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相続の豆知識・17 ”負動産”の相続と空き家対策

鈴木じつ子

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~“資産”が“負債”になる時代に、どう備えるか~


かつて「不動産を持つこと=豊かさの象徴」と言われた時代がありました。
しかし今、少子高齢化と地方の人口減少が進む中で、不動産は必ずしも「プラスの財産」とは限らなくなっています。
相続の現場では、「誰も住まない家を相続して困っている」「売りたくても売れない土地を引き継いだ」という相談が増加しています。
このように、維持費ばかりがかかり、使い道のない不動産のことを、近年では「負動産(ふどうさん)」と呼びます。
今回は、この「負動産」の相続と空き家問題について、税理士の立場から考えてみましょう。

詳しくは、ぜひたくえす税理士法人までお問合せください。
https://suzukisouzoku.com/
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■ 「負動産」とは?

負動産とは、一言で言えば「持っているだけで損をする不動産」です。
市場での需要が少なく、買い手がつかない土地や建物、老朽化した空き家、転用の難しい農地などが代表例です。
こうした不動産を相続すると、次のような問題が起こります。

•固定資産税などの維持コストがかかる 
 使っていなくても、土地・建物には税金がかかります。
 特に空き家は、敷地の「住宅用地特例(固定資産税の1/6軽減)」が外れるリスクもあります。
•老朽化による危険や責任リスク
 管理が行き届かない空き家は、倒壊・火災・不法侵入などのトラブルを引き起こす可能性があり、損害賠償責任を問われることもあります。
•売却・処分が難しい
 地方や山間部の土地は需要が低く、「売るに売れない」というケースも少なくありません。
•相続人間のトラブル
「誰が管理するのか」「費用は誰が負担するのか」で意見が分かれ、遺産分割協議がこじれる例も見られます。

このように、相続した時点で“マイナスの資産”になり得るのが負動産の怖いところです。
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■ 負動産をめぐる最近の制度と活用のポイント

 国もこうした現状を重く見て、負動産・空き家問題に関する制度を次々と整備しています。
 主なものを簡単にご紹介します。

● 相続土地国庫帰属制度(令和5年4月施行)

「不要な土地を国に引き渡す」ことを可能にした新制度です。

ただし、
 •建物がある場合は対象外(更地にする必要あり)
 •境界が明確でない土地や、管理・修繕が必要な土地は不可
 •審査手数料と、10年分相当の管理費用(おおむね20万円前後)が必要
など、要件が細かく、誰でもすぐに利用できるわけではありません。
制度の可否を判断するには、税理士や司法書士、不動産業者との連携が重要になります。

● 空き家対策特別措置法

放置された空き家が「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇が外れ、税額が最大6倍になることも。
また、行政から修繕・解体を求められる場合もあります。
管理を怠ると“税金も責任も重くなる”点に注意が必要です。

● 自治体の空き家バンク制度

各自治体が、空き家を「貸したい人」「買いたい人」に紹介する仕組みです。
登録すると、移住希望者やリフォーム事業者とのマッチングが期待できます。
売却や利活用の可能性が広がるため、放置するよりも早めの活用が望ましいでしょう。
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■ 税理士ができること

負動産の問題は、単に不動産の「管理」だけでなく、税金の問題が深く関わってきます。
税理士として、次のようなサポートが可能です。

 •不動産の相続税評価と、将来の税負担シミュレーション
 •売却・贈与・放棄などの各選択肢を比較した税務アドバイス
 •空き家売却時の「3,000万円特別控除」適用の確認と申告支援
 •相続土地国庫帰属制度を利用する際の税務整理と申請サポート
 •相続発生前の生前対策(家族信託・贈与・遺言書の活用)

たとえば、「実家を相続したが、維持が難しい」というご相談であれば、
解体・売却・国への引き渡し・親族への贈与など複数の方法を比較し、トータルで最も負担の少ない選択肢をご提案します。
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■ 負動産を“負”で終わらせないために

「相続した土地をどうするか」は、感情の面でも大きなテーマです。
親が残した家や土地には思い出があり、簡単に手放せないという方も多いでしょう。
しかし、誰も使わないまま放置すれば、管理費や税金だけでなく、将来の相続人へ負担を先送りすることになります。
大切なのは、「相続が発生してから慌てて考える」のではなく、相続前から家族で話し合うことです。
「この土地はどう活かせるか」「売るべきか」「国に返すべきか」を冷静に検討し、
専門家のアドバイスを受けながら、最適な形を見つけることが安心につながります。

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■ まとめ

負動産の問題は、もはや一部の地方だけの話ではありません。
都市部でも「空き家予備軍」と呼ばれる不動産は増えています。
「資産」だと思っていた不動産が、思わぬ負担になる前に、早めの対策を取ることが何より重要です。

たくえす税理士法人では、安心して相続に備えることができるよう、
不動産・相続・税金の三つの視点から、最善のサポートをご提供いたします。
負動産の相続や空き家対策でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
専門知識と地域の実情を踏まえ、最適な解決策をご一緒に考えてまいります。

ぜひたくえす税理士法人までお問合せください!
https://suzukisouzoku.com/

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