ABC理論で感情のコントロール

福山研一

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社員の定着促進には、社員同士の相互理解、良好な人間関係も重要な要素になるといわれます。

ただし、それを阻害するものとして、
例えば、中途採用者の場合では、これまでの企業文化の違いから、仕事上の常識にすれ違いが生じたり、新入社員の場合では、いつの時代にも言われることですが、若い世代の考え方・価値観が分からなかったり、そうしたことで、イライラしたり、お互いに居心地の悪さを感じてしまうこともあるかもしれません。


そこで、今回は、こうした感情が生じるメカニズムや、コントロール方法に関する理論の1つ、ABC理論をご紹介致します。


ABC理論とは、
感情がどのようにして起こるのかを3つの要素で表した、論理療法の主要な理論のことです。

そして、この3つの要素というのが、以下のA・B・Cの頭文字で示される3つになります。

Activating event(出来事)
  ↓
Belief(信念・捉え方)
  ↓
Consequence(結果・反応)



例えば、会議に社員が遅刻したことで、怒りを感じる場合、
実は、これは、社員が遅刻したという「A:出来事」が、怒りという「C:反応」をもたらしたのではなく、遅刻する社員はやる気がないという「B:捉え方」によるものといえます。

つまり、以下のようになります。
A(出来事)会議に社員が遅刻
  ↓
B(捉え方)遅刻する社員はやる気がない
  ↓
C(反応)怒りを感じる


同じ出来事・事象でも、捉え方が違うと以下のように感じる人もいます。
A(出来事)会議に社員が遅刻
  ↓
B(捉え方)遅刻するくらい業務逼迫の可能性
  ↓
C(反応)心配になる


相手の言動にイライラしたり不信感をもったりするのは、その出来事(A)ではなく、自分の捉え方(B)によるものなので、自分次第でコントロールができるとも考えられます。

もし、部下に対して、上司に対して、会社に対して、こうあるべきとか、こうすべきものとか、もし固定観念や思い込み、決めつけのきらいがある場合は、少し柔軟にしてみることで、受ける感情(C:結果・反応)も変わってくるかもしれません。


まずは自分からになるかと思いますが、社員の各々がこうした理論を知り、お互いに相手への接し方が変わると、人間関係も良好になり、社員定着率も上がっていくと思います。
ぜひお試しください。

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