若者たちを蝕むオーバードーズ
おもちゃ製造で知られるタカラトミーがJAXAと共同で開発した月面探索機のSORA-Qが動き始めました。
1)試練の着陸成功
月面に着陸したSLIMは、月面着陸直前で想定外の異常が伝えられましたが、着陸直前に放たれた小型機械のSORA-Qによって、現状の様子が撮影されました。着陸した姿勢は逆立ちながらも、現在は蓄電が開始されたとのことで、開発関係者の方々も少し胸を撫で下ろしたようです。
2)日本企業の知恵の集合
限られた予算の中で技術と知恵を結集して一つのミッションに取り組む日本の宇宙開発は、大きな宝をこの地にもたらしてくれることでしょう。多くの先端技術力を保持する日本の中小企業の活躍の場がそこに広がっているのは間違いないことです。
3)技術立国静岡
ここ静岡では、静岡市にある久能山東照宮建設のため徳川家康によって日本全国から集められた技能者が、東照宮建築後もこの地に留まってその技術を伝え、それが今日の田宮模型に代表される工芸デザイン産業の礎となっているとのことです。
SORA-Qの活躍は、静岡県人にとっても、決して人ごとではないと感じてます。
4)人体探索『ミクロの決死圏』
宇宙探索ではありませんが、少し古い映画に『ミクロの決死圏』という作品がありました。
潜航艇をミクロサイズに縮小して脳内出血を起こした同僚を助けるという物語ですが、体内に入り込んだ潜航艇は、宇宙船が未知の惑星を探索するがごとくに、ミクロの視点から人体を探求することになります。子供ながらにワクワクしてみた記憶が脳にこびりついて離れません。
全然関係ないような話ですが、実はお薬の世界でも同じようなことが現在行われています。
5)薬物治療も似た者同士?
DNA内のタンパク質にハサミを入れるように働く分子標的薬や、病原体の居場所まで運送体に乗せられて運ばれていく薬、また血流を流れる病原体をキャッチするレセプター(受容体)分子薬・・。
月面で愉快に動き回る探索機も、日本人の叡智が詰まっているもの。こういう経験が蓄積され、小さな精密機械を遠隔で操作し病を治療する医療技術にもどこかでつながるのではないかと、医療者の1人として期待しています。