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足で稼いだ情報を基に、九州のスポーツを発信するフリーアナウンサー

現地から生きた情報を伝えるスポーツ実況のプロ

脇田達司

現地から生きた情報を伝えるスポーツ実況のプロ 脇田達司さん
脇田達司さん実況風景

#chapter1

うわべのものだけで実況してはいけない

 学生時代の陸上(長距離)をはじめ、カーリングやトライアスロンなど珍しいスポーツの競技歴をもつ脇田達司さん。昨年までは東京でフリーアナウンサーとして活躍していましたが、昨年、故郷でもある九州に拠点を移し、九州を軸に地元・九州のスポーツを盛り上げる仕事をしようと、「Anchor's Room(アンカーズルーム)九州」を立ち上げました。
 東京では主にハンドボールや六大学野球などのスポーツ実況を手掛けていたという脇田さん。東京に出る以前も、福岡や佐賀のテレビ・ラジオで道路交通情報のキャスターや駅伝・学童野球などの実況を務めていたと言い、アナウンサーとしてはベテランといえるでしょう。

 衛星デジタル放送が始まって以来、スポーツなど各ジャンルの専門チャンネルが飛躍的に増えて、その後のインターネットTVの普及でスポーツ専門の動画配信サービスがJリーグを独占したりと変遷を経てきましたが、「我々アナウンサーからすると、放送メディアが変わったとしても、やることは変わらないんですよね。Jリーグは一例なのですが、主要コンテンツの一つ・海外スポーツなんかはだいたい東京でやってるオフチューブ(映像だけを海外から買って、実況を東京のスタジオでつける放送形式)で、極端なことを言うと、家でテレビを見ながらそれに実況当ててるのと同じなんです。もちろんオペレーションは世界中から映像が送られてくるので世界中のいろんなスポーツを見られるようになるのはいいんですけどね…」と脇田さんは話します。

 「海外の試合だと、行くだけでも交通費と人件費がとんでもなくかかるので、映像だけもらって東京で音をつけてコストはかけないというのは分かるんです。ただ、私の中では、現場に足を運ばず、ネットで手に入れるという簡単過ぎる手段に危機感をもっています」と脇田さん。
「先日、九州六大学野球の取材で西南学院大学のグラウンドに行ったんですけど、現場に行って選手や監督に話を聴いて取材をする。その下地をしっかりもっておかないと、うわべのものだけで実況しちゃうのは怖いなって思っています」。試合は西南学院大と東大とのオープン戦でした。「東大が入っている東京六大学野球を実況させていただいたこともあるんですが、会場は神宮球場なのに、スタジオ(球場外)で喋るんです。それには私も苦労しましたね」

#chapter2

取材はコストをかけてでも現地に行く

 現地に行くこと。それにはもちろんお金がかかりますが、お金をかけて投資してでも現地に行って、実際に生で試合を観る。試合前に監督や選手に話を訊く。「競技よっては厳しいものもあるんですけど、そこまで縛りがない競技もあるので、現場に行って試合を前にして『どうしたいのか』、終わった後には『どうだったのか』。実況がない時には「note」(画像・映像・文章などの「作品」を公開する一種のSNSサービス)にマッチレポートを書いてるので、試合の経過をバーっと書いて、ちょっと校正して、遅くとも翌日の朝ぐらいに上げるようにしています」と脇田さんは話します。

「もとNHKのアナウンサーでサッカーの実況でおなじみだった山本浩さんがよくおっしゃってたんですけど、『取材情報は現場に落ちている』だから現場に行かないとだめなんだ、と。だから現場に行って、選手の生の声を聴いて、観ている人・聴いている人に届けるのが私に課せられたミッションなんだと思っています」

脇田達司さんインタビュー風景

#chapter3

経験を生かした個人レッスン

 これまでのフリーアナウンサーとしての活動や経験を生かして、これからスポーツ実況やアナウンサーの仕事をやってみたいという方に、基本的なことはレクチャーできると話す脇田さん。

「道路交通情報のキャスターをのべ8年、フリーになってスポーツの仕事をさせてもらってきた中で、大切だと感じたことをお伝えします。例えばレッスンを1対1でやるんだったら1時間、3人ぐらいのチーム制だったら2時間ぐらいとか。場所は自宅というわけにもいかないので、ちょっとスペースを借りて、福岡でも、遠方から来てもらっても全然かまわない。これは胸を張って言いますが、ハンドボールの日本リーグを一番取材しているアナウンサーだという自負がありますので、レッスンを兼ねて同行取材みたいなこともできるでしょう。もちろんそれにはリーグの方とかに相談しないといけませんけれど、スポーツ実況の取材の仕方だったり押さえるべきポイントのレクチャーだったりできると思います。私もいろんなアナウンスの学校に行っていたので、これからうまく骨格を作らないといけない部分も多々ありますが、よろしくお願いします」

(取材年月:2020年2月)

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専門家プロフィール

脇田達司

現地から生きた情報を伝えるスポーツ実況のプロ

脇田達司プロ

フリーアナウンサー

Anchor's Room(アンカーズルーム)九州

「現地に足を運ぶ」を信条に、ネットなどで安易に拾った情報ではなく、実際に足で稼いだ現場の生の情報を生かしたスポーツ実況に強み。

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