熱々のお粥はカロリーが低いのに、なぜ元気になる?
1.アトピー性皮膚炎の再発はありますか?
中国の皮膚科病院ではトップクラスの雲南中医薬大学附属病院での調査では80%の再発率です。
筆者植松はここで長年研修してきました。
アトピー性皮膚炎の多くは遺伝的な要因で潜在的に再発しやすく、その体質を簡単に変えることは難しいのです。
しかし、これから述べる方法で治していけば、再発しない方が多くいます。ぜひ再発しない体をつくっていきましょう。
一例をあげましょう。全身かさかさで痩せて掻き傷で血だらけで来店された当時は20歳の男性(拙著 中医学と薬膳でアトピーを治す<二見書房>の中で紹介)が、先日30年ぶりに来店されました。彼は「記憶にある限り、かゆくない日はなかった」と本の中で述べていました。
しかし、症状がよくなっても体質改善のために計7年間漢方薬を飲みました。すっかりよくなり、今回はお子さんのアトピー性皮膚炎の相談でした。ご本人は肌が艶々で56歳とは思えないくらい若々しく見えました。
この30年間1回も再発していなかったそうです。
この方などにご指導した方法をこれから述べていきます。
2.アトピー性皮膚炎が再発する原因は胃腸と関係
アトピー性皮膚炎の皮膚の特徴は皮膚のバリア機能が低下していることです。皮膚のバリア機能が低下するとアレルゲンなどの刺激を受けやすくなり症状を引き起こしやすくなります。
例えば紫外線・ほこり・花粉・ダニなどが皮膚から体内に入ると悪化します。
また急激な夏の暑さ、梅雨時の湿気、秋の乾燥など季節の変化にも対応できず悪化します。
皮膚の細胞がしっかりしていないと隙間だらけの家と同じで構造が悪く、アレルゲンが入り、季節の影響も受けやすいのです。
皮膚の構造が悪いというのは、漢方では「脾胃」「肝」と関係すると考えます。
幼少期「脾胃」すなわち胃腸が弱かった人に多いようです。
胃腸が弱いと栄養を吸収する力が弱く、皮膚を丈夫に作ることができないのです。
3.アトピー性皮膚炎が再発する原因はストレスとも関係
ストレスも大きな原因となります。環境の変化で悪化する人は少なくありません。
入学・試験・就職・失恋・結婚・転職など心に大きな影響を受けると交感神経が興奮します。
漢方の考えでは「肝」が興奮し「熱」がこもり、体が熱くなり皮膚も赤くなります。
離婚してアトピーが真っ赤になった人がいます。
しかし離婚したら逆にアトピーがよくなった人もいます。
心の持ち方が大いに関係するようです。
4.アトピー性皮膚炎を再発させないためには?
環境の変化で誰でも悪化するのではありません。
アトピー性皮膚炎の患者さんで不眠など元からある人が少なくありません。
漢方薬膳サロン ウエマツ薬局では「アトピーがよくなりました。」とおっしゃった方に「喜びの声」を書いていただいています。直近2年間に頂いた30人のデータを色々分析してみました。<下のブラフ参考>
この表は2023年5月7日 第13回皮膚病国際学術大会で植松光子が発表したものです。
喜びの声:アトピー・皮膚病一覧の体験談
その30人の中で半分以上の17人(56%)の方が来店当初不眠を訴えていました。その不眠の原因がかゆみもありますが、痒み以外で以前から不眠だった、いう方が多くいました。
アトピー性皮膚炎の患者さんはもとからデリケートなので環境の変化を感じて悪化しやすいのかもしれません。
5.アトピー性皮膚炎再発を防ぐには、ストレスに強い心と体をつくりましょう
オリンピック憲章に「健康な体に健康な心が宿る」という有名な言葉があります。
健康な体とは快食・快便・快眠で体調がよく前向きの心を持っていることです。
そうすると多少のストレスではアトピー性皮膚炎が再発しなくなるでしょう。
健康な体と心を持つには、アトピー性皮膚炎の症状が消えても小さな不調は食養生・生活養生や漢方薬などで体調を整えていきましょう。
「脾胃」と「肝」を強くするのです。
そうすれば再発がしにくくなります。
6.アトピー性皮膚炎再発予防には「胃腸を整える」ことがポイント
ウエマツ薬局の「喜びの声」を書いてくださったアトピー性皮膚炎患者さんのデータのうち、「脾虚」と言って食欲がない、下痢をしやすい方が来店当初30人中16人53%半分以上いました。<4のグラフ参考>
そして「よくなりました」と書いてくださった時は9人30%に減っていました。
胃腸を改善するとアトピー性皮膚炎がよくなることがわかります。
胃腸を改善するのには
・早食いをしない
・よく噛む
・食事時間は規則正しく
・皮膚によいものをとる
・冷たいものを控える
・皮膚に悪いものを食べすぎない。
ケーキ・チョコ・揚げ物・辛すぎるもの(唐辛子・にんにく)
刺激の強いもの・コーヒー・酒・たばこ
上記のものを食べても悪化しない、丈夫な体と胃腸を作りましょう。
7.アトピー性皮膚炎の乾燥肌が治りにくい原因
アトピー性皮膚炎の人は乾燥肌が多いのです。
目次4のグラフでもお分かりのように来店時30人中18人60%の人が乾燥肌でかゆみを訴えていました。
「よくなりました!」と「喜びの声」を書かれた時点でも1人改善されていただけです。
赤み、腫れ、ジクジクが消えて楽になっても乾燥肌と痒みは治っていないのです。この乾燥肌を丈夫な肌にしていくことがアトピー性皮膚炎を再発させないポイントなのです。
8.アトピー性皮膚炎のかゆみが長引くのは乾燥肌も原因
痒みの神経は通常は表皮(垢になるところ)と真皮(血管がある所)の境界線にいます。しかし刺激を受けると表皮の中にまで伸びていきます。
表皮が花粉などで刺激を受けたり、掻きむしると強烈な痒みに襲われ、かゆみの物質ヒスタミンが血中に生じ、あちこち動き回るのでかゆみが分散して行くのです。
乾燥肌は刺激を受けやすいのでかゆみの神経も暴れやすくなるのです。
いかに乾燥肌を潤いのある丈夫な肌にするかがポイントです。
9.アトピー性皮膚炎を再発させないための乾燥肌対策:漢方
乾燥肌対策は皮膚に栄養を与え、炎症を漢方で治していくと丈夫で艶々した肌になっていきます。症状がひどいときはステロイド軟膏も併用しましょう。
赤み、ジクジク、腫れが取れてきたら、肌を潤す漢方処方に切り替えて行くと乾燥感が取れて喜ばれています。
「皮膚は内臓の鏡」と言います。
胃腸が弱く下痢ばかりしている人の皮膚はパサパサして艶がなく乾燥しています。「脾虚」と言います。
また、生理の量が多く漏れるような女性が長年そのような大量の出血をしていると貧血になり、抜け毛が多くなり肌も乾燥してきます。「血虚」と言います。
血液の半分は赤血球、半分は血漿と言って水分だからです。
このように乾燥肌の原因はアトピー性皮膚炎だけではないのです。
ですからアトピーの赤みが納まったら体質、「脾虚」や「血虚」を治す漢方薬も飲んでいくと乾燥肌も元から治っていきます。
10.アトピー性皮膚炎を再発させないための乾燥肌対策:栄養
「脾胃」胃腸を丈夫にして皮膚に栄養を与える微量ミネラル鉄・銅・亜鉛・セレンなどを
とると早くよくなっていきます。
炭水化物・蛋白質・野菜をしっかりとると同時に、微量ミネラルをしっかりとると、これらの栄養素が十分吸収され、蛋白質の合成を手助けします。
そしてみるからに健康そうな皮膚になっていきます。
11.肌を丈夫にする微量ミネラル・・ 亜鉛
微量ミネラルを多く含む海の牡蠣は500年前の「本草綱目」に「心を癒し、身体の調子を調え、皮膚の色を美しくし、女性の気血の流れをよくする、と書かれています。
微量ミネラルとは鉄・亜鉛・銅・セレンなどほんの少量ですが体のバランスをとる重要な役目をしています。
特に亜鉛は蛋白質合成に欠かせないものです。皮膚は蛋白質ですから、亜鉛が不足すると皮膚炎をおこしやすく、また乾燥肌にもなりやすいのです。
12.亜鉛欠乏によって起こりやすい皮膚症状
アトピー性皮膚炎・湿疹・乾癬・ニキビ・帯状疱疹・床ずれ・爪がもろい・シミ・そばかす・皮膚の再生が遅くなる。
疲れやすい・貧血・不眠・憂うつ・イライラ・抜け毛・口内炎・花粉症・更年期障害・食不振など
参考:小児科医の児玉浩子・帝京平成大教授は「亜鉛不足は皮膚炎、貧血、味覚障害、発達障害、男性の不妊症、食欲低下、下痢、骨粗鬆症の原因となる他、床ずれが治りにくくなったり、感染症にかかりやすくなったりする」と言う。 朝日新聞 2017-03-25 |
13.食品100g中の亜鉛などのミネラル・ビタミン含有量
14.牡蠣肉エキス 「ワタナベ活性型オイスター」について
牡蠣一日5粒とると亜鉛の1日の必要量がとれます。しかし毎日牡蠣をとるのは大変です。亜鉛だけの健康食品もありますが、牡蠣そのものからとった牡蠣肉エキスの方が多くのビタミン・ミネラルを含んでいます。亜鉛単品のものより複合的で効果が優れていると思われます。
皮膚を丈夫にする牡蠣肉エキスの「ワタナベ活性型オイスター」は日本で唯一の活性型牡蠣肉濃縮エキスです。
安全性が東京健康安全研究センターで証明されています。
妊娠授乳期の方からお子様まで健康増進の栄養補給に安心してご愛用できます。
参考:丸ごと栄養学:アメリカ現代のアインシュタインと言われるT・コリン・キャンベル著「WHOLE」より
ワタナベ活性型オイスター 粒タイプ
ビン製品 600粒 43,200円
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