採用に活かすマーケティングの知恵:3つの価値の実践事例

奥野美代子

奥野美代子

テーマ:採用・定着


「人材採用がうまくいかない」。
地域の中小企業やお店から、よくこんな相談を受けます。


実は、マーケティングの考え方を採用に活かすことで、
この課題を解決できることが多いんです。


今回は、マーケティングでよく知られる「3つの価値」の考え方をもとに
和菓子店の事例としてご紹介します。

3つの価値とは
・機能的価値
・情緒的価値
・自己表現的価値

この3つです。


老舗菓子店の採用改革


創業60年の老舗和菓子店A社では、
職人の高齢化に伴い、若手人材の採用に苦心していました。

そこで、マーケティングの3つの価値の考え方を
取り入れ、発信活動を見直しました。

機能的価値を明確に

機能的価値とは、採用条件や仕事の内容です。
この条件なら働きたいと思える価値を伝えます。

ここでは、「職人」という言葉の持つ敷居の高さを
和らげることから始めました。

従来の「和菓子職人募集」という表現を
「伝統の技を学べる製菓スタッフ」に変更。

さらに、先輩職人が新人に丁寧に教える様子を
写真付きで紹介しました。

情緒的価値を大切に


毎月1回、店主も交えて「SNS会議」を開催。

季節感を取り入れた商品開発や店舗装飾の様子、
職人の技が光る上生菓子の仕上げなど、
投稿するコンテンツをみんなで企画します。

経験年数に関係なく意見を出し合える場として
自然とコミュニケーションが活発になりました。

自己表現的価値を示す

スマホ好きな若手職人は動画撮影を担当し、
年配の職人は和菓子にまつわる歴史や文化の解説を提供。

SNSでの発信を通じて、「伝統を守りながら、
新しい表現方法も取り入れられる」
という価値を実感できる環境が生まれました。

北海道産の上質な小豆を使い、自家製餡する「あんこ」へのこだわり。
最近では健康な食材としての「あんこ」の魅力も発信しています。

結果として
地方の小さな店舗ですが、最近ではテレビ取材も増え
地域の活性化にも貢献しています。

応募者の年齢層が若返り、
「伝統的な技術を学びながら、自分のアイデアも活かせそう」
という期待を持って応募してくる人が増えました。

特にSNSを見て応募してくる若手が増加し、
「自分も携わってみたい」という声も
多く聞かれるようになりました。

まとめ


地域企業だからこそできる強み、
それは「顔の見える関係」を活かした採用活動です。

SNS広報チームの活動は、単なる情報発信の手段ではなく、
職場の活性化や人材育成の機会としても機能します。

チームで取り組むことで生まれる帰属意識や
自己表現の場としての価値が、
結果として採用力の向上にもつながるのです。

次回は、この考え方でさらにチーム力を高めた企業の具体例をご紹介します。

※マーケティングや採用に関するご相談はお気軽にどうぞ。

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Mybestpro Members

奥野美代子
専門家

奥野美代子(広報コンサルタント)

株式会社アイリスプランナー

採用が苦手なクリニックに、お金をかけずに”辞めない”優秀な人がとれる「SNS活用」デジタル採用をサポートしています。理念を共有し、価値を伝える広報チームを育て、集患や採用など課題解決を導きます。

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