起業家のための簡単な決算書の読み方(2) -貸借対照表②-
今回は日本政策金融公庫と信用保証協会の創業融資制度について書いていきます。詳細な申し込み条件につきましては、日本政策金融公庫のホームページ(http://www.jfc.go.jp/)大阪府のホームページ(http://www.pref.osaka.jp/kinyushien/seido001/index.html) 兵庫県のホームページ(http://web.pref.hyogo.lg.jp/work/cate3_307.html)をご覧ください。
細かい条件はさておき、日本政策金融公庫の創業融資は無担保・無保証のものについては、融資額は1,500万円以内、必要資金の1/3 を自己資金として確認できることが必要になります。つまり、必要資金が2,250万円であれば、自己資金を750万円用意することができれば、1,500万円の融資を申し込むことができます。申し込むことができると書いたのは、1,500万円の融資申し込みがそのまま通ることはほぼないからです。
経験上、すんなりと通る融資額は500万円までです。これ以上の金額は、申込者の実績、創業の計画が相当に優れていること、自己資金については1/3 ぎりぎりではなく、たとえ事業からの収入がなくても、1年間は生活していけるだけの資金を事業用資金以外に保有していることも必要なようです。直近の1年間に創業融資を申し込んだ当事務所の顧問先で実際に借りた額は、800万円が最大でした。また、自己資金の出所については精査されますので、いわゆる見せ金というのは通用しません。それ以前に、そのような行為は信用を失いますので絶対にやめておくべきですが・・・。
次に都道府県の信用保証協会の開業資金の融資制度についてですが、ここでは大阪府の制度融資について書いていきます。これは無担保ですが、代表取締役の連帯保証が必須です。融資額は開業資金Aと開業資金Bに分かれ、開業資金Aの融資額は1,000万円以内、必要資金の1/5を自己資金として確認できることが必要になります。つまり、必要資金が1,250万円であれば、自己資金を250万円用意することができれば、1,000万円の融資を申し込むことができます。開業資金Bは事業開始前または事業開始後2ヶ月未満の場合には、融資額は1,500万円、融資額と同額の自己資金が必要です。事業開始後2ヶ月以上経過している場合は、必要な自己資金は融資額の1/5、開業資金と合算で2,500万円まで申し込むことができます。ただし、保証協会は初めて取引する場合には1,000万円をひとつのラインとしているようですから、開業資金Bを事業開始2ヶ月以上経過してから借り入れる場合でも、よほど実績が良くない限りは借入金額と同等以上の自己資金が必要と考えたほうがよいのではないでしょうか。
また、これ以外にも自己資金不要で1,000万円以内+借入金額と同等以上の自己資金が必要な1,500万円以内の創業にかかる保証制度がありますが、詳しい内容については加茂川税理士事務所プラスまでお問い合わせください。
起業家の資金繰り ① -創業時の資金調達-
http://mbp-japan.com/osaka/zeirishi/column/16250/
起業家の資金繰り ② -創業融資の内容-
http://mbp-japan.com/osaka/zeirishi/column/16291/
起業家の資金繰り ③ -貸し手からみた創業融資-
http://mbp-japan.com/osaka/zeirishi/column/16409/
起業家の資金繰り ④ -創業融資、必要資金の計算-
http://mbp-japan.com/osaka/zeirishi/column/16514/
起業家の資金繰り ⑤ -創業融資、申込書と面談-
http://mbp-japan.com/osaka/zeirishi/column/16541/
起業家の資金繰り ⑥ -まとめ-
http://mbp-japan.com/osaka/zeirishi/column/16613/