服薬管理は支援の原点~安全と自立のバランスを考える~
障がいのある方の金銭管理を支援していると、「どこまで介入すべきか」
という悩みは避けて通れません。自由に使ってほしい気持ちと、財産を守る必要性。その間で揺れる支援者は少なくありません。
例えば、自立度の高いご利用者さんから必要と申し出る度にお金を渡していた為、気がつけば残額が足りない状況がありました。ご家族からの送金に頼る場面も増え、このままでは本人の生活基盤が揺らいでしまう・・・
そんな危機感から見直すことになり、改めて行ったのは「何を買ったのか」をレシートで確認し、手持ちの所持金と照らし合わせること、シンプルです。
支出の把握はただの管理ではなく、本人が今後の生活を自分で考えていくための一歩でもあります。しかし、使途の確認は本人の自由への介入にもつながるため、必ず意思確認を丁寧に行うことが欠かせません。
重要なのは、節約の必要性を不安だけで伝えるのではなく、「生活が安定すると出来ることが増える」という前向きなイメージを持ってもらうことです。本人が納得し、自ら協力しようと思える支援こそが、長く続けられる支援と思います。
「制限」ではなく、「安心して暮らすためのサポート」自由と安全のバランスを探りながら、その人らしい生活を一緒に守っていくことが、金銭管理支援の核心なのだと感じます。



