
(7)書き終えた遺言の保管も大切です。遺言書は遺族に見つけてもらわなければ意味がありませんから、わかりやすい場所に保管しましょう。貸金庫など安全な場所への保管するのもいいでしょう。