買い物時間を安心・楽しみに変えるには

佐伯重和

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自閉症のご利用者さんを連れての買い物は、挑戦だったり冒険だったりイベントだったりします。スーパーのざわざわした音・複雑な売り場・そして「欲しい!」という気持ちを切り替えられない状況……。時には、パニックになってしまうのは、実はとても自然な反応です。

パニックには“環境”“引き金”“結果”の3点が重なります。
まず大切なのは、“見通しを持てる状態”を作ること。どこのスーパーに行き、何を買うのかを事前に説明するだけでも、ご利用者さんの不安は大きく和らぎます。
成人のご利用者さんは、逆にイベントとしての楽しみが大きくなっています。

ご利用者さんに「探してカゴに入れてもらう」という役割をお願いすると、買い物は“宝探しゲーム”に変わります。欲求が大きいご利用者さんには、事前に「今日は1つだけ買う」等ルールを事前共有しておけば、不穏になりにくいです。

支援の基本は困りごとだけに注目するのではなく、
「どんな環境だと安心できるか」「何なら楽しめるのか」まで観察すること。
環境が整えば、ご利用者さんの行動は驚くほど変わります。
買い物が “楽しみになる時間”へ──その一歩は、小さな工夫から生まれます。

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佐伯重和
専門家

佐伯重和(障がい者グループホーム運営)

笑顔の家

利用者が安心して暮らしていける障がい者グループホームを目指し、食事などの生活支援、通院支援や金銭管理のサポート体制を整えている。また障害の特性と人生プランに合わせたグループホーム選びを呼び掛ける。

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