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キャリアとは(2)

福島治男

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テーマ:キャリア



キャリアの概念を捉える3つのポイント


弊社コラム第1回では、「キャリアとは何か」というテーマで、特に「職業」との違いについてお伝えしました。職業は個人から独立したものであり、自分で選ぶことができるもの。一方でキャリアは、個人から切り離されて存在するものではなく、人が時間をかけて築いていくものです。今回は、キャリアをより具体的に理解できる、シンプルで分かりやすい考え方をご紹介します。

今回お伝えするのは、私がキャリアコンサルタントの学習を始めた際に、愛知教育大学の坂柳恒夫先生(現 愛知教育大学 名誉教授)から教わった内容です。坂柳先生は「キャリア(Career)」を、次の3つのポイントで説明されました。

① 生涯にわたる連続的な過程(process)であること

キャリアには、過去から現在に至る「経歴(これまで築いてきたもの)」と、現在から未来に向かう「進路(これから築いていくもの)」の両方が含まれます。例えば就職や昇進といった一つひとつの出来事(点)ではなく、それらがつながった(線)として捉えるべきものです。

② 空間的な広がりをもつこと(space)

キャリアは仕事だけを指すものではありません。働く役割だけでなく、家庭での役割、余暇の過ごし方など、人生におけるさまざまな役割と重なり合って形成されます。

③ 自分らしい生き方(Life Style)を志向していること

キャリアは「自分らしく生きること」と深く結びついています。何を大切にし、どのように生きたいのかという価値観に基づき、自己実現を目指した自分らしい生き方に焦点が置かれたものです。

キャリアに関する書籍や理論は数多くありますが、多くの場合、これら3つの視点は共通して含まれていると感じています。私がキャリアについてお話しする際には、この3つを土台としてお伝えしています。さらに一歩踏み込んで、私は「キャリアとは何か」だけでなく、「キャリアとは何ではないか」についてもお伝えしています。

キャリアについての誤解


④ 「良い/悪い」「成功/失敗」で評価できるものではない

たとえ評価があるとしても、それは他人が決めるものではありません。

⑤ 上がったり下がったりするものではない

一般的に「キャリアアップ」という言葉が使われていますが、これはキャリア全体の一部を切り取った表現に過ぎません。例えば、日本には「キャリアアップ助成金」という制度もありますが、これは特定の側面における変化を指しているものと理解するとよいでしょう。

⑥ 一部の人(いわゆるエリート)だけのものではない

キャリアは、すべての人に関わるものです。

ここまで6つのポイントから「キャリアとは何か」をお伝えしてきましたが、「キャリアとは〇〇である」と一言で言い切れるものではないことに気づかれるかもしれません。つまり、キャリアはそのまま置き換えられる日本語が存在しない概念だと考えられます。
キャリアコンサルタントは、日本で初めてのカタカナ表記の国家資格であるという話を目にしたことがあります(真偽は確認できていませんが)。もしそれが事実だとすれば、キャリアという言葉をそのまま使わざるを得ない背景には、日本語に完全に対応する概念がなかったからなのかもしれません。

次回は、「専門家はキャリアをどのように説明しているのか?」というテーマで、より多くの方に興味を持っていただける内容をお届けしたいと思います。

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福島治男(キャリアコンサルタント)

キャリアデザイン・メンタルサポート株式会社

製造業での会社員経験を生かしたキャリアコンサルティング。丁寧な傾聴で相談者の自律的な成長を支援します。組織課題を可視化することで、働く人と企業が共に成長できる環境づくりに貢献します。

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