市民の法律問題を一緒に解決する法律のプロ
半田望
Mybestpro Interview
市民の法律問題を一緒に解決する法律のプロ
半田望
#chapter1
佐賀地方裁判所にほど近い場所に「半田法律事務所」を構え、「わかりやすく、ていねいに」をモットーに活動している弁護士の半田望さん。
交通事故、離婚、相続、破産、借金、金銭トラブルなどの身近な問題から、民事事件や刑事事件、行政訴訟に至るまで「法律の問題で何かトラブルを抱えてしまった方が、気軽に何でも相談でき、お役に立てる弁護士でありたい」と笑顔で話します。
「法律問題で何か相談をしたいという時に、弁護士の敷居が高くあってはならない」というのが半田さんの持論。弁護士を身近な存在として考えてもらうために地域の団体が主催する法律の学習会では講師を務め、地域の人たちに法律の諸問題をわかりやすく解説しています。また、自らのホームページのコラムでも身近な法律問題を定期的に情報発信するなど、通常の弁護士業務以外の場での活動にも力を入れています。
「こうした活動を積極的に行うことで、法律や弁護士により親しみを持っていただければと。実は、問題がかなりこじれてしまってから相談にこられる依頼者の方が一定数おられます。もっと早い段階で相談にお越しいただいていたら、より良い解決法をご提示できたのにと悔しい思いをすることがよくあるんです。医療を例にとると、ちょっと熱があれば、すぐにかかりつけのお医者さんに診てもらいますよね。弁護士の元にもそのように、少しでも何かあれば気兼ねなく相談していただける、そんな法律事務所を目指しています」
#chapter2
常に相談者に寄り添う半田さんが、法律家を志すようになった理由を話してくれました。
「ちょうど中学を卒業するころに阪神・淡路大震災やオウム真理教事件が起こり、大震災の民事トラブルやワイドショーをにぎわせたオウムの刑事、民事事件などを見て、法律への興味を抱くようになりました。実は法律というのは私たちのすぐ身近にあって、すごく大事なものなんだと」
父親は佐賀大学で教鞭をふるう地球物理学の教授。幼い頃から学者肌の父親の背中を見て育った影響もあり「将来の職業は、父のように何か一つの物事を極めていける専門家がいいなと考えていました」と半田さん。
それからは法律家を目指して猛勉強し、生まれ育った佐賀から離れ、京都の立命館大学法学部に入学します。その後、同大学院、京都大学法科大学院で勉学を重ね、2006年、司法試験に合格。司法研修生として大分で経験を積んだ後、「地元の方々の力になりたい」と故郷に戻り、佐賀県弁護士会に登録しました。
ただ、道のりは決して順風満帆ではありませんでした。幼い頃、いじめにあって不登校になったこともありました。また、受験に必要だからという理由だけで、進路とは関係のない勉強をさせられることや、どの学部ではなく、どの大学に進学するかが中心の指導に疑問を抱き高校を中退。大検(大学入学資格検定)を受験して大学進学を果たしました。
「受験勉強をしていた頃はアルバイトをしていたのですが、ある時『高校を中退するようなやつはどうせ働いても続かないだろう』などと言われ、なにくそと(笑)」
半田さんは、過去の日々を振り返り「そういったつらい体験がたくさんあったからこそ、今の自分があると思っています。だから事件のジャンルや大小を問わず、社会的に立場の弱い人たちの力になれるよう全力で寄り添っていきたい」と胸の内を語ります。
#chapter3
2009年の事務所開設以来、数多くの相談に応えてきた半田さん。特に交通事故紛争や倒産処理事件、医療事故、労働事件などに豊富な実績があります。
個人や企業のトラブルだけではなく、近年では、佐賀で知的障害者の青年が警察官に取り押さえられ死亡した事件の一連の裁判、接見室での写真撮影をめぐる接見国賠訴訟、佐賀県内で第一号となった裁判員裁判、B型肝炎訴訟など、ジャンルを問わず世間の耳目を集める裁判にも広く携わっています。
中でもB型肝炎訴訟では、事務所内に佐賀弁護団の常設電話を設置して電話相談に取り組み、県内の被害者掘り起こしを率先してすすめています。また、佐賀大学の特任教授として教壇に立ち、学生たちに民事訴訟法を教えています。
「今は誰もが弱者になりうる社会だと思います。不可避的に被害にあってしまうこともあります。いかなる場合でも納得のいく救済がきちんとなされるべきですし、依頼者の方の権利を守るとともに、再び同じ事態に陥ったりしないために何ができるかを常に意識しています。弁護士に依頼する、というのはトラブルの解決のためなのですが、最も大切なのは、依頼者の方のトラブルが解決した後にいかにリスタート(再出発)できるかです。法律のプロとしてこれからも関わる方々をしっかりと支えていきたいです」と力強く話す半田さんの、今後ますますの活躍が期待されます。
(取材年月:2019年1月)
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