30年前のゲームの話2

梶野俊夫

梶野俊夫

テーマ:効果音制作について

今回は、以前のコラムでカプコンの「ファイナルファイト」について
書きましたが、今回は、「ファイナルファイト」以降のゲームについて書きます。

スーパーファミコンは「エリア88」・「超魔界村」・「ファイルファイト GUY」以降は
アーケードゲーム制作に変わりました。

「VARTH」というシューティングゲームです。

音源:FM音源・ADPCM(サンプルレート8KHz-4bit)

アーケードゲームの初めての担当です。
初めは、ショット音をカッコ良く作ってゲームに入れたのですが連射すると
あまり良くなかったです。
ショット音を連射すると頭の音が弱くて、撃ってる感じが出ないので楽しくない
感じがします。
それでアタック感のある音をミックスして制作しました。
シューティングゲームは連射音が良く、ザコ敵の爆発音もアタック感が良い方が
気持ちよく感じます。そのかわり、ミサイル発射や爆弾の投下、大爆発は頭より
中間から余韻の方が特徴ある方が良い感じになりました。
後は小・中・大・ボス爆発の音量差をつけると面白くなります。
昔、制作していて感じた事です。

「ヴァンパイア The Night Warriors」格闘ゲームです。

音源:PCM Qサウンド(サンプルレート24KHz)

「VARTH」から2年後のタイトルです。
30年前のゲーム作品はサウンド容量が少なくてサンプリングレートを
下げてSE、VOICEをたくさん制作してゲームに入れています。
レートを下げてという事は音質が悪くなりこもって聞こえます。
簡単にいうと高い音域がなくなります。
例えば、水が凍る音を作る場合”カキーン!!”を作ったとしてもレートを
下げると高い音域が出なくなり氷の冷たさとか凍る感じが出なくなり楽しさが
なくなってしまいます。
この作品は、高音域が出るようにレートを下げないようSEの種類も少し抑えて
なるべく、どのキャラでも合いそうな素材を制作してゲームツールでSE制作など
といつもより少し違う制作をしました。
コンシューマゲームのような制作をしました。

「X-MEN CHILDREN OF THE ATOM」格闘ゲームです。

音源:PCM Qサウンド(サンプルレート24KHz)

「VARTH」から2年後のタイトルです。
この作品の声の収録はカナダのスタジオで録音しました。
初めは日本で外国人の声優から録音していたのですが、マーベルからNGが出たため
海外での収録になりました。
効果音、特に殴り音は派手目な音にしました。
私が30年前に作った音では一番派手です。


制作したタイトル2

制作したタイトル1

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梶野俊夫
専門家

梶野俊夫(音響効果制作(効果音制作・選曲))

有限会社audio studio響

ゲームメーカー、音響制作会社に所属し、映画、アニメの効果音の実績も多数。自社以外にもスタジオに所属し、多種多様な作品を手掛けます。ミキサー、声優、ナレーター、作曲家などとも連携します。

梶野俊夫プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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