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アルコールにひそむ罠

栗原憲二

栗原憲二

テーマ:生活、健康

富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。

今日はアルコールのお話をさせていただきたいと思います。


1)アルコールは人生の楽しみの一つ

アルコールは人生の楽しみの一つであることは間違いがありません。仲間たちと一緒に飲むお酒は緊張を和らげ気分を高揚させ、仕事の辛さを遠ざけてくれるかのようです。家に帰って飲むアルコールも、濃密なリラックス時間を与えてくれます。

高倉健さん演じる『黄色いハンカチ』の主人公は、出所後、立ち寄ったラーメンにて、出されたビールをコップに注ぎ、心で味わうかのようにそれを飲み干します。それは美味しさを通り越して、万年の仇に出会ったかのようにこれを飲み干す飲みっぷりは忘れられません。


洋画では『ショーシャンクの空に』のモーガン・フリーマンが獄中で、監獄長に取り込んで手に入れたビールを味わうシーンがまた印象的です(こっちはかなりクールな飲み方ですね・・)。


2)アルコールは人生を狂わすことも少なくない

でもそのアルコールが人生を狂わすことが多いのもみなさんご存知のことと思います。


3)アルコールの良い部分と悪い部分

果たしてアルコールは体に良いのか?それとも悪いのか?これは殆どイデオロギーの戦いであるとも言えます。

適度なアルコールは血圧を安定させ、血管にこびり着いたプラークを減少させ若々しく保ち心血管障害の発生を抑制すると言われています。

しかし反対に、その依存性から発生する害悪を指摘する方も多くいらっしゃいます。アルコールは精神的のみならず身体的な依存性を持つという点において各種の違法ドラックより危険性を持っているという意見も強くあります。


以前、私が乗ったタクシーの運転手さんの話によると、リタイアー後のタクシー業は、生活の糧も得られるし、働く時間もかなり自由が効くというお話をされていましたが、ご自身の同僚については「だいたい、酒で死んでいった」とお話しされており強く印象に残りました。

4)アルコール摂取の許容量は?

いろいろな意見がありますが、一つの目安として、1日のアルコール摂取量を20g以外に抑えることが有効と言われています。


その他、休肝日を設けることは肝臓の機能回復を進めることが知られています。

5)アルコールの毒性

アルコールを嗜むことは楽しみの1つでありますが、アルコール依存に陥った状態は生活習慣病を引き起こすこともよくわきまえなければなりません。過度なアルコールは運動習慣を奪い、一緒に摂るアテのツマミで肥満度が高まり、高血圧、高血糖、高脂質血症などを引き起こします。直接には腎臓、肝臓といった、体の中で解毒作用を司る器官に傷害をもたらし命を縮めることになります。

過度なアルコールは筋肉の分解作用も持ちます。そのため高齢者のアルコール摂取は身体機能を低下させたり、転倒事故などももたらすことがあります。規則正しい生活習慣を奪い、自堕落な生活に導くこともあります。

6)喫煙に気をつけよう

もちろん、体にとっての害悪はアルコールにとどまりません。アルコールと同じく精神的ならびに身体的な依存性が指摘されている喫煙も同様の危険因子を持っています。特に長年の喫煙は肺の機能を低下させます。


長年の喫煙は肺の機能に不可逆な障害をもたらすことも知られています。

7)食べ過ぎにも気をつけよう

また食べ過ぎにも気をつけなければなりません。私もラーメンなどは好きですが、過度の塩分摂取はガン因子ともなりますし、高血糖や脂質異常症などを引き起こすことがあります。


8)メリハリのある生活を心がけよう

健康的な生活を送ることが何より大事。ストレスを遠ざければ、ストレス発散のための飲酒、喫煙、食べ過ぎを防ぐことになるからです。


では今日のまとめです。

1)アルコールは適度に愉しむ
2)喫煙、食べ過ぎを避ける
3)運動習慣を身につける


結局はセルフコントロール力を高めることがポイント。特に誰もが定年退職するくらいにはかなり厳格にコントロール出来るくらいに習慣力を身につけていくことが大切と言えます。参考にしていただければと思います。

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栗原憲二
専門家

栗原憲二(薬剤師)

ふじやま薬局

店舗は整形外科並びに内科、透析医院の処方の授受を受けているため、普段から幅広いお薬を取り扱っています。在宅では、個人宅並びに施設担当。富士・富士宮地区を幅広く車で訪問させていただいております。

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