改めて大きな富士山について
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
最近は本当に暑くなってきました。そこで今日は、この暑い夏を乗り切るための対策法について色々と調べてみました。
目次
1)エアコンの効かせすぎは体に熱をこもらせてしまう
エアコンは異常な気温から体を守るために大変有効な道具です。しかし使いすぎには色々と問題が生じます。
エアコンを効かせすぎると、手足の末梢血管が細くなり、血液は内臓に溜まります。そのため汗という形で体内の熱を効率的に外に流すことができなくなるのです。また暑い室外とエアコンのよく効いた室内を移動することで自律神経に乱れが生じ、体の機能のバランスが崩れてしまうのも原因です。
2)扇風機は汗の蒸発を促してくれるけど注意も必要
そこでおすすめはやはり扇風機。暑い中では汗をかくことで内臓の熱を外に流しています(正確にいうと、汗が蒸発する際に皮膚の熱を奪っていく)。扇風機は汗の蒸発を促進させることで熱の放出を促進させるからです。
最近は登校中の中学生が手に小型扇風機を持っている姿も見慣れてきました。汗をかいた中、小さな扇風機の力も決して小さくありませんね。
ただし、扇風機の使い方にも注意[/太字]が必要です。
汗をかいてない状態で無駄に風を受けると、やはり末梢の血管の収縮をもたらし、内臓に熱が籠る原因となってしまうからです。
そのためハンディー扇風機を使う場合は、[太字]首筋や額、腋の下など、特に汗をかく場所の汗を蒸発させる目的と理解した方が良いでしょうし、部屋置きの扇風機も、時々爽やかに風が来る程度に回すのが良いのです。高温多湿な南東アジアの国で優雅に扇風機を受けるイメージがやっぱり理にかなっているのです。
3)夏バテに出されるお薬?
夏バテに出されるお薬は、かなり限られてきます。西洋薬学の考え方では、「夏バテなので」ということであれば、その原因がなんであるのか?を特定する必要があります。もしかしたら消化機能が低下しているかもしれません。つまり胃腸にトラブルが生じているかもしれません。風邪かもしれませんし、他の疾患のせいかもしれません。
つまり西洋薬学の考え方では、夏バテが生じているとしたら、その原因である他の疾病を疑うというプロセスを減ることになります(もちろん脱水症状や熱中症と診断されると点滴などの外科的処置が取られるます)。
4)漢方で出されるお薬
これが東洋医学の考え方であれば、夏バテはその人の体質からきているものと考え、補中益気湯や六君子湯、人参栄養湯などが処方されることが少なくありません。ふじやま薬局でも多くの漢方薬の取り扱いがありますが、これらの漢方薬は夏場には在庫が不足しがちになることもあります。
5)夏場のアイスクリームやビールには注意が必要
暑い夏にはアイスクリームやビールが美味しくなるのは間違いがありませんが、前回、アイスクリームやビールには、体を冷やす即効性があるけども、体にとっては劇薬的な側面があることも指摘しました。
https://mbp-japan.com/shizuoka/fujiyama/column/5167541/
体から熱をとるという目的で嗜むと、どうしても体に無理が生じてしまうからです。
6)ハンカチの使い方にも注意が必要
高温多湿は熱中症の原因ともなります。汗は皮膚上で蒸発し「気化熱」という形で体内の熱を放出してくれます。しかし湿度が高い環境では、汗が蒸発しにくくなってしまうのです。
高校野球で有名人となったハンカチ王子こと斎藤佑樹さんはクールにハンカチで顔の汗を拭う様がとても印象的でした。スポーツ選手のように急激に汗をかく状況下では効果的な使い方と言えます。
でもハンカチで汗を拭うということは、汗が蒸発という形で体の熱を奪う機会を無くしているとも言えます。そのため、ハンカチは、額や脇の下など、過剰に汗をかいて多湿状態になってしまうのを防ぐ目的で使うということが大切です。つまりハンカチは無駄に使うと逆効果です。加えて汗には皮膚の乾燥を防ぐという役割もあるため、防御機能が損失してしまう可能性があるのです。
ハンカチはあくまでも、自分がまとっている衣服が汗で過剰に濡れてしまうのを防ぐためという使い方の指針を持つと良いでしょう。
6)ウェットティッシュは優れもの
最近は汗を拭うためのウェットティッシュがコンビニでも手軽に、経済的に手にできるようになってきました。濡れたウェットティッシュは、皮膚を適度に湿らせ、少なくとも放熱作用としては汗をかくのと同様の効果をもたらすのです。加えて汗をかくことは皮膚上の細菌の繁殖をもたらしワキガなどの悪臭の原因ともなりますが、濡れたティッシュはその体臭の原因をも取り除いてくれるのです。
もちろん使いすぎは禁物です。ゴシゴシ拭いてしまうと過度に皮脂を取り除いて皮膚の防御機能を奪い取ることになるからです。しかし時々気分転換に使う程度の使用方法はとても効果的と言えます。
以上、夏場の暑さ対策で用いられるエアコンや扇風機、ハンカチや嗜好品について述べてみました。適度に使う分には何を利用するにしても効果を発揮しますが、行き過ぎると逆効果というわけです。夏場を凌ぐには知恵が必要であると感じていただけたのではないでしょうか?