音域や声量が飛躍的にアップする「響き」で歌う発声法を指導（1/3）

声帯に負担をかけない発声法だから、高音もラクに出せるように

　「私のレッスンでは、“声”で歌うのではなく、“響き”で歌う発声法を学んでいただきます」と話すのはヴォイストレーナーとして幅広い活動をしている姜東秀（カントンス）さんです。

　姜さんは大阪音楽大学声楽科を卒業後、オーストリアのウィーンに留学。本場の声楽を学ぶかたわら、オーケストラとの共演や合唱団への客演など、声楽家としても精力的に活動してきました。そんな留学中に出会ったのが、“響き”で歌う発声法だったそうです。

　「基本的な発声は日本でもやってきましたが、びっちり1時間発声だけをやり続けるミルカーナ・ニコロヴァ先生のレッスンを受講して、まさに目からウロコ（笑）。全身を使って声を出す発声法に感銘を受けました。もちろん他の先生の指導力も圧倒的で、自分の未熟さを痛感すると同時に、ここまでやらないと専門家とは言えないというプロ意識が芽生えました」と姜さんは当時を振り返ります。

　2年の予定だった留学をさらに2年延長し、“響き”で歌う発声をマスターした姜さんは、そのメリットをこう話します。「“声”で歌う発声法は長時間歌うと枯れてしまったり、最悪ポリープができるなど、声帯への負担が非常に大きいんです。一方、“響き”で歌う発声法は、声帯がほとんど疲弊しません。だから、長時間歌っても豊かな声量を保つことができ、高音もラクに出せるようになります。当レッスンでは簡単なストレッチから始まり、最短でも20分程度は発声のトレーニングにあてています」

　声量や音域を飛躍的に伸ばすことができるという“響き”で歌う発声法。基礎的な歌唱力がアップすることはもちろん、表現力の幅が劇的に広がります。何より歌うことが一層楽しくなることが魅力だと姜さんは話します。

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