薬剤師が答える“飲み方の疑問”19選 ― 効果を最大にする正しい服薬ガイド A Pharmacist Answers 19 Common Questions About How to Take Your Medicine — The Right Way for Best Results
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
お仕事ってなんでしょうか?薬剤師という医療職に就きながらも、この仕事も顧客サービスの一環であることは間違いなく、常により良いサービスのために自分が何をできるかを考える日々を送っております。
薬剤師として当然、お薬の専門家としての務めがあることがメインではあります。でもこのことは、お薬の勉強だけしていればいいということを意味しません。お薬というメガネを通して患者様を見るのですが、その先に何を見据えているのかが大事。
今日は、普段私どもがどのような点について考えながら仕事をさせて頂いているのかを紹介させていただきたいと思います。
Ⅰ.業務改善
1.薬局ならびに薬剤師の本分を見定める
薬剤師の働きって、意外と?細かな作業が多いものです。
1)薬剤師の仕事は細かい
お薬そのものが小さいので、その取り扱いは常に注意を必要とします。それなのに1錠、100円するのは当たり前。錠剤にしても、中には崩れやすいものもあり、その処理に注意が必要なものがあります。
こういったお薬の管理運営は薬剤師業務の中でとても重要なもので、限られた資本の中で、いかに無駄のない在庫管理をしていくか?が普段から問われています。
細かな在庫の動きに気を配り、患者様が処方箋を持って来られた時に出来るだけ不足の生じないように気をつけています。
2)薬剤師は「医療の担い手」
ただ、薬剤師の働きは、医薬品の管理ではありません。
かつてはそのように受け止められていた時代もありましたが、1994年の医療法第2次大改正において、薬剤師が「医療の担い手」として明記されるようになりました。
医療法第一章 総則
第一条の二 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。
また2006年の第5次医療法改正では、調剤薬局が明確に医療提供施設として位置づけられました。
第一条の二
2 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等において、医療提供施設の機能(以下「医療機能」という。)に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。
薬剤師は医療者の1人で、薬局は医療機関であるということ・・。
今では当然のことのようにも感じられますが、それまで漢方薬を取り扱っていた薬局ならびに薬剤師という立場が、西洋から導入された現代医療の現場において明確に医療の担い手として位置付けられるまでには長い年月を必要としたわけです。
3)「公衆衛生の向上並びに増進」に努める
この薬剤師ならびに薬局という器官は、薬剤師法では次のように定義づけられています。
「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保すること」(薬剤師法第1条)
「公衆衛生の向上及び増進」という文言は、とても抽象的にも感じます。何か、普段の私たちの働きとはかけ離れたような印象さえ受け止めかねません。
薬剤師が普段、その業務として行なっていることは、患者様が持って来られる処方箋に基づいてお薬をお渡しするということです。
つまり目の前の患者様の疾病治療を、お薬を介して治療する働きです。この働きが99%を占める。
では、目の前の患者様の疾病治療に携わるということで、本当に公衆衛生の向上ならびに増進に寄与できているのか?
この点で分かりやすいのは、この数年、世界経済のあり方そのものにも大きな影響をもたらしてきた新型コロナウイルスの蔓延でした。
未知のウイルスの蔓延に日本中が混乱しました。マスクが足りなくて、私たち医療者といえども、業務で使用するマスクの確保に苦労しました。手指の消毒液の保持さえも難しい局面もありました。有効なワクチンが開発されるまで、私たちは、自分の無力さを実感することもありました。
しかし新型コロナウイルスといえども、実際、罹患する人と罹らない人という区分は確実にありました。
喫煙を避けることの重要性、基礎疾患治療の意識づけ、健全な食事睡眠の重要性を伝えること、そして正しい感染症予防の知見を広めることなど、普段の服薬指導の際に私たちができることも決して少なく無いことを感じました。
結局は、普段からの、健康への小さな心がけの積み重ねがとても大切である。結局、私たち薬剤師の服薬指導の目指す目的はこの一点に行き着くのだと思います。
一人ひとり個性の違った目の前の患者様の薬物治療を、より実りある者とするために、日々、学び、経験を積んで、それを患者様に還元していくこと。曖昧な知識を詰めて正確なものとし、正確な服薬指導を目指していくこと。
この繰り返しにおいてこそ、市町の保健衛生における私たちの存在感が示せることを肝に銘じます。
4)本分(ほんぶん)を見失わないようにする
中学生の時に国語の教科書で『車掌の本分(ほんぶん)』という物語を読みました。
遊園地の「モンキートレイン」を運転する運転手と、その後方でトレインの安全管理をする車掌を務める老齢のサル。しかし利用者の増加とともに無理が生じ、サークル状の線路の運行で運転手が自分の後方に位置する状況に「これでは車掌の本分が務め得ない」と苦悩するのです。
幸い私たち薬剤師の多くは、やりがいを感じつつ、この仕事に日々、向かっています。
しかし、病院、看護部門、ケア部門と、多くの医療従事者と関わる中で、自分の務めがなんなのか、普段から明確に意識して自分のなすべき事柄を遂行していくために、薬剤師法第1条で謳われている事柄を黙想していくことが大事であると思わされています。
2.作業の効率化を図る
作業の効率化の目指すところは、生産性の向上です。その点において、私たち薬剤師も、他の仕事に従事する方々と同じ地平に立っています。
1)薬剤師にとっての「生産性の向上」
ただし、薬剤師にとっての「生産性の向上」ってなんでしょうか?単位時間あたりに、どれだけの処方箋を処理できたか?に関わることなのでしょうか?
疾病を抱えている患者様を不用意に薬局内でお待たせすることは問題です。感染症に対する配慮も今は必要です。
でも、的確な服薬指導をそっちのけで、右から左へと処方箋を流していくかのように事務的な処理を行なっていくような働きは、薬剤師が目指すべき生産性なのではありません。
薬剤師にとっての「生産性の向上」を目指す上での前提は、有限な人的資本と時間的資本の中で、自分の処理するお薬ならびに服薬指導を通して、少しでも患者様が健康的な生活を送れるように幅広くサポートしていくことです。
この働きがうまくいけば、結果として多くの人に利益をもたらしていく事ができる。
2)健康日本21のテーマと向かい合う
厚生労働省が、これから日本人が目指していくべき健康的な生活に関して、「健康日本21」という名目でさまざまな健康にまつわる分野の目標設定がなされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/001426890.pdf
健康寿命を伸ばすこと、健康を害する喫煙などのリスク啓発、成人病の発症を防ぐための食事並びに運動の指南など。
ここで謳われている事柄は、そのまま、私たち薬剤師が日々の薬事衛生の働きに相手目指すべきテーマであると言えます。
3.スケールを調節する
仕事は大きなものであれ小さなものであれ、その取り組みを通して利益を生み出していくことです。
ですが事業のスケールを大きくすることには人件費が伴います。
そこで使える人材を活用してスケールアップを適度に進めていく必要があります。
課題は、人材の労働時間には限りがあるということです。
首都圏のスタートアップ企業では、かつてのバブル時代の会社のように、労働時間を無視した働き方が一部なされているようです。
できるだけ若くて無理の効く二十代に、責任ある、経験の積める仕事に携わることは、それ以降のキャリア形成にとってとても重要なことだと思います。
でも時間を投下すればそれで良いというわけでも無いでしょう。他のことを犠牲にして仕事に打ち込むことを否定するつもりはありませんが、人の人生はそれに留まらないはずです。
今の時代であれば、AIの活用を通して時間と人手のかかる部分をコンピューターに任せていくことが有効です。
このようなことは薬局業界でも同じこと。人材を雇用することよりもAI技術を活用する方が費用が抑えられる面が多くあります。
たとえば一包化の処理における自動分包機の活用。
これを人手でやろうとすれば、大変な作業となる上に、ヒューマンエラーも起こりやすい。機械もエラーを起こしますが、人間よりもはるかに正確性があります。
薬剤棚からお薬をピッキングした時にも、目視で確認するのは当たり前としても、シートについてあるバーコードをiPadに読み取らせて処方箋の内容なら照会すれば、かなりミスを防げます。
そうすれば人手によるチェック事項は、錠剤の数や、破損の有無など、感覚的に出来る部分に割り振ることが出来ることになります。
在宅のお薬の配薬は、Excelを活用して、数式を打ち込んで、往診予定日などを確認すれば、処方箋の授受漏れを防ぐことができます。配薬の末日を一覧表示させておけば、患者様のお手元にお薬がなくなってしまう可能性を抑えることができます。
こういった作業を一々人間の判断力に依存させることは、かなりの負担を生じさせてしまう。つまり事業を大きくするためには、必要な人材の確保と、適切なAIの有効利用が不可欠です。
事業のスケール(大きさ)は、それ自身、社会に対する貢献度をある程度、決定するもの。自社の社是(会社事業の目的や価値観)をもって社会に貢献していくことが、会社に所属する人材の幸福度にも大きな影響を持つのです。
II.薬剤師としての専門性を高める学び
1.学習会に参加する
薬剤師に向けて様々な勉強会が開催されています。何より勉強会の良いところは、それに参加することで強制的に一定時間、特定の分野の事柄に気を向けることが求められる点です。
自分1人で勉強していると、学びが得意分野に傾いてしまったり、ついつい、目の前の優先事項に気を取られてしまうものです。
でも学習会に参加した仲間たちで情報を共有したり意見を出し合ったりすることで、仲間の知見も参考にしつつ、自分を高めていくことができるのです。
2.認定制度を活用する
薬剤師には様々な認定制度があります。腎臓病であったり糖尿病であったり、様々な団体が基準を用意している制度で認定を受けることが出来ます。各種の「認定薬剤師」として、たとえば病院の病棟薬剤師の方々が、自分の担当する病棟での働きのためにこれを取得しておられます。
認定を取ったからと言って、その薬剤師が良い仕事をするとは限りません。逆に認定を持っていない薬剤師であっても素晴らしい働きをしている方もいます。
でも、認定を取るということにはそれなりのハードルを超える必要があり、その過程で求められる基礎的な学習の機会が、薬剤師としての成長を促してくれるものということができます。
3.基本書を読む
すでに触れたように、現場に出たらなかなか、基礎的な学習の機会を得ることは出来ません。学習会や認定制度へのチャレンジなど、特別な意識を持つことが求められます。
ただし、自分で取り組むことの出来る学習の1つが、言うまでもなく教科書(基本書)を読むということです。
大会だった知識を得ることができる教科書は、大学での学びで卒業なのではありません。私も、一年に一度は薬理学ほかの基本書を読む機会を設けています。
基本書には「基礎的な事柄」が体系的に記載されているので、その分野に関してある程度習得すれば、その読者は、刺激の少ない体験となってしまいます。
でも、1年も経てば、結構、基礎的なことを忘れているものです。
そのような中で、現場に出て経験を積めば、なんとなく読み過ごしていた教科書の記述の意味を深く理解出来るアハ体験もあります。アハ体験とは、自分の中にある別々の事柄や理解が何かのきっかけで繋がるような出来事のことです。
現場に普段出で仕事をしていると、日々、多くの雑務に追われます。重要性は置いておいて、どうしても対応しないといけない事案も少なくありません。いえ、むしろ仕事とはそういうものとも言えます。
ですから、そういう中にあって基本書を腰を据えて読むということは、哲学との取り組みに近いとも言えます。
現場ではもしかしたら求められていないかもしれないお薬の作用の機序(働き方)について思いを巡らし、有機的に考えること。薬剤師の判断力の育成のためには、そのような定期的な取り組みが不可欠と言えると思います。
Ⅲ.教養を高める
薬剤師といえども、お薬について勉強していれば良いというものでは当然ありません。新聞を読んだり、ゆっくりと文学作品に親しんだり、あるいは普段の仕事を離れて、改めて「仕事とは何か?」について考えてみたりすることで、思いもしなかった自分の盲点に気がついたりするものです。
1.新聞を読む
新聞は、いろいろな意見はあるでしょうがやはり私は地元新聞が1番だと思います。
自分の生活に直結する世界の動きを文字と写真で情報として得ておくことは、生活の知恵を得る上で大切だ思います。
世界的なベストセラーとして知られるS・コヴィー氏の『7つの習慣』という本には、人には「関心の領域」と「影響の領域」の2つがあると紹介されています。
「関心の領域」とは、自分が関心を持って情報を集めている世界の事柄です。アメリカで活躍する大谷選手を応援することは、少なくとも大谷選手にはほとんど影響をもたらすことがないという点では「関心の領域」にあるものです。
でも、たとえば地元のエスパルスやジュビロ磐田の試合でホームゲームに駆けつけて、直接選手を応援チャントすることに加わることは、もしかしたら「影響の領域」に入る事かもしれません。仕事の人間関係や町内会の活動もまた、「影響の領域」な事柄です。
そして著者のコヴィー氏は、この影響の領域の事柄に集中することが成果を出す上で重要なことだと言う。
地元新聞で得る情報は、自分の「関心の領域」と「影響の領域」の出会う場所を見つけることにつながります。
そしてもしも「関心の領域」確かなかったところに、自身が関われる事柄があるのであれば、それにアプローチするチャンスを得る、最高の情報源であると言えます。
このようにして地元新聞は私たちの社会性を広げ、高めてくれるデバイスとなり得るのです。
事業や投資をやる上では経済新聞ももちろん良いでしょう。
地元紙が私たちの生活を中心とした輪を描くのに対して、経済新聞は私たちの仕事を中心とした関心の輪と影響の輪の世界を描きだしてくれるのです。
地元新聞と経済新聞の最も根本的な違いは何か?と言われたら、物事を捉える視座が「生活」にあるのか?それとも「仕事」にあるのか?にこそあるのです。
2.文学作品に親しむ
文学作品については、わたし自身は物語や構成に関して、専門家の評定をクリアしている芥川賞作品を読むことを習慣としています。芥川賞作品は、時代を読み取る指標でもあり、文学作品としての価値を超えた読者体験を与えてくれるものだと感じています。
選者が出している批評を読むこともお勧めです。
https://prizesworld.com/akutagawa/sp/senpyo/senpyo167.htm
こちらのサイトには、選考委員の先生方がそれぞれの作品に対してどのような評価を下してあるのかを○Xでしましているのと同時に、それぞれの作品に対する短い批評を載せてくれています。
言葉に対する知的、感覚的理解の成長のために、優れた作家でもある選者の方々の選評を読むことはとても良い経験となります。
特に文学に日々埋没して自分の価値観や文学観を持っているのではない人にとっては、あらかじめ選評を読んで、読解のための視点を確保しておくと良いとさえ思います。
芥川賞作品は、基本は自己完結している作品群なので、読んだ後、別の作品を読まなければならないという誘導を遭うこともありません。とにかく文学とドライな関係を築きたいのであれば、芥川賞作品はお勧めです。
文学作品を読む利点は、それが自分にとってなんのメリットに繋がるのか?という基準なくして、自由に思索に耽ることができる点だと思います。
作者の感覚世界や思想世界に入り込んで、擬似的に、他者の人生を経験すること。そのことで、自分の人生をいつの間にか振り返る機会ともなります。それは自分の人生を多次元で解釈し直し、豊かな経験値を作り出すことに繋がるのです。
3.ビジネス書を読む
ビジネス書を読むこともお勧めです。
ビジネス書を読んでも、実際それを自分の仕事に結びつけようとした時、多くの人は困難さを覚えるようです。
ビジネス書の多くは、首都圏でバリバリにスタートアップ企業に勤めているような人たちを読者として想定しているものも少なくないでしょう。
でも、そういった本でも、それを自分の仕事にどう活かすかは、読み取った内容の適応で乗り越えることが出来ます。
「ここで語られている事柄は、自分の仕事に適用してみれば、どのようなことを指し示しているのか?」といった具合に、自分の仕事に繋げる意識を持ち続けることが大切です。
これに取り組んでいれば、課題が別の課題を呼び込んでくるようになります。
しかしあるとき気がつくのです。そのようにして浮かび上がる課題こそが、ビジネス書を読み、自分の仕事にその内容を適用するためのきっかけとなるということを。
80年台にブームとなったニューアカデミズムは学問的な知性を私たちの人生や価値観、世界観を変革するものであったと言えます。若者たちにとっての理想運動であった共産主義運動の代わりに、多様な価値観の広がる世界観を生み出しました。
でもそこには行動が伴わなかった。
それに対して、生きるための糧を得る「仕事」の領域で、実践的な知性を身につけさせてくれるビジネス書は、ニューアカデミズム運動以降、現実の労働環境で知の無力さを覚えた人たちの気持ちを補完する役割を持ってきたと言えます。
日々、向かい合わなからばならない仕事であれば、それを避けるのではなく、むしろ前向きな取り組み、そこで自己実現の筋道を見出していくこと。
労働市場の自由化の動きと相まって、今日では、ビジネス書は書店の売り場の中心に位置付けられるようになったのです。
仕事に取り組むことを面白くするきっかけを与えてくれるという意味でも、ビジネス書はやはりお勧めです。
4.地域の活動などに参加する
仕事をする人も、家に帰れば1人の市民となります。家庭を築けば子供も産まれ、子供会、少年団、スポーツ教室などを通して市町との繋がりも深くなります。
「社会人」という場合はどうしても仕事を中心にして考えてしまいますが、精神的な安定性を築き上げるのは、市町に属する1人の人間としての行動にかかっているものと言えます。
これができないでどれだけ多くの人たちが、人生設計を崩していくのでしょうか・・。
結局この点に問題があれば、さまざまな形で仕事人としても大きな課題を抱えることになります。色々な局面でそれが顔を出してきます。
市町との関わりは少なからずボランティアという形を取るものと思います。一部、町の歴史伝統のある場所では「お祭り」を通して関わりが生じることもありますが、若い世代になればなるほど、人との関わりは宗教事から遠ざかっているのが現状と思います。
ボランティア活動の代表は、地震災害が生じたときに生じるコミュニティー支援活動です。
私自身も、東日本大地震の際、東北の福島市におり、被災当事者でありましたが、高齢者の多い仮設住宅を中心に様々なボランティア活動に加わったことが大きかった。
自分の利益を超えて活動することに生き甲斐を感じ、社会活動の大切さを学びました。
そのような中で学び得た精神性は、利得の関わる仕事の中にあっても、自分自身の羅針盤として機能してくれていると感じます。
5.家族の面倒をみる
家庭を持つのであれば、子供の成長を見守りつつ、親としての目線や価値観を持って次世代を育てていくことの大切さを学ぶことができます。
自分の命だけでこの世の事柄が完結するようなものの考え方ではなく、自分もまたこの社会に属する1つの有機体にすぎないことを知るには、子育てが1番です。
子育てを通して歴史や文化の大切さを学び、世界に注がれる一般恩恵の中で生かされていることを実感します。自分の力だけで生きているのではなく、世と社会に生かされていることを実感した時、感謝に満ち溢れるのです。
また結婚相手という、自分とは異なる人格と一つの家を築き上げていくことの意義を知ることも大切です。
別人格と共に歩むことには困難さも伴いますが、人生を倍に広げ、より多くの価値観や世界観を知る絶好の機会と言えます。
仕事で触れ合う人たちにもそれぞれに人格を持ちますが、その方々との関係は、夫婦関係のバランスが土台となっていると感じます。
是非とも互いを尊重し合う関係を築いて、仕事においてもプライバシーにおいても、実り豊かな人生を歩んで行って頂きたい。
Ⅳ.セレンディピティを得る
薬剤師にとっての「生産性とは何か?」という問いから、様々な成長の筋道を思い描いてみました。
成功者の多くの人たちが、成功のためには、単純に自分の生産性を単純にあげれば良いのでは無いと考えています。
そして成功のためには「いかにチャンスを手に入れるか?」ということが大事だと言っています。
チャンスを得るには、自分の能力ではどうにもならないことも少なくありません。
でも少なくとも、チャンスを得るためのいくつかの方法もあるようです。
そしてチャンスを得る能力について「セレンディピティ」ということが言われることがあります。これは、チャンスをものにするための能力のことを言います。
チャンスを物にできるかどうかについては、自分の能力とは関係ない事柄でもありますが、それが目の前に来た時、それを掴み取ることについては、能力が関係してくると思います。それこそがここでいうセレンディピティです。
以下、私なりに、このセレンディピティを得るための手法について紹介したいと思います。
1.成長分野で活躍する
例えば自分の仕事の分野が成長分野かどうか?このAIの時代で、単純労働をどれだけ人よりも優れたレベルでやったとしても、そのうち機械化の流れの中に飲み込まれてしまうでしょう。つまるところ成長分野に飛び込むことが大事です。
では、果たして薬剤師の業界は「成長分野」と言えるのでしょうか?
あと30年近くは、お薬の服用割合の高い高齢者が増え続けるため、この期間はこの業界も「成長分野」と言えるでしょう。
だがそれ以上に、どの分野であっても、情報技術という成長分野の知見をいかにこの業界に取り入れていくか?ということで、自分が属する業界においても、成長していくことが可能であるはずです。
2.情報を仕入れる
この薬剤師業においても、様々な業務面においてAI技術の導入される変化の中にあります。ですからそのような変化の中にあっても、自分の存在価値を生み出せるように、情報を仕入れ、理解を深めることが大切です。
自分の仕事をしている業界の動向をしっかりと掴み取り、成長する分野を掴んで、それに柔軟に対応していくことです。
情報を仕入れる方法は、業界の中に自然に入り込んでくる機関誌や学習会に積極的に参加することはもちろん大切ですが、そこで得る情報も、能動的に自分で情報を仕入れて、その情報の価値を正しく理解していくことが大切です。
同じ情報であっても、その受け止め方によって、その価値は全く変化してしまうからです。
単純に受け身になって得られる情報であれば、すでに多くの人がそれに触れる機会があるため、その情報にはすでに新鮮味がないものです。
先行して情報を、正しく受け入れることで初めて、情報に価値が生じると考えるべきです。
1)検索して一歩踏み込んでみる
そこでお勧めなのが、得られた情報を一歩踏み込んで「検索する」ということです。
Google検索する
とても単純なことです。Google検索をかけるということに、今どき、特別な能力は必要ないでしょう。
でも大切なことは、「自分で実際に検索してみる」という行為を取れるかどうかに掛かっているということです。
常に知的好奇心を持って物事に向かい合っているかどうか?がここで問われるのです。
「それについて自分はそれなりに知っている」と思っていたら、それまでです。養老孟司氏のベストセラー『バカの壁』でも言われていることです。
検索して、気になる記事があれば読んでみて、興味が湧けば、さらに検索してみる・・。そのことで、すでに自分の知らなかった事柄に1歩も2歩も近づくことになります。
しかし、ここで気をつけなければならないことがあります。
「検索」といえばGoogleが有名ですし、定評があります。でも、Googleの提供する情報は、検索する人が、その人のパソコンやスマホを使うことで検索システム自身が、その検索者の関心領域や傾向にカスタマイズされたものであるという点です。
つまり同じことを調べても、調べる人がどういう人なのかで(その人のパソコンやスマホの情報によって)、出てくる情報は違うということです。
Googleは、調べる人が喜びそうなことを優先的に掲示してくれる。つまり検索する人が好みそうなサイトを優先的に上げてくれるという点で、得られる情報に偏りが生じているという課題がある。
DuckDuckGoで偏りなく調べる
そのような偏りがない検索システムとしてDuckDuckGoがあります。
https://duckduckgo.com/
これは、誰が調べても、同じキーワードについて、一般的に評価が高かったり閲覧数が多いサイトを表示してくれるのです。
Googleによるカスタマイズにも良い面はありますが、それが世界そのものではないということは理解しておく必要があるでしょう。
2)LLMを活用して集約された情報を得る
また今はchatGPTのようなLLMを活用するのも良いことです。これは、Googleで調べなくても、インターネット上に流通しているマジョリティーの情報を要約して教えてくれるツールです。
欠点としては、あくまでもマジョリティーであるということで、多くの人が気が付かない視点については情報が削られてしまうという点です。
でも、少なくとも自分の関心ある事柄について、一瞬でインターネット上の情報から、集約して教えてくれるという点で、大変有能なものです。
LLMは無料のものがあり、それ自体有用なものですが、月に2、3千円課金すれば、さらに数倍の能力を持ったシステムを通して情報を得ることができます。情報の質の違いは、見識の違いを生み出します。結局、そこで得られる情報についてどのような評価を下すかについてはそれぞれの利用者の責任にかかっていますが、現在は、かなり有効なレベルに来ていると言えます。
3)Googleアラートを使って最新の情報を得る
Googleアラートでキーワードを登録しておいて、特定のテーマについて新しく出たインターネット上の記事のさわり部分をメールで伝えてもらうという方法もあります。
この方法は、玉石混交の方法です。つまり新しいものはなんでも(内容の密度に関わらず)、知らせてくれるという点で、宝探しのような手間が必要となります。
たとえば以下は私のメーラーに届いた情報です。「糖尿病」や「在宅医療」「薬剤師」でキーワード登録しているので、関連した情報を伝えてくれています。
自分が専門とする領域に関しては、時事的な情報を得ることができるという点で有用です。情報をキャッチアップして、現在の専門領域の動向を閲覧する上では有用と言えます。
3.Noteを閲覧する
最近私がお勧めなのは、Noteです。
https://note.com/
インターネット上の情報も集約された形で記事が書かれている物が多くてとても参考になります。
本で買えば有料クラスの内容のものも少なくありません。
手軽に、質の良い記事を閲覧することができます。
自分が目をつけた記者をフォローしていくのが良いです。
中には有料のものもあります。気になる記事は私も課金します。
本当に課金に値するものかどうか、見定める能力が必要ですが、慣れてくるとかなり良い質の記事に接することができます。
有料版でなくても、自己紹介の趣旨で内容の豊かな記事がアップされている
ので、それだけでもサーフィンして読んでいくのもお勧めです。
4.分析する
私がビジネス書を読むようになったきっかけとなった一冊があります。
ある時、四国のキャンプ場に家族で向かった私は、「もしかしたら時間を持て余す時間があるかもしれない」と思い、通りすがりの本屋で一冊の本を手に入れました。
赤羽雄二という方の書いた『ゼロ秒思考』という本でした。
2時間くらいかけて読んだら巻末に本人直通のメアドか何かがあったので、そこにメールをしたところ、すぐに著者本人から返事が来ました。
これを折角の機会と考えて、氏の開催しているビジネスサークルに参加して、多くの方々と交わり、刺激を受けました。
『0秒思考』という本では、主にMECE(ミーシー)の考え方を学びました。MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、漏れのない、ダブり(重複のない)思考方法並びに整理手法の事です。
問題が目の前に横たわっているなら、一度にそれを解決することは難しいことが多いでしょう。
だけど問題を分析し、一つ一つの小さな問題に分解し、それを解決していくことは可能性が高くなるのは間違いありません。
氏の紹介しているメモ書きの方法には、その他の効果として、
・普段から頭の中を整理しておく習慣を身につからことができる
・考えを書き出す訓練になる
・自分の中での答えをいつでも出せる訓練になる
といった面があると感じます。
これらは成果を出せる仕事をする上でとても大切な点なので、ぜひチャレンジして頂きたいと思います。
4.行動する
そして最後に、セレンディピティを得る上で大切なことは、最終的には「行動していく」ということです。
色々調べて、分析してみても、行動しなければチャンスを得ることはできません。行動して初めて目に見える景色というものがあります。それは行動している人だけが知っていることです。
何かをやろうとした時、あらかじめ全ての問題を解決しておくことは出来ません。行動して、その度に課題に直面して、それをいちいち解決していくことを繰り返すのです。その時、その問題解決のために必要な情報を集めて、有用な手法を適用していくことでこそ、道が拓けていくのです。
I am Kurihara, a pharmacist engaged in home medical care in Fuji City and Fujinomiya City.
What is “work”? Even though pharmacists are medical professionals, our work is undeniably also part of customer service, and I spend each day thinking about what I can do to provide better service.
Of course, as pharmacists, our primary duty is to be specialists in medicine. But this does not mean that studying only about drugs is sufficient. Rather, we look at patients through the “lens” of medicine, but what we aim to see beyond that is what truly matters.
Today, I would like to introduce some of the aspects we keep in mind as we work.
Ⅰ. Improving Pharmacy Operations
1. Defining the Essential Role of Pharmacies and Pharmacists
The work of pharmacists, surprisingly, involves a lot of small and detailed tasks.
1) Pharmacists’ Work Is Detailed
Medicines themselves are small, so handling them always requires care. It is not unusual for a single tablet to cost 100 yen. Some tablets are fragile and require special handling.
Medication management and operation are therefore very important parts of pharmacy work, and the challenge we always face is how to manage inventory without waste, within limited resources.
We constantly monitor inventory movements carefully, making sure that when patients bring their prescriptions, shortages occur as little as possible.
2) Pharmacists as “Healthcare Providers”
Yet the role of pharmacists goes beyond drug management.
In the past, pharmacists were often perceived in that limited role, but since the 1994 Second Amendment to the Medical Care Act, pharmacists have been clearly defined as “healthcare providers.”
Medical Care Act, Chapter 1, General Provisions, Article 2:
Medical care shall be provided with respect for life and human dignity, based on a relationship of trust between physicians, dentists, pharmacists, nurses, and other healthcare providers and patients. It must be conducted according to the patient’s physical and mental condition, and it must be not only for treatment but also include preventive measures and rehabilitation, and be of good quality and appropriate.
Furthermore, the 2006 Fifth Amendment to the Medical Care Act officially positioned dispensing pharmacies as medical institutions.
Article 2:
(2) Medical care shall be provided based on the efforts of the people to maintain and promote their health, with full respect for the will of patients, and at hospitals, clinics, long-term care facilities, pharmacies that provide dispensing services, and other medical facilities (hereinafter “medical institutions”). Care must be provided efficiently in accordance with the functions of each institution, while ensuring organic collaboration with welfare and related services.
Pharmacists are one of the medical professionals, and pharmacies are medical institutions.
This seems obvious now, but it took many years for pharmacies and pharmacists—once focused mainly on traditional medicine—to be clearly positioned as healthcare providers in the modern medical system introduced from the West.
3) “Contributing to the Improvement and Promotion of Public Health”
Pharmacists and pharmacies are defined in the Pharmacists Act as follows:
“By dispensing, supplying pharmaceuticals, and overseeing pharmaceutical sanitation, pharmacists shall contribute to the improvement and promotion of public health, thereby ensuring a healthy life for the people.” (Pharmacists Act, Article 1)
The phrase “improvement and promotion of public health” may sound very abstract. It may even seem disconnected from our daily work.
In practice, the daily work of pharmacists is dispensing medicine based on prescriptions brought by patients.
That is, we treat patients’ illnesses through medicines as intermediaries. This constitutes 99% of our daily work.
But does being involved in the treatment of an individual patient truly contribute to the improvement and promotion of public health?
A clear example is the COVID-19 pandemic, which in recent years has shaken not only healthcare but also the global economy.
Japan was thrown into confusion by this unknown virus. Even healthcare workers struggled to secure masks for daily operations. Hand sanitizers were scarce. Until effective vaccines were developed, we often felt our own helplessness.
Yet even with COVID-19, there were clear distinctions between those who were infected and those who were not.
The importance of avoiding smoking, encouraging treatment of underlying conditions, promoting healthy diet and sleep, and sharing correct knowledge about infection prevention—these were things we could address during ordinary medication guidance, and they were not insignificant.
In the end, small, everyday habits toward health are what truly matter. Ultimately, I believe the purpose of pharmacists’ medication guidance converges on this point.
To make each patient’s drug therapy—unique to their individuality—more fruitful, we must continue to learn, gain experience, and give back to them. We must sharpen vague knowledge into accuracy, aiming at precise medication guidance.
It is through this repetition that we pharmacists can demonstrate our significance in the public health of our communities.
4) Not Losing Sight of Our True Duty
When I was in middle school, I read a story in my Japanese textbook called “The Conductor’s Duty.”
It was about a monkey-themed train ride at an amusement park. The driver operated the “Monkey Train,” while the elderly monkey conductor ensured safety at the rear. But as ridership increased, the train had to run in a circle where the driver’s position was always behind the conductor. The conductor lamented, “In this situation, I cannot fulfill my duty.”
Fortunately, many pharmacists, myself included, feel fulfillment in our daily work.
But as we interact with doctors, nurses, and caregivers, we must constantly reflect on our true duty, keeping clear awareness of what we must do, guided by Article 1 of the Pharmacists Act.
大見出し]II. 薬剤師としての専門性を高める学び[/大見出し]
1. 学習会に参加する
Various study sessions are held for pharmacists. The greatest advantage of such gatherings is that they force us to devote a set amount of time to a specific field of knowledge.
When studying alone, our learning tends to lean toward areas we are already good at, or we get distracted by pressing matters at hand.
But by sharing information and exchanging opinions with colleagues at these study sessions, we can learn from their perspectives and raise our own level of expertise.
2. 認定制度を活用する
There are many certification systems for pharmacists. For example, in the fields of kidney disease or diabetes, various organizations set standards for certification. Hospital pharmacists often obtain such certifications to enhance their work in the wards they oversee.
Of course, obtaining certification does not automatically mean a pharmacist will provide excellent care. Conversely, even pharmacists without certifications can perform outstanding work.
Still, pursuing certification requires crossing certain hurdles, and the foundational learning that comes with this process greatly contributes to professional growth.
3. 基本書を読む
As mentioned earlier, once working in the field, opportunities for fundamental learning become scarce. It takes a conscious effort, such as attending study sessions or pursuing certification, to continue learning.
One self-directed method, naturally, is reading textbooks (basic reference books). Textbooks are not merely for university students—they provide structured, foundational knowledge. I myself make a point of reading pharmacology and other basics at least once a year.
For someone who already has practical experience, textbooks may seem repetitive. However, with field experience, passages once skimmed over can suddenly take on new meaning, producing “aha moments.” These moments occur when previously separate pieces of knowledge connect unexpectedly.
In daily practice, we are often consumed by countless small tasks. Not all of them are truly important, but they still demand immediate attention. Indeed, such is the nature of work itself.
Therefore, setting aside time to read foundational textbooks can feel almost philosophical. Reflecting on mechanisms of drug action or considering them in an organic, integrated way—though perhaps not immediately demanded by the workplace—plays an essential role in nurturing a pharmacist’s judgment.
Ⅲ. 教養を高める
Even as pharmacists, it is of course not enough to simply study medicine. By reading newspapers, engaging with literature, or stepping away from daily work to reconsider the meaning of “work” itself, we may discover blind spots in our thinking.
1. 新聞を読む
When it comes to newspapers, opinions differ, but personally I believe the local paper is the best.
Gaining information—through text and photos—about global events that directly affect our lives is vital to cultivating practical wisdom.
The world-renowned bestseller “The 7 Habits” by Stephen R. Covey introduces the idea that people live within two domains: the Circle of Concern and the Circle of Influence.
The Circle of Concern refers to matters we pay attention to but cannot affect. For example, cheering for Shohei Ohtani in America does not truly affect him, so this lies within our Circle of Concern.
On the other hand, attending a local Shimizu S-Pulse or Júbilo Iwata match and joining chants may, in a small way, influence the players—thus falling within our Circle of Influence. Human relationships at work or town association activities also belong here.
And Covey emphasizes that focusing on matters within our Circle of Influence is the key to producing real results.
Local newspapers help us find places where our Circle of Concern overlaps with our Circle of Influence.
If we discover issues that we had not previously considered but that we can directly act on, the local paper becomes a valuable source of opportunities.
In this way, local newspapers expand and enrich our social connectedness.
For business and investment, economic newspapers are also valuable. While local papers describe circles of daily life, economic newspapers describe circles of work and professional influence.
The key difference between local and economic papers is the perspective: is the focus on “life” or on “work”?
2. 文学作品に親しむ
As for literature, I personally make a habit of reading Akutagawa Prize-winning works, which have been critically judged for narrative and structure. These works not only reflect the spirit of the times but also provide a reading experience beyond literary value.
I also recommend reading the critics’ commentaries provided by the selection committee.
https://prizesworld.com/akutagawa/sp/senpyo/senpyo167.htm
On this site, you can see which works were marked ○ or × by the committee, along with brief critiques. Reading such commentaries, written by outstanding authors themselves, offers valuable intellectual and emotional insights. For readers not immersed in literature, these critiques can provide helpful perspectives for understanding the works.
Since Akutagawa Prize pieces are self-contained, they don’t force you into reading sequels. If you want a dry, disciplined relationship with literature, they are a great choice.
The merit of literature is that it allows free reflection without asking “what’s in it for me?” By immersing yourself in an author’s sensory and ideological world, you vicariously experience another person’s life. This, in turn, gives you the chance to reflect on your own. It allows you to reinterpret life from multiple dimensions and enrich your experiences.
3. ビジネス書を読む
Reading business books is also recommended. Many find it difficult to apply them directly to their work, since these books often target people in fast-paced start-ups in Tokyo or other metropolitan areas.
Yet, with the right mindset, they can be highly applicable. By asking, “If I apply this idea to my own work, what does it point to?” we create connections.
As we do this, new questions give rise to further questions.
In the 1980s, the “New Academism” movement sought to reshape worldviews, replacing political ideologies with diverse values. But it lacked practical action.
Business books, on the other hand, cultivated practical intelligence in the realm of “work,” offering tools for survival and self-realization.
Alongside labor market liberalization, business books came to occupy the center of bookstores.
They remain a way to make work itself more engaging and meaningful.
4. 地域の活動などに参加する
Even professionals become ordinary citizens when they return home. Raising children through school groups or sports clubs deepens community ties.
While we often define ourselves as “working people,” true stability comes from our role as members of the local community.
If neglected, this imbalance can destabilize one’s whole life. In practice, such ties often take the form of volunteer work. For younger generations, religious connections may have faded, but volunteering—especially during natural disasters—remains essential.
During the 2011 Great East Japan Earthquake, I lived in Fukushima and joined volunteer activities in temporary housing communities for the elderly. This experience taught me the value of working beyond personal gain. The spirit of such activities now serves as a compass even in profit-driven work.
5. 家族の面倒をみる
For those with families, raising children provides the chance to cultivate perspectives and values as parents while nurturing the next generation.
Child-rearing reminds us that we are part of a larger society, not self-contained beings. It fosters gratitude by showing how life is sustained not only by our own strength but also by the blessings of society and history.
Marriage, too, teaches the meaning of building a home with a partner of a different personality.
Though challenging, it doubles life’s horizons, offering exposure to diverse values and worldviews.
Strong spousal relationships provide the foundation for other relationships, even those at work. Mutual respect enriches both professional and private life.



