結婚2,3年目のに喧嘩によくある勘違いに夫が下した三行半の行方は・・・

夫婦の相談を受けていると、
「妻が子どもを望まない」という悩みを耳にすることがあります。
その理由は決して一つではありませんが、
中には“深い心の傷”が背景にあるケースがあります。
今回ご相談に来られたご夫婦も、まさにその一例でした。
■幼少期のDVが残す深い影響
妻は幼い頃から母親からの暴力を受け続けていました。
学校に通うことさえ許されず、高校も母親の強制で退学。
夜の仕事をさせられ、自分の人生を選ぶことができなかった——
そんな過酷な環境で育ってきたのです。
このような経験を持つ方は、
「自分が親になったら、同じことをしてしまうのではないか」
という強い恐怖を抱きます。
それは、
“子どもを望まない”のではなく、
“子どもを傷つけてしまうかもしれない自分が怖い”
という心の叫びなのです。
■「母になる資格がない」と感じてしまう心
妻は学歴へのコンプレックスも強く、
社会的なつながりもほとんどありません。
友人と呼べる存在もなく、
日中は猫とだけ過ごす日々。
夫が話しかけても「今は話したくない」と背を向けてしまう——
その行動の裏には、
「自分は夫にふさわしくない」
「捨てられるかもしれない」
という深い不安が隠れています。
虐待を受けて育った人は、
“見捨てられ不安”が非常に強く、
相手の表情や言葉の端々から危険を察知します。
夫が子どもの話題に焦りを見せるたびに、
妻は「私はもう必要ないのだ」と感じていたのでしょう。
■夫の焦りと妻の恐怖がすれ違いを生む
夫は40代を目前にし、
周囲の友人たちが子育ての話をする中で、
自分だけその輪に入れない寂しさを抱えていました。
「子どもが欲しい」
「家族を持ちたい」
その気持ちは自然なものです。
しかし、妻にとってその言葉は
“自分が選ばれない未来の予兆”
として響いてしまいます。
夫の焦りと妻の恐怖——
この二つが重なり、夫婦の距離は少しずつ広がっていきました。
■「子どもを望まない」という選択は、怠慢ではない
今回の妻のように、
幼少期のDVや強制的な環境で育った方は、
母になることに強い恐怖を抱くことがあります。
それは、
「自分は母親として失格だ」
「子どもを守れないかもしれない」
という深い自己否定からくるものです。
決して怠慢でも、わがままでもありません。
その選択は、
心の傷が叫んでいるSOS
なのです。
■夫婦が向き合うために必要なこと
今回のご夫婦は、
妻が唯一心を開ける存在である父親との関係を再確認し、
夫自身も心の治療を受けることから始めることになりました。
そして、妻にも
「あなたを責めたいわけではない」
「一緒に心を整えていきたい」
という言葉を丁寧に伝えながら、
治療の必要性を話していく予定です。
別居も“離れるため”ではなく、
“お互いを見つめるための時間”として提案することになりました。
■最後に
子どもを望まない理由は人それぞれですが、
その背景に“心の傷”がある場合、
表面的な言葉だけでは決して理解できません。
大切なのは、
その人がどんな環境で育ち、
どんな恐怖を抱え、
どんな不安と共に生きてきたのか——
その「心の背景」に寄り添うことです。
今回のご夫婦のように、
丁寧に向き合い、
少しずつ心の安全を取り戻していくことで、
夫婦としての未来は必ず見えてきます。


