ホントは怖い「スマホ脳」

田中義治

田中義治

テーマ:IT関連

皆さんこんにちは。
何年か前に、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の『スマホ脳』(新潮社)がベストセラーになりました。
本書では、スマホの便利さの裏側で脳が悪影響を受け、うつリスクが高まったり、集中力が保てず学習効果が低下するなどが指摘されていました。

あれから3、4年程経ったと思いますが、振り返りも含めて少し書いてみたいと思います。

日本人のスマホ依存度は世界3位

ハンセン氏の研究結果では、現代人がスマホに触れる頻度と回数は10分に1回。
タッチ回数は1日平均2,600回だそうで、日本人がスマホアプリに費やす時間は、なんと1日あたり平均4.8時間というから驚きです。
このようなことから、日本人のスマホ依存度は世界3位の高さなのだとか。

私は通話以外では、1日平均で約15分程度しか使っていないので、この結果には少々驚いた次第です。
世代的にかも知れませんが、PCの使用時間の方が圧倒的に長く、こちらがメインなのが原因と考えられます。
家にTVも置いていないので、余計にPCへの依存度は増えているかも知れませんが、別に今に始まったことではありません。(笑)

あと、誉められたことではありませんが、たまにスマホを家に置き忘れることもチラホラあり、その時に気になるのは電話着信の有無です。(汗)

PCは画面が大きいので見やすく、文字を打つのもキーボードの方が圧倒的に打ちやすいです。
しかし、外出先で移動しながら使用する際は、必然的にスマホを触るようになるでしょうから、このあたりは各々の置かれた環境に依存するところでしょうね。

スマホ依存と脳の変化

さて本題に戻りますが、もしスマホ依存になっていた場合、どのような脳の変化が起こるのか?ということですが、次のような実験結果があるそうです。

スマホ脳という状態になっている場合、ポケットやバッグにスマホが入っているだけで、10分間隔という短い時間で定期的に意識がそこに向かうのだそうです。
しかも、電源が入っていてもいなくても変わりなく、無意識で起こります。
さらに自分が所持していなくても、他人のスマホが視界に入るだけで同じ事象が起こるのだそうです。

例えば何かに集中している時に、途中で意識の中断が発生する度に、再度もとの集中状態に戻すには一定の時間を要するので、無駄なタイムラグが発生します。
そしてまた集中力が戻った後も、10分という短いスパンでスマホに集中力を割かれ、、、といったことを繰り返すことになります。

脳で常駐メモリーを消費

これを分かり易く説明すれば、脳で常駐メモリーが常に消費されている状態に置かれることになり、10分毎にLinuxでは「cron」、Windowsでは「タスクスケジューラー」でスケジュールされたプログラムが起動するような状態ということです。
当然、本来発揮できたであろうパフォーマンスが削がれます。

スマホ的に例を挙げると、よく分からないアプリが常駐メモリーを消費しながら起動していることがありますが、あれと全く同じ状態です。
機械であればメモリーを仮想或いは物理的に拡張可能なこともありますが、人の脳はメモリーを拡張できません。
そして集中力の低下は、勉強にも仕事にも悪影響を及ぼします。

太古からのサバイバル

どうしてそうなるのか?については、太古の昔、人間は危険を察知するために、周囲に気を配り脅威となる動物や敵がいないか?と警戒をしたり、落ちている木の実を探したりしていました。
ほとんどの場合は何事もなかったのでしょうが、何事も変化がなく「変わらず良かった」や、変化があった場合は「確認して良かった」ということで、その度に脳にはドーパミンという報酬系の物質が与えられます。
またそのような危険察知能力を持った者達が、自然のサバイバルの中では生き残ってきました。

裏を返せば、一つのことに集中し続けるという能力は、自然のサバイバルの中では生存率を下げる結果に繋がったのかも知れません。

現代では上記のような過度なサバイバリティが無くても生存できますが、逆に勉強や仕事では集中力が必須なのは確かなことなので、色々と考えさせられるところですね。

本書とは別の研究結果ですが、歩きスマホは危険な行為ですが、それだけではなく『運を悪くする行為』でもあるようです。
これについてはまた時間があれば書いてみたいと思います。

さて、ちょっと余談ですが、先日この話をある高校の校長先生にお話したところ、大変興味を持っていただき「成績を上げたい生徒に有効な方法かも知れない!」と言葉をいただきましたので、次のようなアドバイスをさせて頂きました。

実際に行う場合は、
・クラス単位で行うこと
・スマホの電源を切り、ロッカーなどで保管し完全に隔離する
・他人のスマホでも、一切視界に入らないようにする
多くの生徒が今よりも成績が上がり、第一志望の大学に進学出来れば良いですね。^^

このようなコラムが、少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。

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田中義治
専門家

田中義治(ITコンシェルジュ)

株式会社ハルシステムコンピューター

これまでの多種多様な経験を通じて、貴重な学びと豊富な実績を積み重ねてきました。クライアント様の課題には常に真摯に向き合い、解決の先にある成功の喜びを、共に分かち合えることを目指しています。

田中義治プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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