お薬よもやま話 その5ー効くと信じれば効く薬
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
ふじやま薬局はもといちば町にあります田邊整形さんの処方箋の取り扱いをさせていただいてます。
1)各種の痛み止め
整形外科といえば痛みを伴う疾病で来られる患者様が多いため、痛み止め成分の入っている内服のお薬に限らず、外用剤の取扱も必然的に多くなります。
痛み止めの貼り薬(抗炎症剤)も各種あります。成分としてはロキソプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、エスフルルビプロフェンなどがあります。
2)最初は専門医に診てもらうことをお勧めします
ドラッグストアで購入できるものもありますが、慢性的であれ臨時であれ、痛みがあるとしたら最初は専門医に診ていただいた方が良いです。
(田辺整形 院長 田邊 登崇先生)
https://keiryoukai.jp/
田辺整形開院時間(9時〜12:30,14:00~18:00)
予約受付なし。朝早い方は8:30から並んでおられます。
例えば足の痛みがあるとしても、原因は腰からきていることもあります。痛みが神経性のものであるとしたら、痛み止め成分のある貼り薬を使い続けることは根本的な治療にはなりません。その辺の判断はやはり専門医の手に委ねた方が良いです。
また、外用剤を使う場合、最近はOTCとして他にできる商品の価格も向上してきているので、そこは医療保険を使っていただいくと経済的にも助かるでしょう。
日本の医療保険制度は世界に誇るもの。わたしの義理の妹はアメリカに住んでいますが、気安く病院には通えないとよく嘆いています。
3)テープ剤とパップ材
貼り薬として用いられるものは大きく、テープ剤とパップ材に分けられます。
どっちを使うかは利便性を優先することが多いですが、人によって使いやすいと感じるものが違うため、処方箋を出してもらう時に処方医に相談されることをお勧めします。
ただし、痛みの局部が熱を持っていたり、関節部など動きの激しい場所でなかったりすると、テープ材ではなくひんやりとするパップ材が出されることが多いと思います。
その他、テープとパップ材には、それぞれ温感タイプと霊感タイプがあります。「温感」だからと言って局部に熱を持たせるわけではなく、実際は皮膚への刺激の仕方によって「暖かく感じるだけ」で、局部からは熱を取ることが基本です。
4)使用上の注意点
スポーツをする子供たちが貼り薬を出されることも多くあります。通常、ドラックストアで売られている貼り薬の中には子供には使わないように注意書きがあるものがありますが、同じ成分の貼り薬を薬局でお出しすることがあります。時々、気になって電話で問い合わせがあることがあるのですが、専門医の判断では使用が出来るものです。また当然、薬剤師も、使い方の説明に加えて、副作用歴、アレルギー歴などを聞き取らせていただいてお渡しさせていただいてます。
貼り薬の使い方としては、1日1枚の場合もあれば1日2枚の場合もあります。人によって、痛みの様子が違います。中には寝ている間だけ痛みを感じるが普段は大丈夫とか、反対に日中痛いとかいう場合があります。
1日2枚であれば、汗をかくなどした後には途中で貼り替えることをお勧めしていますが、効果は半日以上継続するので、1日1枚でも大丈夫な方もいます。
注意点としては、お風呂に入る30分前には剥がしていただかないと、お風呂に入った時に刺激を強く感じてしまいます。
また患部が赤くなってしまったりしたら、一度皮膚の状態が落ち着くまで使用を中断していただくことです。そのまま使い続けると、皮膚が黒ずんでしまったりしまうからです。
あと、基本的には貼り薬の使用部位は、直遮光を避けていただくことが基本です。日光によって刺激が加わり、光に対して過敏になってしまうことがあるからです。